hypermix

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北山恒さんのhypermixで開かれた円錐会のシンポジウムに行った。「集合と共同から建築を考える」という焦点が定まらないお題のせいか議論はあまり上手く噛み合わなかったが、パネリスト各々のプレゼンは興味深かった。特に高橋一平さんの8戸の不完全なユニットの集合体に新たな可能性を感じた。個人の領域から鍵を開けて一歩外に出るとそこは管理された領域で英語でpublicと呼ばれる中間的領域は東京にはほとんどないという共通認識は確認できていたように思う。会場となったhypermixはその中間的領域を建築の内側に成立させる挑戦が実現している稀有な例なのだから、積極的に議論に取り込めばもっと良かったのではと感じた。路面の大空間が経済的に占有されていないこと、居住用ユニットの外周に連続して共有外部空間が存在していること、居住ユニットと仕事空間が共通の共有空間を持つことなど類例が少ない興味深い試みだと思う。事業主サイドから一般的に捉えると、容積は余っているし、お金にならない場所がかなり多い。けれども事業収支的にはペイしているそうで、それでいて社会に向かってこれだけ大きな働きかけをしているのだからあっぱれだ。容積完全消化を大前提に僅かばかりの面積に入らない中間領域を創り出すのがせいいっぱいの私には別の世界の建築のようだが、私にとってもまったく無縁であるわけではないということを、ここから学ぶべきなのだろう。都市を社会を変えていくためには観念的な壮大な議論よりも小さな実践が大切だという好例だと思う。たくさんの元気をもらった。熱い議論の空間の脇の路地を街の人が通り抜けて行くいい写真が撮れた。
2018/10/25(Thu) 08:00:03 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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