水族館で一番愛嬌があるのはペンギンだろう。人鳥という和名はさすがだ。ペンギンと言えば高橋留美子「Pの悲劇」。あんな風に一緒に暮らせると楽しいだろうなあ。「管理人さん」もそうだが彼女の描く女性の容姿は好きだが性格は厄介だ。ペンギンSphenisciformes spheniscidaeペンギン目ペンギン科。penguin。
自然界に常識はない。泳ぐというよりは漂っているヘコアユは絵になってはいるが魚という感じはしない。下の方が頭だそうだ。ヘコアユAeoliscus strigatusトゲウオ目ヨウジウオ亜目ヘコアユ科。Razorfish。
ホウボウが旨い魚なのはわかっていたが鰭がこんなに鮮やかな青だとは知らなかった。わかりやすい英名が付いている。表面が固いから隣にいる魚のような保護色である必要がないのだろう。海底に這いつくばっているので海に沈殿する有害物質をより多く蓄積しているはずだから産地には要注意。ホウボウChelidonichthys spinosusカサゴ目ホウボウ科。sea robin。
ネコが出た勢いで葛西水族館へ。今年の日大生産工学部卒制の2等は「人生をリセットする探索と思考の」水族館だった。指導担当でもない非常勤の私にエスキスを仰ぐ熱心な学生にこちらも本気で意見を言ったのだが、深い確信を持っているのでほとんど言うことは聞かない(笑)。TEMILという広告代理店が考えそうな館名も変わらなかった。私は全力を挙げて推したけれど砂漠にコンテクストを断ち切って計画された「かたち」に負けた。その水族館にも無数のクラゲが漂っていた。クラゲが造り出す映像は神秘的で美しい。クラゲCnidaria刺胞動物門。jellyfish。
臨海公園にはネコもいた。森には棲まないだろうから屋台が出ていたせいなのかもしれない。この勝手気ままな敏捷な哺乳類が森に棲息していたらと想像すると楽しい。ツグミが樹の下をちょこちょこ歩いたりはしなくなるだろう。ネコはともかくキツネやタヌキの類はここの森にいるのだろうか。イエネコFelis silvestris catus食肉目ネコ科ネコ属。cat。
鳥類園を取り巻く森の中で花木が多いところには鳥の種類が多いようで「鳥おじさん」がたくさんいた。
源兵衛川でいろいろ教えてもらったことが頭をかすめて「何がいるんですか?」とおそるおそる聞いてみたら「鳥だよ」と返されてしまった。彼らは見向きしないツグミが歩いている姿も私たちには楽しい。胸を反らし気味にする姿にはツグミの矜持を感じる。ハト、スズメ、カラスについ「なんだ〇〇〇か」は止めよう、と思う。ツグミTurdus eunomusスズメ目ツグミ科ツグミ属。dusky thrush。
青みがかった灰色は鳥の名では「アオ」になる。アオアシシギもこのアオサギも名前ほどに青くはない。11日の水族館ドームの遠景写真の右手前の青い叢に写っているアオサギはほとんどシラサギのように見える。植物の「アオ」は緑だから日本語は不思議だ。ちなみに現代の中国語では、「青」という字は「緑」と同義語になることが多いそうだ。アオアシシギにバッテリーを消費仕切ってスペアに変えたらなんと未充電だった。連れがコンデジのバッテリーを融通してくれて犬智慧にならずに済んだ。ありがとう。アオサギArdea cinereaペリカン目サギ科アオサギ属。grey heron。