呑川遊歩道が東工大キャンパスを通り抜けるあたりの樹々
飛び交う鳥をコンデジで狙う長閑な時間
おそらくヒヨドリの美しい翼影
会場は東京で一番嫌いな建物の一つ六本木ヒルズの52階。ゲーリー展で少し寒くなりかけていた建築心が真っ向勝負の模型の群れで俄かに熱くなりました。大小、新旧さまざまな用途の作品をギミックなしの模型で表現してくれているのがうれしい。ロンドンで体験して感激したRoyal Academy of ArtsのあるBurlington Houseとその裏にある別の建物との間の隙間をギャラリーにした
サックラー・ギャラリーの模型はなかったかな。地下鉄、交通システム、火星の住居、家具、ブロンプトンなど仕事は多岐に渡っています。形に拘らずにひとつひとつ最適解を常識の枠を超えて求めて行く姿勢がいいと思いました。模型群にしても形態上の統一感は希薄でまとまりはありませんが、建築が置かれているコンテクストが多種多様に異なっているのだから当然のことです。会場は展望台と一体になった不思議な構成で、展示する側にとっては迷惑な環境かもしれませんが、禍転じて福となす、フォスターの家具が点在するバーTokyo City Viewはすっかりフォスター空間に溶け込んでいました。そういう柔らかさもいいなあ。澄み切った冬の夕景が闇に溶け込んでいく時の流れを思わず楽しんでしまいました。帰途の頭は展覧会の模型で埋め尽くされ、手は模型手伝い探しのLINEを迷わず発信していました。大いなる刺激をありがとう。
立体アートを巨大化したものが建築だと考えている建築家は私は嫌い。アートの内部空間を体験できるのは刺激的かもしれないけれど、その建築を取り巻く都市や自然や文化とのあいだに生ずる不快な軋轢を考えると、建築としては評価できない。床の間に飾れるくらいの大きさの模型にして好事家の資産の一部になるのなら誰にも迷惑がかからないが、経済原則最優先の資本家たちにアイコンとして巧みに利用されて実物大が現実の街に出現するのだから始末に悪い。奇態な外皮の内部が仮に見事に設計された空間であるとしても私は許容できない。そんなに嫌いなゲーリー展に足を運ぶ気になったのは、過日のザハ展で受けた心地よい衝撃のせいかもしれない。成果よりも過程に焦点を置いた展示の内容は見事。展示会の目的は営業と割り切る潔さも見事。模型以外にもさまざまな小技を使い、「ベルニーニとミケランジェロのfoldsの違い」でかっこつけてみたり(ただし、ベルニーニを持ち出すのは昔から猫だましの常套手段)、千両役者ではあります。コンピューターを駆使した設計手法の優位性を高らかに謳い上げるプロモーション・ビデオは圧巻。これが一番の成果でした。あの物理的に不合理な形態に予算的な無駄がないと言い切る勢いはすごい。結局は建築はこういう方向に流れて行くのでしょうか。熱くなりかけていた胸を冷たい風が吹き抜けて行きました。たいへん勉強になったし、行ってよかった。が、ゲーリー作品の評価は微塵も上がりません。写真はalessi社のケトル\74,520。これなら許せる(笑)。
ふと見たテレビにある女性アイドルのデビュー前のオーディションの映像が写っていて、歌っているのがなんと南沙織の隠れた名曲「ふるさとの雨」なのでした。ある種の感動。南沙織の1971年のデビューアルバムに収められた1曲。作曲はもちろん筒美京平。写真は日曜日に行ったフォスター展の会場から望遠で捉えた富士山。心優しく懐かしい気持ちが同じ、かな。
photo by T.Y.
東京の降雪予報は大外れで助かりましたが、沖縄にまで雪。[長崎のヴィッラ]にも雪が積もって真っ白。雪の舞う中をイルミネーションを輝かせてゆっくりと出航する客船“コスタ・セレーナ号”(11万4千トン)の幻想的な姿を眺めながら雪見酒を楽しむことができたそうです。いいなあ。
富士吉田の雪はそこそこに深くてこうして埋もれている自転車も。
スマホではなくカメラを手にしていると鳥が面白い。屋根から首を伸ばしたこのコは富士吉田のうどんの後の一瞬の出会い。
原鉄道模型博物館のジオラマの写真。鉄道そのものも素晴らしいけれどジオラマもたいへんよくできています。これは小さい方の横浜の今昔ジオラマの夜。
久しぶりに雪。長野地方には「上雪」「下雪」という呼び名があるそう。「上雪」かみゆきは雪の少ないエリアに春先に降る湿った雪だそう。東京ではこんなちょっとの雪で鉄道大乱れ。東横線は都立大学駅改札待ち1時間、ホーム+電車1時間という感じで、今しがた事務所到着。改札口周辺の人の群れが微塵の騒ぎ・諍いもなく静かに牛よりもゆっくりとホームに流れて行く様はある意味感動的。この国民性をいい方向に活かせないかなあ。写真は都立大学のjammin’にベースの若林美佐を聴きに行った時の飛び入りの直居孝雄。素晴らしいギターでした。有名なスタジオミュージシャンだそうです。南沙織の録音にも参加されていたとか。ラッキーでした。
バスの運転席上部のサンバイザー越しの富士。冬は空が澄んで富士はよく見えるのですが、撮れるかどうかは席次第。
日大生産工学部正門の栴檀の実に集まる鳥の姿の一部がカメラにおさまりました。この実はおいしいみたいですよ。
[lunette]で年末にお土産にいただいたかわいい実というか種かな。椿だそうです。
丸い小さな毛玉が心持ち細長く伸びると間もなくぽろり。落ちた後もこうして集めるとかわいい。
冬の夜に春の予感。面白い名前だなあキンギョソウAntirrhinum majusオオバコ科キンギョソウ属。英語ではsnapdragon。
高円寺の家[enne]を半年点検で再訪。良く澄んだ冬空の下、凛とした佇まいに大きな変化なく、静謐。帰りにはスタッフと
「天すけ」。「休日昼下がりに玉子ランチを選んで、天ぷらで一杯やって、玉子天ぷらの乗ったご飯でしめ」ました。過日の読みどおり圧倒的正解。おろしの入った天つゆをくぐったネタは常温の酒に最高でした。玉子天ぷらごはんを天つゆではなく醤油にすれば完璧だったと、「次」が残りました。コスパ的には右に出る天ぷら屋を知りません。
福袋の類は絶対に手を出さないようにしているのですが、一過性のものならいいかもと思ったのか酔った勢いか、ENOTECAの福箱ワイン6本に手を出してしまいました。箱の中の1本はなんとClos de Vougeot Grand Cru 2011。確率3/30の特賞箱だそう。こいつぁ春から縁起がいいや。どうやって飲もうかなあ。写真は2009年春に
ワイナリー見学で訪れた時のClos de Vougeotです。
居住空間デザインコースの年間優秀作品選考会。全学年から選考するところがユニーク。今年のゲストは松永安光さん。「宮脇賞」は澁谷夏海さんの集合住宅。「木下道郎賞」は浅岡咲稀さんの「古民家改修」。みんながんばりました。授賞パーティも楽しかった。写真は我が家の和蘭。
「栗林公園」の園内にある掬月亭が
窓研究所サイトで特集されています。雨戸の開け閉てを含めた一日の時のながれを16分の映像にまとめたTransition of Kikugetsuteiは見応えがあります。中谷礼仁監修。サイトには雨戸が角を曲がるしかけも図示されています。写真は2011年夏の
掬月亭雨戸が開く前の朝。
横浜。象の鼻に面した山下埠頭線のガードの灯りもきれい。孤独に走る姿に1977年のジャクソン・ブラウン作品を思い出しました。
3日は恒例の横浜中華街新年会。ちょっと時間があったので横浜駅から鉄道模型博物館経由でぶらぶら。夕闇迫る頃の「クイーンの塔」こと税関ライトアップが美しい。
光が丘の最小限集合住宅
[orange house]に空きができました。前居住者が「こんなに住みごごちの良い部屋はない」という言葉を残してくれたのがうれしい。新しい方を募集しているそうですので、気軽にws@workshop-kino.comにメールしてください。
[chicken house]で出会った使い捨てリサイクル取り皿。粋ですねえ。wasaraというブランドで商品化されています。
吉田研介さんのご自宅で[chicken house]40周年のお祝いを兼ねた新年会。懐かしい楽しい会になりました。ボリビアからの友ありまたロンドンからの友もあり。
食用の秋田産の芹。花瓶ですくすく育つので正月の野菜不足を補ってくれています。
年越しはエゾノキヌヤナギと和蘭を愉しみました。どちらもハナミドリ調達。動物の毛のような小さなかたまりがかわいい。
新年。世の中が、世界が、少しでもよくなりますように。去年後半に突然手にすることになったスマホが急速に生活に馴染んできています。カメラとしてもあまりにも良くできているので、コンデジ使用頻度は極端に下がりました。スマホから[doglog]に写真をアップする技は未だに習得できていないために、日常の出来事を素早くアップするのはfacebook、納得のいく写真をアップするのは[doglog]という役割分担が定着しつつあります。写真アップが遅れることもあるかとは思いますが、[doglog]の写真をしっかりと撮っていきたいと思っています。今年もよろしく。