遠足柴犬

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勝沼ぶらぶら8。雨の予報を覆したのがうれしかったのか、勝沼ぶどう郷駅からメルシャンを越えて勝沼醸造そしてルミエールまで遠足。途中の民家で明らかにポーズをとる甲斐犬ならぬ柴犬。車だったら見落としていただろう。

鎮守這子

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勝沼ぶらぶら7。帰りの「かいじ」は塩山にしか停まらないので塩山駅に近い甲斐ワイナリーで時間調整することにして雨の中をタクシーで向かった。途中の神社に人だかりができていて運転手さんに聞くと氏子が身につけている「人形」を奪い合う祭だとのこと。ワイナリーで一杯やったあと雨の隙間をその熊野神社まで歩いてみると祭はもう終わっていて薄暗い鎮守の杜に提灯の灯が静かに残る「祭のあと」。雨上がりの夕暮れの身の引き締まるような薄闇を味わった。鳥居の先には参道が明確な軸線を形成しているのだが、その周りは神社とは無関係にできあがってしまっていて、そこでは歴史的風景が消失しつつある。出店は参道(の名残)を斜めに横切る道路沿いに数店。杜の中で片付けの人に尋ねたら地元では「ほこしょい」と呼びならわされているとのことだったが、後で調べてみると2年毎の例大祭で「やっこらこら」「やっこらさん」の通称があるとのこと。「やっこら」と呼ばれる氏子たちが「ほうこ(這子)」を身に着けて練り歩き、それらを人々が子宝の縁起物として奪い合う「奇祭」だそう。「ほこしょい」は甲州弁で「みやまくわがた」のことだというから、独特な方言と「ほうこ」とが入り混じって「ほこしょい」が出てきたのだろう。ひとつふたつ言葉を交わしたおかげでいくつもの知らない言葉に行き当たることができた。単語はすぐに忘れてしまうのをスマホのメモ機能が補ってくれている

隼人瓜籠

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勝沼ぶらぶら6。旧い民家を改装した甲斐ワイナリーの土間空間の囲炉裏端の籠の隼人瓜が色鮮やか。お土産に一ついただいて浅漬けにし旅を思い出す小さな幸せ。

鉄道懐逝

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勝沼ぶらぶら5。帰路のかいじは超繁忙期にしか姿を見せない「グレードアップあずさ色」の189系。懐かしい。現行かいじの間の抜けたカラーリングとは違って旅気分がいっぱい。ラッキー。この手の話に唯一合いの手を入れてくれていたワークショップOBの太田憲治さんが53歳で逝去された。最近は会ってはいなかったがフェイスブックでは時々コメントを交換していた。猫、花、空、鉄道、好みは意外に共通項が多い。彼が好きだった中山美穂がある建築家の家で映画を撮影していて公開されたら大喜びだったはずなのに先に逝ってしまった。さみしい。今夜が通夜。冷たい雨になる。
 

夕闇霧塔

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勝沼ぶらぶら4。フルーツパークからは勝沼の東側の山並みが見える。うまくすればその向こうに富士山。霧煙る夕闇にホテルの塔に灯がともるとトスカーナのように見えなくもない。

鴉樹樹鴉

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勝沼ぶらぶら3。フルーツパークの銀杏の樹で距離を置いて羽根を休める鴉二羽が絵になっている。時々羽繕いをしたりしながら少なくとも10分以上気を通わせていた。番に違いない。

束杭鋼管

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勝沼ぶらぶら2。 シャトー・メルシャン[wine gallery]。束杭をデザインモチーフとした鋼管が等間隔に並ぶ。葡萄棚が繁って、居心地の良いテラス空間に育っている。

葡萄畑杭

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勝沼ぶらぶら1。1日目:曇り時々晴れ、2日目:雨。予報は雨だったから少しは晴れ男気分。収穫がほとんど終わった葡萄畑の葉はまだ赤くなる手前。棚を支える束杭の連続が印象的。

フルーツパーク

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勝沼を取り囲む山並みの西側に「フルーツパーク」という果物を主題にした公園がある。建築の設計は長谷川逸子。木下道郎ワークショップの初期のスタッフが現場担当だったという縁もある。その少し上にある日の出の1時間前から開くので有名な「ほったらかし温泉」には何度か行っているのだが公園は通り過ぎるだけだった。gallery IHAで長谷川さんとの距離が縮まったということもあって、宿を公園内の富士屋ホテルにして「フルーツパーク」を初体験。全国的に雨が続く中、半日だけだが奇跡的に雨が上がり青空まで垣間見えたのはラッキー。なだらかな緑の斜面に紅や黄が混じって秋の風景。遠くの山々の隙間には霧が群れて美しい。白い線材で構成されたガラスのドームは地形との融和を試みてはいるのだがいくらかの景観的軋轢を発生させている。ドームの一つで遊ぶ子供たちは楽しそう。実が豊富なだけに鳥もたくさんいて楽しい時間を過ごすことができた。勝沼はいいところだ。ちなみに「えきねっと」だと特急指定券+乗車券が35%OFFで購入できるので、快速ホリデービューやまなしと大差はない。ただし一番安いのは青春18きっぷ。

千夜 猫街

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銀ブラの締めは室伏さん設計の[mille nuits]のはずだったのだが閉まっていて大ぶりな野良猫だけが迎えてくれた。代わりに行ったアナログバー[nica]でかけてくれたディランのI Shall Be Releasedの音が素晴らしかった。以前のように邦楽がたくさんあるわけではないのだが、ほとんど忘れかけていたアン・サリーの新盤Bon Tempsに出会えたのは収穫。Hirth MartinezのAltogether Aloneの次が「瀬戸の花嫁」。Amazon扱いがなくてまだ届かない。

修景 相似

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1933年に建った明治屋京橋ビルが残ってよかった。同じスケールの新しいビルを隣に建てて残りの容積をガラスのタワーに押し込む戦術はいい。数十年か経って古いビルの耐用年数が尽きてまた同じスケールの箱に建て替わる。そうやってゆっくりと変わって行く街の方がいい。そのころにはもう建て替える必要が無くなっているかもしれないが。

記録 卯三

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gallery IHAでの「建築的冒険者たちの遺伝子」出版記念パーティーで元菊竹事務所の遠藤さんに薦められた西山卯三展へ。目が眩むようなディテールドローイングがあるわけではなく、怖ろしく細かいメモ、漫画、収集物などの記録群が陳列されていた。偏執狂に近い。私にもほんの少しだけれど似たような性癖がある。面白かった。

解放 街路

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東京では1970年から始まった銀座歩行者天国も50年近く経ってすっかり地に足が着いたようだ。いろいろな人々がそれぞれ思い思いに場を楽しんでいる。街路に開かれた建築空間がほとんどないのはずっと変わらないから、時間をかけて人間の方が成長したということだろうか。60年代のある瞬間に味わった街路の解放はあれから絶えて久しい。

細波 庭園

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GSIXの屋上の周りすべてにサッシが立ち上がり視線が開放されているのはいい。僅かな勾配の石の床面を音もなく流れる水の細波も好きだ。裸足の子どもたちが戯れる様が絵になっていた。植栽は残念ながらランドスケープデザインになっていない。案合図に描かれている塔屋と現実の落差はかなり大きい。「デパートの屋上」でこんなことを感じることができたのは大きな進歩だろう。

暖簾 匿名

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銀座の大型商業施設GSIXをやっと体験。谷口さんのファサードはガラス面が反射で消失して強い水平の匿名性が浮き上がる。商業施設に欠かせない個々の記号性は暖簾が担保する。理性による革新。中身がそこまでのレベルにはないのはあたりまえ、か。

Thelonious Monk

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Emmanuel Saulnier[ATM TEMPO I, II, IIIセロニアス・モンクに捧ぐ]展。モンクは好きだ。80年代に飲食店の設計もしていた頃、仙台の[mori]のために私が選んだ音楽がモンクだった。銀座歩きのついでにふらっと入ったピアノのMaision Hermesでいい時間を過ごした。作品とモンクの関連はよくわからないが確かに空間にモンクのピアノが流れていた。即興性あるいはmisteriosoといったキーワードはわかる。冬の夕暮れに近い外光で器とオブジェクトと音楽が一体となって空間が繊細な生き物のようだった。ブランドのアイコンとなることを求められた建築を設計するのは難しいことだろうと思う。銀座にも悲しいアイコンがいくつもある。Hermesとは縁はまったくないがこの建築は好きだ。

シルエット

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不愉快なエリアを抜けて行くカットハウスは麻布十番のはずれにあってもう30年も4月1日と10月初旬に通い続けている。習性だ。ここに来るとランチは十番の真ん中に在る「たき下」になる。たまたま並んでいた西洋人4人組が遠くに停まっている車のフロントガラスに反射した陽の光で壁のシルエットになった。みんな上手に箸を使って焼き魚を食べていた。食べ放題がうれしい大根おろしにかける醤油の量がどう見ても多すぎるのだけは気になった。

ティガー

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六本木ヒルズには出来るだけ近寄らないようにしているのだが年に2回だけカットハウスに通う時にはたいがいここを通る。街に積み重ねられてきた重い歴史を白紙に清算して創り出された空間は、砂漠に唐突に出現したショッピングモールのようなもので、薄っぺらで地域性は皆無だ。漂白されてしまったエリアから周りのまだなにがしかの名残のある界隈へと通り抜けたあたりで出会った男の子。子供らしい無造作はティガー(かな?)には心地いいだろう。

ウヰスキー

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六本木ヒルズ。合州国の組織設計事務所に頼んで生まれたファサードは侍の兜がモチーフだと言うから笑ってしまう。低層部には大手企業の宣伝のための空間がひしめきあっていてそこそこに賑わっているから商業的には及第点なのだろう。こんなに不愉快な処でも足が止まってしまうこともあるから街歩きは忙しい。まあなんでも繰り返し並べると目は驚くものだ。ウヰスキーはストレート、百歩譲って水割り、と思い込んでいるので、我が意を得たり。

金 宴 群

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黄金の壁に鳥が群れて幸せな宴へと誘う都会

命 群 貴

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すずめたち群れてひとつひとつのいのちの貴さ

群 芝 秋

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雨上がりの芝に餌を啄む椋鳥群れて秋の始まり

大さん橋

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横浜、大きな客船が泊まっているのに惹かれて大さん橋までふらっと歩いてみた。Diamond Princess 115kt。三菱重工長崎造船所火災に係る難産による大型船は日本の造船業の凋落を象徴している。長崎ではこれを上回る大きさの船を何度も目にしているが、間近だとさすがに大きい。1337室。海に向かってバルコニーが積層する姿は集合住宅のようで、外観は重視されていないのかデザインはお粗末だ。けれども非日常的巨大構築物と横浜の日常の風景の一部となった刺激的建築物のとりあわせは意外に面白い。大さん橋の芝生の丘のデッキにはたくさん人がいて座り込んでピクニックをしていたりベンチに並んで絵になったり思い思いに楽しそうだ。送迎デッキくらいはどこの桟橋にもあるだろうけれど、それが公園として機能しているのは見事。5時近くになるとDiamond Princessの反対側に停泊している小さなNippon Maru 22ktのデッキには乗客が集まり始めたので何事かと思っているうちに銅鑼が登場して出港の宴であることがわかった。両船とも5時出港。大きな船は音もなく離岸して行く。小さな船ではなんとテープ投げが始まった。もう何十年も前の記憶の片隅にわずかに残っている情景。ここで見るとは思いもよらなかっただけに盛り上がった。両デッキの高さが揃っているし、おそらく寂しい別れはひとつもないはずなので、典型的な別れの情景とはかなり趣の違う楽しいイベント。テープの芯のいくつかは直撃してくるのでそわそわとファインダーを覗いた。ほど近い横浜スタジアムでは戦意のない広島に横浜が勝って読売のCS不出場が確定しお祭り騒ぎ。楽しい街です。

竜胆

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「あゝ、りんだうの花が咲いてゐる。もうすっかり秋だね。」と言ったのはカムパネルラだった。映画「銀河鉄道の夜」の細野晴臣の音楽も好き。ますむらひろしによる猫仕立てもはまっていた。段ボール箱のどこかにDVDがある。季節だ。ジョバンニや鷺捕りのおじさんは元気だろうか。

白銀葦

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「パンパスグラス」という異国情緒の名も悪くないけれど「白銀葦」はより深く秋を感じさせる。早いもので変わってもう4年目になる朝の路の秋にシロガネヨシが優しい。あたりにはムクドリやオナガやヒヨドリも棲んでいる。すれ違うだけの犬たちがみんな挨拶をしてくれる。Long Ago Far Away。

柴栗

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長谷川逸子さんのgalleryIHAで開かれた「建築的冒険者の遺伝子」出版記念パーティーには89歳の槇文彦さんも出席されてスピーチ。元気をいただいた。本に再掲された氏の論考「漂うモダニズム」は読みごたえがある。長谷川さんが用意してくださったおつまみは食べるのが躊躇われるかわいさ。添えられていた秋をおみやげにさせていただきました。小さな空間に大学同期4人というのもおかし。思わぬ縁も見つかりました。稔り多い佳き夕べ。

小値賀島から

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小値賀ぶらぶら 8。ブログを読んでくれた「おぢかアイランドツーリズム」の方からいただいた丁寧なメールに追伸が添えられていた。
「小値賀島にも1つだけ教会はございます。ただ外観は普通のお家で、中に祭壇がありマリア様は野崎島の教会のものです。小値賀にもごくわずかですが信者さんがおり、日曜日にはミサが行われています。見学も可能ですので、次回は是非行かれてみてください。」
確かに教会建築はないけれど肝心なことは見誤っていたということだ。それはそれとしてこんな気持ちのこもった応答には再訪で応えるしかないな(笑)。写真は小値賀の野崎島で出会った、名も知らぬ蜘蛛蝉を糸巻きにするノ圖。

グッドデザイン賞

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神宮前の集合住宅[alley]がグッドデザイン賞を受賞しました。お世話になった方々に感謝。

檻犬

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仲條正義さんは天衣無縫自由自在だがかわいい犬はいない。

紐猫

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上野公園にはペット連れもたくさんだが紐猫は珍しい。

法隆寺宝物館

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秋分の日の上野公園は家族連れがたくさんいて思いどおりには歩けないくらい賑わっていた。怖ろしい不穏なうねりとは分かれて、小さな漣のような日々のしあわせもある、幸せな休日のみんなの都市公園。群れる人々からはほど遠い法隆寺宝物館は静かで建築は凛としていた。設計谷口吉生。この建築の成果が京都国立博物館平成知新館に結実しているのだと思う。ほの暗い展示空間が外に開かれた明るいホールと併存する建築の本質は、スケールが小さいということが幸いして、むしろ宝物館の方に強く表れているように感じた。国家の尊大さは控えめな方がいい。写真撮影可もうれしい。ダイニングテラスの固定された丸テーブルのワインも美しかった。ここは白。

オウム

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上野公園で出会ったオウム。一仕事終えて家路につく飼い主はどこか誇らしげ。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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