
ディランのポータルサイトで「ディランはiambic pentameterを使ったか?」という見出しを発見したが意味がまったくわからなかった。pentaが5はわかったがmeterに格調、韻律という意味があることは知らなかった。iambicなんてあてずっぽうもできない。そもそも日本語訳の弱強五歩格というのも初耳。シェクスピアはこれなんだそう。ソネットという形式もこれなんだそう。そしてディランも?英語は得意のつもりだったんだけど、こりゃあダメだ(笑)。写真は仔鴨だと思っていたキンクロハジロの成鳥。世の中、知らないことだらけだ。

「沈黙」は観たくなかった。日経文化面で若松英輔、アーロン・ジェロー、佐藤忠男の評を読んで観る勇気が涌いたような気がして覚悟を決めた。重たくても美しい外海・五島の映像に浸ればよいと考えていたが甘かった。起源が同じキリスト教、イスラム教、ユダヤ教が他の神を認めない一神教であることが世界の諸悪の根源であるというような浅く一面的な宗教感の私にとっては理解し難いことが多すぎる。だから今の私には映画全体についてコメントすることはできないがいくつかの断片的印象だけはここに記しておこう。佐藤の指摘するように農民も代官・役人も生身の人間として描いているところは新鮮だった。役人の言葉の中には野蛮で無知な日本人というよりは意外にしたたかで賢い日本人が見えてくる。布教活動と侵略は表裏一体なのだから狙われる側は手段を選ぶ立場にはない。キリスト教排除、鎖国という非常手段があったからこその国としての延命なのだろう。音楽がほとんどなく代わりに虫、波、風など自然の音が使われていて効果的だと思ったのだがサントラCDも出ているしエンドロールの膨大な文字の中には何故かRobbie Robertsonの名があった。農民役にPANTAの名もあった。沈黙の英訳がsilenceになるところが文化の違いかなとも思う。silenceは静寂や忘却という意味も含んでいる。観終わってワインを飲もうと思うまでに時間が必要だったけれども、とにもかくにも観ることができたのは良かった。写真は遠藤周作記念館からの外海。美しい景色だった。

一方、同定できない鳥もいます。新宿中央公園の枯れ木の枝先で群れを成しているスズメより心持ち小型の鳥。カワラヒワ、ジョウビタキ、ヤマガラ、どれも違うなあ。google画像検索というのをやってみると先ず「bird:鳥」と判定されて無数の画像が出てきます。大きさ抜きに見つけてきたさまざまな鳥の画像の中でこちらが似ていると思ったものにカワラヒワが含まれていましたが色や柄までは気にしていないようです。なんでもすぐにわかってしまうとつまらないですよね。
3月9日に丸田先生にアトリではないかと教えていただきました。洗足池リストにも「めぐろのいきもの」にも載っていませんがほぼ間違いないと思います。

昨日は日大生産工学部の卒業設計審査会。みなさんおつかれさま。この経験を糧にこのユリカモメのように美しくはばたいてください。最優秀賞は杉山さん。奥深い山に囲まれた小さな湖の郵便局。亡くなった人、実在しない人などへ宛てた「宛先のない手紙」のための建築。創造力あふれるストーリーは完璧なのだが必ずしも実体を持たなくても成り立つというアイロニーを抱えているため、建築にするのが容易ではないのだが、美しく力強い建築に纏め上げた。おめでとう。彼女は4月からスタジオの仲間になるので、久しぶりに手に汗の選考会になって幸せに飲み過ぎた。設定されている湖は富士八海の一つの四尾連湖。スタジオの向かいの花屋の翠さんのお気に入りの場所だという縁も私にはおもしろい。

なんでも好きになるにはまず名前を知ることから始まります。毎日2度は通る新宿中央公園の鳥はカラス、スズメ、ヒヨドリ、オナガ、ムクドリ、ハクセキレイまではわかっていましたが「めぐろのいきもの」のおかげでツグミと知り合うことになりました。もちろん優秀なコンデジが映像を記録してくれるからでもあります。このツグミは胸を張って鶫の矜持という感じですね。個体の細かい差異まではわかりませんが種ごとに挙動はかなり違います。

洗足池の現場事務所は池から西に150m。自宅から歩40分のところを少し早く出ると池を散策する時間ができる。もっと早く気づけばよかったなあ。今日の定例はほかの月例と重なってしまって行けないのが残念。ふだん私が出会う類いの動植物は目黒区が出している「めぐろのいきもの」に写真入りで載っていることに気づいて、いいままで水鳥などと呼んでいたのが、なんだ、ユリカモメであることもわかりました。3羽並んでかわいい。

球根付きのミニチューリップがかわいい。ポリクロマという品種。polychromeという英語は多色という意味だが白のほかにいろいろあるのかな。チューリップの仲間らしいがあまりそれらしくはない。昼間開いて夜になると閉じているので週末にやっとこの写真が撮れた。もう花には元気がなくなっているのだがハナミドリが10日までお休みなのでどうしよう。球根は来年までもたせられるのかなあ。花や鳥を愛でる隙間もあるこの歳もまた愉し。