鎮守這子
勝沼ぶらぶら7。帰りの「かいじ」は塩山にしか停まらないので塩山駅に近い甲斐ワイナリーで時間調整することにして雨の中をタクシーで向かった。途中の神社に人だかりができていて運転手さんに聞くと氏子が身につけている「人形」を奪い合う祭だとのこと。ワイナリーで一杯やったあと雨の隙間をその熊野神社まで歩いてみると祭はもう終わっていて薄暗い鎮守の杜に提灯の灯が静かに残る「祭のあと」。雨上がりの夕暮れの身の引き締まるような薄闇を味わった。鳥居の先には参道が明確な軸線を形成しているのだが、その周りは神社とは無関係にできあがってしまっていて、そこでは歴史的風景が消失しつつある。出店は参道(の名残)を斜めに横切る道路沿いに数店。杜の中で片付けの人に尋ねたら地元では「ほこしょい」と呼びならわされているとのことだったが、後で調べてみると2年毎の例大祭で「やっこらこら」「やっこらさん」の通称があるとのこと。「やっこら」と呼ばれる氏子たちが「ほうこ(這子)」を身に着けて練り歩き、それらを人々が子宝の縁起物として奪い合う「奇祭」だそう。「ほこしょい」は甲州弁で「みやまくわがた」のことだというから、独特な方言と「ほうこ」とが入り混じって「ほこしょい」が出てきたのだろう。ひとつふたつ言葉を交わしたおかげでいくつもの知らない言葉に行き当たることができた。単語はすぐに忘れてしまうのをスマホのメモ機能が補ってくれている
2017/10/30(Mon) 09:00:03 | doglog