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建築と犬とディランと虎と蕎麦の好きな[bigdog house]住人の写真帳です
城崎
但馬・丹後の旅。出石の「宮脇ファン」がつくってくださった旅程は気持ちがこもっていて細やかだった。1日目の夕食は宮脇さんがお気に入りだったという但馬牛焼肉屋。出石から日本海側にかなり行った豊岡駅近くのその店から城崎まで足をのばしてみた。私にとっては志賀直哉の『城の崎にて』というよりは吉永小百合の『夢千代日記』の世界だ。このドラマは亡くなった父が好きだった。ほろ酔い加減で歩いた夜の温泉街はまぼろしのようで写真もおぼつかない(笑)。
2018/07/24(Tue) 08:00:03
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中学校
但馬・丹後の旅。宮脇檀の出石町4作目は出石中学校(1999年竣工)。宮脇さんは竣工を待たずに1998年10月逝去。その名のとおりの谷山川が出石川に合流する中洲のようなところにしっくりと馴染んで土壁色の中学校がある。潤沢な予算でつくられたのびやかな空間に建築家の自己表現はない。先生に案内されて見学する私たちに生徒たちが自然に挨拶をしてくれる。重村さん(いるか設計集団)の小学校と宮脇さんの中学校で学ぶ出石町の子どもたちは幸せだ。15年もお世話になっている日大生産工学部居住空間デザインコースの宮脇さんの縁で初めて訪れた出石からたいせつなことを学んだ。
2018/07/23(Mon) 08:00:04
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重伝建
但馬・丹後の旅。出石の町は三方を山に囲まれ水量豊かな出石川が流れ自然が豊かだ。町には1901年開館の芝居小屋「出石永楽館」もあって紆余曲折を経て2008年から歌舞伎も上演できる小屋として再生されている。片岡愛之助の定期公演が毎秋続いている。20年間にほぼ6件の公共建築を建築家に発注したという実績も含めて経済的にも豊かな町なのだろう。静思堂でのレクチャーの「建築費の財政負担による指標悪化を治水事業の交付税等で乗り切った」くだりを聴いて、暮らしを楽しむ豊かさの基礎にこういった知恵があるのだろうと、ふと思った。出石町には40数軒のそば屋があって「出石そば」が名物になっているが、信州上田市との縁を元にした観光協会(1962年設立)の努力の成果だそう。協会は1998年には「出石まちづくり公社」に発展し出石町は2007年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。町民参画でかつ経営的視野を持つ運動体の成立に「静思塾」での交流が大きな役割を果たしているのだろう。
2018/07/22(Sun) 08:00:02
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町役場
但馬・丹後の旅。宮脇檀の出石町3作目は役場庁舎(1993年竣工2005年から豊岡市役所出石庁舎)。コの字に囲われた中庭沿いに2層吹き抜けの「路」が通る。竣工時は中庭は子供たちが遊べる水盤だったそう。集会室だけ平面的に角度が振れていて大きな開口部から隣に建つ町のランドマーク「辰鼓楼」を臨めるように考慮されている。ここでは城下町を活かす会元会長の「観光カリスマ」から宮脇さんと町とのつながりについてレクチャーを受けた。建築はこういう人材も育てているのだ。神戸新聞が私たち一行を取材してくれて翌朝刊に掲載。地域が宮脇さんの建築に熱い思いを持ち続けているようすがわかる。うれしいことだ。
2018/07/21(Sat) 08:00:03
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瓦屋根
但馬・丹後の旅。町家を改装した風情ある「旅籠西田屋」は定員15人。一棟貸しなので20余人ならいけそうなのに男の先生は泣く泣く別宿になった。一緒に泊まれなかったから泣いているのではない。代わりは出石町のデザインコードから逸脱してしまっている8階建大型ホテルなのだ。宮脇さんも無念だろう。そこの最上階には展望温泉があって町を一望できたからと言って許されるものではない。浴室の洗い場にはビニル畳が敷き詰められていて披露宴のための窓のない巨大空間で朝食バイキングの世界だ。せめてもの救いはこれが町はずれに山を背にして建っていることかな。ここから反対側の町はずれの弘道小学校まで歩いても20分くらい。瓦屋根と白壁・土壁の街を鳥の囀りを楽しみながら歩くのは楽しかった。土壁が印象的な出石酒造で「地酒」楽々鶴(ささづる)が造られている。近くに宮脇さんが入り浸ったという珈琲屋が今もそのままあってママが健在だ。サイホンで淹れたコーヒーを味わいながらその昔彼女が宮脇さんにデートに誘われた時の話を聴かせてもらった。この旅を細やかに世話してくださっている「松本さん」がいつのまにかカウンターに座っていて、結局私たちはお代を受け取ってもらえなかった。宮脇さん、ごちそうさま。
2018/07/20(Fri) 08:00:03
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美術館
但馬・丹後の旅。宮脇檀の出石町2作目は町立伊藤清永美術館(1989年竣工)。ここも黒い瓦屋根と土地の色の壁。風土への馴染を先に立たせてここでも建築家の個人的表現は抑えられている。ここでも私たち一行は館長とキュレーターに出迎えられ説明を聴く。企画展開催中の造形作家稲葉猛さん自らの解説で空き缶を使った平面構成を鑑賞している傍らを含め館内あちこちで青木尚哉グループによる身体表現が繰り広げられている。堅苦しさのまったくない楽しい雰囲気は町に根を張った美術館の証だろう。建築の柔らかさもあってのことに違いない。竣工の2年後1991年に居住空間デザインコースが創立されている。
2018/07/19(Thu) 08:00:03
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出石町
但馬・丹後の旅。現在は豊岡市の一部になっている出石町は豊岡盆地の片隅にあり三方を山に囲まれている。出石川沿いに水田がひろがる豊かな土地で出石城の城下町が起源になっている。標高差310mの城山から町が一望できる。建築の写真のうち上2枚の設計が宮脇さん。左が出石町庁舎、右が出石中学校。下2枚がいるか設計集団。左が文化会館ひぼこホール、右が弘道小学校。遥か彼方からの映像でも街並みへの溶け込み方の違いがわかる。弘道小学校は土曜の朝の散歩に訪ねてみた。山裾の斜面に分棟で教室群が連なる斬新な小学校。都会と違って街から仕切られていないので敷地内に入って見学させてもらった。たまたま居合わせた先生から解説していただけたのはラッキー。先生方にとっては運動量が多いなど使いにくい面もあるようで称賛は聞けなかったが、生徒には間違いなく楽しい学校空間だろう。いい建築だと思う。
2018/07/18(Wed) 08:00:17
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