気持のよい天気が続いています。朝のこの時刻は少し肌寒いくらいですが、きりっとした晴れ。ハヤがお腹をすかせてしまって散歩の途中で動かなくなり道程が短めになる傾向があります。バラの蕾も日に日に大きさを増しています。[doghouse]外側の緑も元気いっぱい。
去年の写真と比べてみてください。
4月29日。[doghouse]4歳の誕生日。昨日は渡辺篤史さんの「徹子の部屋」に少し映ったようです。お世話になっています。多くのお客様をお迎えしながら建築も中身も少しずつ成長しています。今日は朝からいい天気。濃いめに淹れたアイリッシュ・ブレックファスト(ロンドンで入手した16種の紅茶のひとつ)にミルクをたっぷり入れて中庭で朝食。少なくとも3種類の鳥の囀りがBGMです。東側の空を無粋に走る電線も、ファインダーで切り取れば意外に面白いもの。望遠で鳥たちを捉えるのは、こんな朝の楽しみのひとつです。何十枚も撮った絵の一枚です。
一番大きくなっている蕾がこれ。コンテ・ド・シャンパーニュ Comtes de Champagneという名前。淡いクリーム色でシャンパンとは関係ないそうです。もちろんイギリス産。
「おとうさん」が[doghouse]にやって来ました。高校同期の飲み友達から一時的に預かったものです。よくできています。背景左側の黒い部分は撮影の様子を見に来た本物の犬の影です。
昨日の冷たい雨を吹き払うかのように朝陽が差し込んでいます。雨滴がきらきら輝いて庭が楽しそう。ブルーベリーの実がすぐにでもついてしまいそうです。
斎藤輝彦さんのリサイタルへ。Eccles、Bruch、Ravel、Gluck、Faure’ときてAmazing Graceを挟んで十八番のBottesini。素晴らしいコントラバスを
吉岡裕子さんの透明感あるピアノと共に堪能しました。配られた演者自らの曲目解説も力作です。Bottesiniに「コントラバス史上最大の人物であり、これから人類が何千年生き延びようとも彼を超える者は出てこない。」と最大級の賛辞を送ったついでに「残念ながら、芸術の世界も地球の資源のように有限なのである。」と演者の史観が顔をのぞかせるといった具合です。クラシックはほとんど門外漢といってよい私は「そうか、ディランと同じか」というふうに納得です。今回の3曲のBottesiniは特に難曲が多いようですが、私はそういうテクニカルな部分よりも、なんといっていいかわからない音楽の香りのようなものにかなり惹かれています。ヴァイオリン協奏曲を時々聴くBruchの「コル・ニドライ」も発見でした。満足のリサイタルでした。開場の調布グリーンホール小ホールは大ホールの音が漏れてくるひどい設計だったのだけは残念。会場にはGrappa村の
Marco親子も。彼らは一昨日Earth Dinnerを開催した代官山のDeLonghi’sのシェフErnestoさんの同郷の知り合いでもあります。おもしろいリンクですね。Earth Dinnerでは食材のことを少しでも体感しようと、私も厨房に入りErnestoさんのご指導の下、フキノトウを微塵切りにしました。今朝は散歩が終わりかけたころから冷たい雨。塀の上から庭に降りてきている薔薇も雨の中です。
ブルゴーニュの中でChablis、Cote de Nuits、Cote de Beauneをまわりました。
Chablisに着いた頃は
090408の写真もそうですがまだうっすらと朝霧がかかっていました。左側の斜面のほうが日当たりも良くGrand Cruで右側はPremier Cruだそうです。
最上級のほうの畑はけっこうな急斜面。ところどころにある小屋が絵になっています。畑の管理者の違いによって、遅霜対策の方法が異なっています。樹の仕立て方にも地域ごとにはっきりとした流儀があるとのことでした。よそから土を持ってきたり、人工的に水をやったりすることは禁じられているそうです。畑の力をそのまま結実させそれをワインにするということなのですね。だからこそ畑ごとに不変の格付けがきまっているのでしょう。
Montrachetが有名なCote de BeauneとRomanee ContiやGevrey-ChambertinのCote de NuitsのGrand Cruの畑のあいだを走りました。まだブドウの芽が出ていない淡い褐色の畑の中で、独り白い花を咲かせている木が目立っていました。おいしいワインということを抜きにして、ただただ美しい風景の連続です。
この地域ではこうして馬が畑を耕すことも珍しくないそうです。
勝沼からの帰り、相模湖駅で見つけた燕の巣。親鳥が餌を運んでいました。少し前は家の近所でもよく見かけた光景なのですが。
しっかり雨が降りました。穀雨。いい雨だなあ。私が帰宅した時には本降りで散歩がお預けになってしまい、ハヤは我慢できず、フクは朝の散歩で爆発でした。娘からは霧に煙る東京タワーの写真が送られてきました。パリのお手本とはまた違った味があります。
photo by Momoko Kinoshita
檸檬にやっと若葉が出ました。元気そうですが、ultramomoさんのところのような花芽はまだありません。今年は実がなるのでしょうか。
お隣の斎藤さん一家とフランスから持ち帰ったチーズでワインを楽しみました。赤はイタリアで、トスカーナのBibbonaのInsoglio 2006。6種のチーズの一つがChablisだったので訪問したDomaine Long-DepaquitのChablis Grand CruのLe Clos 2001も開けました。この紛らわしい名前の意味が今なら分かります。4月24日には調布のグリ−ンホールでその斎藤輝彦さんのコントラバス・リサイタルが開かれます。いつものボッテシーニに加えてブルッフやラヴェルも登場するそうです。興味のある方はブログ
[星と音楽と・・ ]をご覧ください。私も聴きに行きます。
[doghouse]には猫もいます。たいてい隠れていますが子供たちの姿が見えない時にはこうして堂々と姿をあらわします。クウの左前足がほかの猫と違っている経緯については2007年12月2日の
[doglog]をご覧ください。手前はイタリアン・パセリの苗。オレガノやローズマリーなどと一緒に庭におろしました。[キッチン・ガーデン」の始まりです。
juneberryとblueberryに続いてchokeberryが咲いています。アロニア。バラ目 rosares バラ科 rosaceae ナシ亜科 maloid アロニア属 aronia。去年の一日前の
[doglog]も同じ話題でした。
旅の途中の現地レポートでは写真をとりあえず選んでアップするのが精一杯でしたが、毎週金曜日には旅を振り返ってみることにします。まずは
090407で登場したブルゴーニュの村から。
夜9時に成田を経って朝4時にパリというフライトは合理的です。まだ真っ暗なシャルル・ドゴールを自動車でスタートして約一時間、明るくなり始めた頃には一面の畑の中を走っていました。朝靄がうっすらとかかって幻想的な風景です。さすが食糧自給率130%と言われる農業大国、どこまでも見渡せる平原を小麦を主体とした緑が覆っています。
200kmくらい走って立ち寄ったポンティニーという小さな村。ソメイヨシノとはちょっと違う桜並木のピンクと淡いクリーム色一色の街並みが絶妙のコントラストでした。
向こうに霞んで見えるのがポンティニーの村。教会の尖塔があってそのまわりを家並みが取り囲んだこういった村が街道沿いに点在しています。
090407の写真に写っているポンティニーの修道院のアプローチからのショットです。
修道院の反対側から見たところ。広大な農地の中に浮かぶ建築が幻想的に見えました。異国を強く感じる風景の連続です。
いつもの時刻に起きてjetlagから解放。万助橋目指して散歩に出ました。留守の間に桜はすっかり姿を消して新緑が目に優しい玉川上水です。犬たちも大満足。うちに戻る頃にはみんな腹ぺこです。
雨があがって気持のよい朝。やっぱり我が家はいいな。留守のあいだに植物が急成長。ジューンベリーは花が終わり、ブルーベリー満開、レモンにもたくさんの新芽が出ています。動物たちも気持ちよさそうです。
パリ発2355成田着1800という夜行便のおかげで日にちの感覚がかなり不思議な感じです。14日火曜日の存在が希薄です。
さまざまなものとの出会いが立て続けに繰り返された日々がようやく終わりに近づいています。旅の合間での[doglog]アップは時間がなかったり酔っ払っていたりなかなか繋がらなかったり、思ったより難儀でした。書きたいことが多すぎて、アップしたい写真が多すぎて、もう完全に飽和状態ですが、最後に立ち寄ったロンドンでの現代建築の奮闘ぶりが、今回の濃密な旅を引き締めてくれたように感じています。写真は大英博物館のグレート・コートです。左側の増築されたシリンダーで開催されていたイラン展は新鮮でした。右側の古い建築の中には世界中から略奪?した文化遺産が並べられていました。
昨日のテート・モダンに続いて、時が経過した建築の中に重ねられた建築作品を2つ見ました。大英博物館グレートコートとロイヤル・アカデミーのサックラー・ギャラリー。写真は後者のショップで見つけた犬用のバンダナです。犬たちとの散歩が恋しくなってきたなあ。
パリ北駅からユーロスターでドーバー海峡をくぐってロンドンへ。2時間強の旅は飛行機のビジネスクラスの快適さでした。ドラマチックなターミナル駅の様子や車内のいろいろは改めてアップします。セント・パンクラス駅からのロンドンタクシーは大規模なデモで宿まで行けず、スーツケースをころがしながら「人の川」を渡り宿までなんとか辿り着きました。そういえば日本ではデモが思い出になってしまっているなあ。チェックインして直ぐに街へ。まだなんとか明るさの残っている8時まで、テート・モダン、ロイズ、「ガーキン」など建築を見て歩きました。同じ大都市でもパリとはまったく趣が違います。どちらの都市も東京とは別のカテゴリーであると考えざるを得ないようです。うーむ。
ガロンヌ川対岸からのボルドー旧市街夜景です。今日はイースター休暇前日。ボルドーの空港近くで寄ったスーパーも、あの卵や何故か兎の形をした、イースター商品コーナーが賑やかでした。パリに戻ってからの夕食への長い散歩の途中の本屋でかわいい兎を見つけました。
ボルドーの長い一日。9時から始まったディナーの後、ライトアップされた世界遺産の街を歩いてトラムに乗ってまた歩いて、ホテルにたどりついたのは1時過ぎ。写真をパソコンに読み取って、そのうちの一枚をまずはアップします。
パリからTGVでランス往復。シャンパーニュの石灰岩盤の地下をくりぬいた圧倒的な地下空間を訪ねました。8時半にはパリに戻り、ネットでやっとのことで入手できたBob Dylanコンサートへ。街でパテ・ド・カンパーニュだかをはさんだ小ぶりのバゲットを買い、成田を離れて初めてのビールとホワイエで腹ごしらえ。みごとなパリのファンに乗せられたのかディラン・バンドは絶好調。現在のDylanのために再構築された音楽を堪能しました。キャパ3,700の音響の良いホールのセンターの調整卓の少し前というラッキーな席。久しぶりに我を忘れるライブになりました。今夜も寝れないかも。選曲の目玉はシャルル・アズナブールの美しい
The Times We've Known。パリっ子の熱い声援に応えての選曲でしょう。この後Bobはランスの先のストラスブール。付いていきたいな。写真はコンサート会場の上にある今夜の宿から見えるエッフェル塔。Bobも同じ景色を眺めていることでしょう。
ブルゴーニュのブドウ畑をまわりました。土地の傾斜や向きの違い、土質の微妙な差によって、ひとつひとつの畑の「地力」が異なっているのだそうです。それに従って畑の等級がつけられているということくらいまでは、わかっていましたが、畑を目の当たりにして説明を聞いて、少しは「地力」のたいせつさがわかったような気がします。ブドウの木は棚式ではなく垣根式で、剪定の仕方も日本で見たものとはまったく違っています。
旅に出ました。フランスです。朝4時にシャルルドゴール空港に着き、すぐに車でブルゴーニュへ。明るくなってきた頃にはうっすらと朝靄のかかった広大な農業大国の平原を走っていました。シャブリの少し手前で立ち寄ったポンティニーの教会の上の冴えわたった空に一筋の飛行機雲がかかっていました。とりあえず写真を一枚アップします。
Bob Dylanの欧州公演が続いています。5日はドイツそれからフランスへ。2日目のストックホルムでは1993年に3回歌われて以来セットリストから姿を消していた
One More Cup Of Coffee (Valley Below)が登場しました。1978年の武道館では4回歌われています。懐かしい。今回はヴァイオリンをフィーチュアした原曲とまったく趣の違う演奏です。リードギターの音色が60年代のロックです。
駐日ケニヤ大使のアウォリさんのお別れ会で芝の「とうふ屋うかい」へ。外国人観光客に大受けしそうな映画のセットのような空間が東京タワーの足下に展開されていました。ケニヤでの再会を願った感動的な別れのあいさつの余韻の中、中庭でカメラにおさまった映像です。池、鯉、東京タワー、鳥居。どれが虚像でどれが実像か定かではありません。よその国の人にとっての「わかりやすい日本」は現実とはおよそ乖離しています。よその国の文化に触れる機会には、表層の記号に惑わされずに、少しは内側に入り込んでみたいものです。ちなみに東京タワー展望台の数年前のリニューアルには「ワークショップ」として3人でかかわりました。私の担当の展望台2階も水面で揺らいでいます。
五反田のデザインセンターでお花見。階段で垂直方向に移動しながら上から下から眺めるスタイルが新鮮です。お酒もワインがぴったりという雰囲気だったのは建物の性格もあるでしょう。建築はモノとしてのデザインと共に使われ方も大切であることがよくわかります。
私たちが31年前に西麻布に設計事務所
「ワークショップ」を開いた14ヶ月後、その昔霞町と言われていた交差点近くに「Beach House」という焼鳥屋が店を開きました。その当時の私たちは土曜も日曜もなく仕事をし、月の半分くらいは事務所に泊まり込むような暮らしでしたから、お酒を飲むような機会はめったにありませんでしたが、三人のうち誰かが外国に建築行脚に出かけるような特別の機会には「Beach House」で大酒を喰らうのが決まりになっていました。当時そのあたりはすでに「西麻布」として有名になりつつあり、流行りの洗練されたお店もまわりにはたくさんあったのですが、「Beach House」はいつまでも私たちの原点であり続けました。というわけで、それぞれが独立して事務所を持つようになってから後も「ワークショップ」創立記念日である4月1日には他ならぬ「Beach House」に集まるのが習わしになっています。流行りの店は時の流れとともにどんどん入れ替わり、街の様相はますます華やかになっていますが、なぜか「Beach House」はいなせな大将と共に30年前からずっと変わることなく、三人で建築を始めたころのスピリッツを確認するかけがえのない場であり続けてくれています。
今朝は春雨の中、勝沼へ。勝沼ぶどう郷を過ぎ、列車が塩山に到着する間際、車窓左手にまるで島のように見えるのが「塩の山」。甲府盆地もしっとりとした春景色になっていることでしょう。塩山という地名はここから来ているようです。
31年前の4月1日、現在の木下道郎ワークショップの前身
「ワークショップ」という設計事務所を北山恒さん谷内田章夫さんと始めました。