
常夏の竹富島から初冬の大都会へ。ANAの787機体問題が原因と思われる欠航の影響で深夜に帰宅。羽田から遠い津田沼近辺在住が多い学生たちは無事辿りついたのだろうか。それはそれとして10℃以上の気温差移動は面白い。とりあえず昨日の竹富島。海や浜はもともとはこんなに美しかったのだ。

[猫犬]土方久功@国立近代美術館
国立近代美術館「近代風景」展は奈良美智による所蔵作品選集。このひとも犬が好きなんだろうなあ。なかでも土方久功の[猫犬]が最高。こういう時間の過ごし方も悪くないなあ。ミュージアムショップで教え子がバイトしていたのが妙にうれしかった。

[l.m.v.d.r.]Thomas Ruff@国立近代美術館
郡裕美さんの「建築と記憶」展でイタリア文化会館に行くついでに近くの国立近代美術館Thomas Ruff展へ。写真のメディアとしての可能性への挑戦が刺激的でした。構図とか光とかにせいいっぱい拘っている私の写真は小さい(笑)。ミースのバルセロナ・パヴィリオンの「流し撮り」が見事に建築の本質を捉えているのには驚いた。デジタルになってからの作品はほとんどがサンプリング?でもう「写真」の枠を超えてしまっている。報道写真をその指示稿とをコラージュしたpress++シリーズが最新作。

トルコ、イラン、ジョージア、アゼルバイジャンに囲まれたコーカサス山脈とアララト山のあいだにあるアルメニアという国についてあまり多くは知らない。今年の9月に出会ったHamasyanのECM録音でアルメニアの音楽の一端に触れた矢先に吉岡裕子さんのピアノでアルメニア音楽に浸る機会を得た。「剣の舞」で有名なKhachaturyanの国であることを演目ノートで知る。西洋音楽の形式のなかに微かにアラベスクの香りが漂う。楽曲の良さもさることながら吉岡さんの演奏が情熱的で素晴らしかった。Soghomonyanの「やまうずら」Amiryanの「夜明けを待ち望みながら」Babajanyanの「エレジー」Barkhudaryanの「優雅な踊り」の抒情が特にお気に入り。文脈が明らかに異なる表参道の欅のイルミネーションが不思議にぴったりの気分。ファミリーネームの末尾がことごとくyanなのもおもしろい。

モンタルチーノの葡萄酒色の衣に温かくなる秋の空の下の犬には

秋の夕陽に輝く鉄路に惹かれて端まで歩を進めた月台で捉えた静かに近づく美しきかたち

唐花の効いた麦酒を飲み分けて感じる遥か西の異国の香りよりも秋の気配の細やかな襞