鉄道景色

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後楽園あたりで神田川へ右折するとともに鬱陶しい高速道路は消え頭上に青空が広がった。お茶の水が近づいてくると中央線が横を走る。左側には樹木が茂り鳥が賑やかだ。聖橋をくぐると丸ノ内線と総武線の立体交差。船ならではのダイナミックな鉄道景色が展開する。

東京水系

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第4クォーターの設計課題「東京水系にリンクする集合住宅」の準備のために日本橋から船に乗った。「神田川クルーズ」という日本橋川→神田川→隅田川を巡る90分コース。秋晴れだったのだが日本橋川の上には高速道路が走り回っているので快適とは言い難いが、船は屋根無しなのでその不思議な感じが面白いと言えなくもない。

路面標示

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[二軒家アパートメント]前の味のある遊歩道の見栄えがいいとは言いにくい可動植栽が撤去されたので、環境改善を楽しみにしていたのだが結果は余所では眼にしたことがないほど悲惨なものだった。路面に着彩。毒々しい青を基本にタイル目地と割石目地が醜悪なパターンで配されている。同じようにもともとの小河川を暗渠にした呑川緑道とか蛇崩緑道とかが緑いっぱい鳥いっぱいなのと比べると悲しい。工事標識には「路面標示」とある。確かにそのとおりだ。予算がないのならそれも仕方がないけれど、せめてもう少し環境を考えた標示にしてほしいな。

宮脇別墅

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「宮脇檀 手で教える 教育者 宮脇檀へのオマージュ展」が好評裡に閉幕した。居住空間コースのOGも大勢来てくれたようだ。「松川ボックス」を手掛かりにした会場構成もたいへんよくできていた。作品の模型やドローイングなどどれも見応えがあったが、とりわけ興味深かったのは「M氏のための別荘」。晩年の病床でもう声が出なくなっていた宮脇さんに別荘を設計して贈ろうという課題で、29の作品一つ一つに彼の直筆のコメントが添えられている。たとえば、古民家を題材にした学生に「別墅なんて云い方良く知ってたね」と優しく語りかけながら「こういう伝統的な建物をそのまま住むのではdesignにならない」ときちんと語る。愛に溢れているなあ。展覧会の締めはゆかりの深い先生たちのトークショウ。みんな一緒になって教えることを楽しんできたことがわかる。そして製図室で恒例のパーティー。参加してくれた宮脇事務所OBの方たちが初めて目にする宮脇さんの大学の世界に驚いていた。立派なキッチンがある製図室に宮脇好みの椅子、家具、照明。テーマは建築、旅、食を通じて人と人の繋がりの大切さを教えること。この仲間に入って15年間も教えることができたことをうれしく思う。ここで育まれた繋がりはいつまでも続く。

秋から冬

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ここのところからだが少し重いなと感じているのは秋になって野山の動物のように冬が近づいてきたからではないだろう。そう「燕楽」の分厚いロースかつと「ロダン」のかつカレーだ。早速外食条例施行細則を改定しカツの対象にチェーン店以外も含むことにして即日施行した。そして今週のランチはデザートを止めることにしたlunetteの後は3日続けてmargoサラダ。3種のグリーンレタスにアボカドとナッツを基本に豆類、穀類、野菜から2品加えてドレッシングも変えてヴァリエーションを楽しんでいる。美味しいしおなかいっぱいになるのだけれどピースが多すぎて食べるのに時間がかかるのだけが難点。楽しんでいます。

hypermix

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北山恒さんのhypermixで開かれた円錐会のシンポジウムに行った。「集合と共同から建築を考える」という焦点が定まらないお題のせいか議論はあまり上手く噛み合わなかったが、パネリスト各々のプレゼンは興味深かった。特に高橋一平さんの8戸の不完全なユニットの集合体に新たな可能性を感じた。個人の領域から鍵を開けて一歩外に出るとそこは管理された領域で英語でpublicと呼ばれる中間的領域は東京にはほとんどないという共通認識は確認できていたように思う。会場となったhypermixはその中間的領域を建築の内側に成立させる挑戦が実現している稀有な例なのだから、積極的に議論に取り込めばもっと良かったのではと感じた。路面の大空間が経済的に占有されていないこと、居住用ユニットの外周に連続して共有外部空間が存在していること、居住ユニットと仕事空間が共通の共有空間を持つことなど類例が少ない興味深い試みだと思う。事業主サイドから一般的に捉えると、容積は余っているし、お金にならない場所がかなり多い。けれども事業収支的にはペイしているそうで、それでいて社会に向かってこれだけ大きな働きかけをしているのだからあっぱれだ。容積完全消化を大前提に僅かばかりの面積に入らない中間領域を創り出すのがせいいっぱいの私には別の世界の建築のようだが、私にとってもまったく無縁であるわけではないということを、ここから学ぶべきなのだろう。都市を社会を変えていくためには観念的な壮大な議論よりも小さな実践が大切だという好例だと思う。たくさんの元気をもらった。熱い議論の空間の脇の路地を街の人が通り抜けて行くいい写真が撮れた。

遠い記憶

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二軒家の花屋さんハナミドリはとても忙しいらしく朝昼夕夜たびたび前を通るのになかなか寄ることができないのだが昨日は運よく開いていて秋らしいかわいい紫色の花をゲットした。トリカブト鳥兜Ranunculaceae Aconitumキンポウゲ科トリカブト属 。英語はmonkshood。ドクウツギ、ドクゼリとともに日本三大有毒植物だそう。3人で設計事務所workshopを設立した1978年に我が家[bigdog house]の根伐の現場でユンボのお兄さんから乾燥して棘のようになったトリカブトの茎をもらった。「虫歯がないなら齧ってみな」と言われて口にしたらジーンと痺れた。遠い遠い記憶が鮮明だ。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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