ワークショップOGのjamms仲條さんのリノベ作品を見に行った。流れを汲むディテールがあちこちにある上にレバハンが私のと同じなのがかわいい。彼女はワークショップ末期に入社して3分割後は私の事務所に転籍して力をつけて巣立っているからより身近に感じるし、気になる部分を見つけるとつい私自身を絡めて詮索してしまうから面白い。クライアントとの関係を楽しんで仕事をしているのが空間に現れているところは、私とは違うから、うらやましい。ワークショップOBとも出会って一緒に記念撮影におさまったりして楽しい時間を過ごした。年月が幾層も積み重ねられたということだ。余談だがjammsの横関さんは犬的で仲條さんは猫的と断じている人がfbにいた。建築のはなしだ。ふむふむ。
古代の官職名に由来する雑色という名の駅に初めて行った。大田区の多摩川の河口に近いそのあたりは小さな町工場や木賃アパートなどが密集している庶民的な街。そんな木造密集地域の真っただ中に北山さんが設計したのが「南六郷ハウス」。8つの居住ユニットとコモンダイニングからなる建築基準法上の寄宿舎。設計は一般解としての長屋から始まってゆっくりとクライアントを説得して行ったとのこと。[コモンダイニング+2シェア]にファミリー対応などの可変性も用意されているのは説得の名残だろう。結局、街に向かってさっぱりと開いたあたらしい居住空間ができあがった。時代はもうこれを使いこなせるところまで来ているはずだ。木造2階上下の遮音性のために2階床スラブは大胆にもRCとしている。その予算負担を挽回するための極限のミニマリズムが潔い。大いに元気をもらった。
飲めなくなってしまった大酒飲みがまわりにぽつぽつ現れる歳になってきているので、休肝率を上げようと月に12日休肝を始めてもう半年が過ぎた。仕事やらなにやらでの会食もまだ少なくはないから、これを実現するために一人で飲むことを控えざるを得なくなった。当初はかなり努力していたのだが、人のからだはよくできたもので、一人でいるときにからだが酒を求めなくなってしまった(笑)。ということは家ではほとんど飲まないので、CMに釣られて大量に買ってしまった某ビールの在庫に困っている(苦笑)。楽しんでやっている限りはからだにもいいし節約にもなる、のかな。谷津干潟の黄昏時。若い人にはわからないだろうなあ。
熱心なBob Dylanファンの俗称bob catはオオヤマネコの英名だ。セットリストほぼ固定ながら僅かな変化を伴って熱く続くDylan合州国ツアー。Johnny Mercer Theatreだからムーン・リバー、ジョージア州だからJames Brownに続いてついにアンコールに登場したFreddy Kingのインスト曲は多分シカゴブルースの縁。よく曲を知ってるのは分かるけど不思議な人だなあ。この調子で行くと異変が多いと言われるニュージャージーや7夜も続くマンハッタンあるいはオペラハウス杮落しのフィラデルフィアでもなにかサプライズがあるかも。写真はまったく無関係に谷津干潟の夕暮れの印象派。
プレミアムコースだとこの樽熟成庫の中まで見学できる。樽のボルドー式彩色が止めになっているが眠っているのはほとんどが赤で一部甲州もあるそう。世界品種になった甲州に次いで赤の日本品種が育ってくれるのを期待している。甲斐ノワール、ブラッククィーンなどなど。やっぱりワインは風土がいのちだからフランスを追いかけなくていいと思う。
甲州のヌーボーもテイスティングした。今年は気温が高くまたいい時期に摘果できたので上出来だそう。ここのところの日本ワインブームの追い風もあるのか品質が年々上がってきているように思う。今年からワイナリーツアーもブラッシュアップされて醸造所の内部も見学できるコースもできた。少人数制になったので予約が取りにくいのはうれしい悲鳴。
メルシャン・ワインギャラリーも順調。葡萄もしっかり生い茂りコルテン鋼の錆もますます落ち着いてきている。お客さんで賑わうと店の方も元気が良くなるようでメニューもかなり進化してきている。計画段階ではお土産として売れるはずがないと思われていた「シャトー・メルシャン」がどんどん売れていて、店舗限定の少量生産ロットは売り切れも少なくない。こんな環境で美味しいワインを飲めるのは幸せなことだ。