勝沼へはお気に入りの「ビューやまなし」2階席に乗って行った。特に帰りは思ったより混んでいて指定席にしてよかった。勝沼は朝晩の冷え込みが厳しいせいかもうすっかり秋。駅から大善寺に向かう葡萄畑道に稲穂が積み上げられていた。冬のあいだの葡萄棚の下に敷き詰めると土が肥えるのに違いない。甘い葡萄が獲れて美味しいワインができる。農業もひとつひとつの手間の積み重ね。
grutto pass #16。山本有三記念館。かつて三鷹に30年近く住んで犬の散歩などで何千回と前を通ってはいたのだが入館したのは初めて。永い時間を経過した洋館というだけなのだが大切に使って行くのはいいことだ。建物は1926年に登記、設計者不詳だそう。建設当時の三鷹の航空写真は興味深かった。裏側にあんなに広い庭があるのは知らなかった。あっという間のgrutto passの2ヶ月もこれで終了。有料展示がなかった目黒区立美術館を含めて17施設を利用したから原価\1,670の4倍超の利用で採算は十分以上にとれたことになる。そんなことよりもpassに引かれて思わぬ出会い発見が多々あったことが大きかった。
自慢のコンデジにも荷が重いほどの距離にある樹のてっぺんあたりに留まっていた、私の肉眼では認知できなかった鳥は尾の割れ具合からなんだ鵯かと思っていたが帰ってから露出をアップしてみたらどうもカワラヒワらしい。鳥にも魚のようにいちいち漢字があるのだが魚は偏が主で、鳥は旁も多い。カワラヒワ河原鶸Fringillidae Carduelisスズメ目アトリ科ヒワ属oriental greenfinch。
もう何十回と来ている勝沼。雨の予報がいつものように覆って勝沼ぶどう郷駅から歩いた。以前よりも鳥がよく見えるようになってなお楽しい。葡萄棚が重力で垂れるのを傘状に張ったワイヤで防ぐための支柱の頂部に鳥がいた。かわいい。fbにアップしたら達人が直ぐにジョウビタキ雌と教えてくれた。ジョウビタキ尉鶲Passeriformes Turdidae Phoenicurusスズメ目ツグミ科ジョウビタキ属daurian redstart。
近所にかわいい花屋さんがあるのは楽しい。捨てられていたところを救ってくれた3人の里親の一人が私であることがわからないのか、いまだに吠えながら店の隅に姿を隠す可愛いベリーもそこにいる。白い牡丹、いや白い菊と迷って見慣れないピンクの可憐な花に目がとまった。diamond lily、南アフリカ産のヒガンバナ科で本家の毒々しさのかけらもない。こういうのに捉われるとかえってあぶない。Asparagales Amaryllidaceae Nerineキジカクシ目ヒガンバナ科ネリネ属。
8月の
house M「伝統文化対話シリーズ」の続編に参加させていただいた。草月流師範の大泉麗仁さんの「いけばなの空間とかたち」レクチュアが興味深かった。いけばなは空間とともに変化しているそうだ。余談だがこの夏にうっかり見入ってしまった「生け花ドラマ」のいけばなは草月流だそう。あれは私には手に負えないと思っていたが、身近で優しく説明を聴くと興味も涌く。中庭で菓子・茶をいただきながらの談も、1階に上がっての宴も、稔り多い時間だった。中庭での焚き木がうまく行かなかったのは残念。次回は私が火を熾すことになってしまったように記憶している。口は幸せのもと(笑)。石田敏明さん郡裕美さんとの再会もうれしい。室伏さんの縁、ありがとう。もとをたどれば居住だ。
斎藤輝彦さんのコントラバスを聴きに行った。衎芸館という50人ほどの小ホールで荻窪の駅から南東に少し歩いた住宅地のフリンジにある。ピアノはいつもの吉岡裕子さん。ボッテジーニやフォレなどのクラシック系ばかりではなく「もののけ姫メーンテーマ」やOver the Rainbowなどポップス系もある柔らかいプログラム。ちなみに後者の超有名曲の作曲はHarold Arlen。今では彼のThat Old Black Magic, Come Rain Or Come Shine, Stormy Weather をDylanがカバーしているのだから、時代は変わる、だ。ところで6日のJohnny Mercer TheatreでのライブのラストはMoon Riverだった。作詞のYip Harburgは遥か遠くで聞いた名だなと思ったら PPMのHurry Sundownだった。大昔の記憶については、我ながらすごい(笑)。豊かな音楽を楽しんだ後は演奏者、編曲者の打ち上げに混ぜていただいて西荻の風神亭へ。ピアノの吉岡さんとじっくり話ができたのもよかったのだけれど、驚いたことに宴の中にバードウォッチングの達人がいた。挨拶がてらに自慢の
カワセミや
イソヒヨドリを見てもらったがすぐに格が数段違うことを悟った。これだから縁のつながりは面白い。
下村兼史写真展で話が合って僅かながら自信回復。写真は彼との出会いに刺激されて翌日に出かけた谷津干潟のセイタカシギ。すかさずfbともだちになっていただいた達人に「いいね」をいただけたのがうれしい。余談だが、文字を書かなくなって久しい私には「挨拶」が書けない。チコちゃんに教わった覚え方を記録しておこう。「矢沢がムっとして、タモリがククク」。