宮脇別墅
「宮脇檀 手で教える 教育者 宮脇檀へのオマージュ展」が好評裡に閉幕した。居住空間コースのOGも大勢来てくれたようだ。「松川ボックス」を手掛かりにした会場構成もたいへんよくできていた。作品の模型やドローイングなどどれも見応えがあったが、とりわけ興味深かったのは「M氏のための別荘」。晩年の病床でもう声が出なくなっていた宮脇さんに別荘を設計して贈ろうという課題で、29の作品一つ一つに彼の直筆のコメントが添えられている。たとえば、古民家を題材にした学生に「別墅なんて云い方良く知ってたね」と優しく語りかけながら「こういう伝統的な建物をそのまま住むのではdesignにならない」ときちんと語る。愛に溢れているなあ。展覧会の締めはゆかりの深い先生たちのトークショウ。みんな一緒になって教えることを楽しんできたことがわかる。そして製図室で恒例のパーティー。参加してくれた宮脇事務所OBの方たちが初めて目にする宮脇さんの大学の世界に驚いていた。立派なキッチンがある製図室に宮脇好みの椅子、家具、照明。テーマは建築、旅、食を通じて人と人の繋がりの大切さを教えること。この仲間に入って15年間も教えることができたことをうれしく思う。ここで育まれた繋がりはいつまでも続く。
2018/10/27(Sat) 08:00:04 | doglog