
長谷寺、
室生寺、
Murou Art Park。奈良から京都に移動する行程は3年前と同じ。今回の写真は変化球ですので昔のブログも参照してください。暑かったのはつらかったけれど天気が良くて美しい緑が撮れたのは長谷寺。麓の池の不思議な写り込みは室生寺。どちらも静かなところで30人を超す団体にはふさわしくない。前回は写真のためにまっしぐらに登り切りました。室生寺700段はいい運動になります。どちらもよくできた構成になっていて、非日常的階段の全貌を明らかにせずに徐々に先の目標が姿を現し続けているうちに、後戻りを考える機会なきまま終点に導かれます。学生たちの驚嘆の叫びで暫し深山が賑わいました。思い起こせば約40年前東工大に教えに来ていたフィリップ・シールに率いられて長谷寺の学術調査に来ました。この「シークェンスの感動」を定量化できないかという試みで、視界が変化する地点を中心に変化の量を記号化するお手伝いをしました。無理だろうなと感じながらも当時の私には刺激的な体験でした。西洋文明の特色がよく表れた研究ですね。


奈良・京都の旅から東大寺。もう見飽きたつもりのところにもまた発見あり。写真の好きな学生が一心にカメラを構えている姿に惹かれて見つけた出口脇の振り返りアングル。門前の鏡池には不思議な舟。fbへの知り合いのコメントで蔡國強さんの
「”船をつくる”プロジェクト」であることがわかりました。古代の中国式の舟だそうです。奈良といえば横国院生だった約40年前に藝大の「古美研」に何日か紛れ込ませてもらったことを思い出します。北山さんと一緒だったかな。「ワークショップ」のどこにでも首をつっこむ精神はこのころにすでに培われていたのですね。激しく飲んだことと、藝大生が当然のように繰り込んだストリップに参加できず複雑な敗北感を微かに味わったことを鮮やかに覚えています。刺激的な体験でした。


奈良の三条通りに8月5日にオープンする直前のローソン。町家を改装してファサードはほぼそのまま残しサインも色を抑えているのがかえって目新しく十分な情報発信源となっているようだ。旧い街はただモノとして保存するよりも、今の暮らしの中で活かしていくのが正解だと思う。学生が28人もぞろぞろ歩くとこちらはシェパードになった気分なのだが、こういうところを見せるのがほんとうの犬の役割。


日大生産工学部デザインコースの前期最優秀作品選考会で出会った「若林奮 犬になった彫刻家」(酒井忠康著)がamazonに1冊残っていたので発注。翌日に届きました。本屋に探しに行く手間を考えると便利になったものですが、本屋が遠くなってしまいがちなのは要注意かな。在庫さえあればデリバリーは24時間を切っていますね、かなり進化しています。休み前と猛暑で息が切れているので中身は暫しお預け。楽しみだなあ。