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ボブディランさんが困ったものを売り出してしまった。なんとアメリカンウィスキー3種。Tennessee Straight Bourbon Whiskey、Double Barrel Whiskey、Straight Rye Whiskey(whiskeyと綴る)。壜に彼自身のアイアンワークパターンがくっついている。写真の壜の背景に見えるのは火花だ。スコッチから進化したアメリカ文化の結晶で意外に美味しいのかもしれない(笑)。本業の音楽活動の方は欧州公演最終日4月27日のヴェローナ野外歌劇場の録音を聴くと曲目は大差ないのにアレンジは進化している。50年代のカバー3曲が原曲から少し離れて自由自在に換骨奪胎された自作曲群と同じトーンになってきている。シナトラごっこは終わりだ。それにしてもTangled Up In Blueの変貌ぶりは激しい。もうすぐ77歳だというのに向上心を失わないところがいい。古代ローマ劇場の次の会場が7月末の苗場のロックフェスになるのだが、この調子でするりと演るんだろうな。ある筋の情報によれば他の公演はないらしい。
日光逍遥10。アカヤシオで打ち止めにする予定だったのだけれどコブシの写真を見ていたらどうしてもアップしたくなった。というわけで想定外の魅力を満喫した日光はこれにて閉幕。艶めかしいというわけではない清廉な色気が好き。スリランカのプルメリアも同じようにお気に入りだが、趣きは違っていてそれぞれに地域性が良く出ていると思う。
日光逍遥9。植物園ばかりではなく日光全域で目を引いたのが柔らかいピンクのアカヤシオ(ヤシオツツジの一種)。栃木県の花でもありニッコウキスゲと共に日光市の花にもなっている。東京近辺では目にしたことがないせいかこの優しい淡い紅に土地らしさを強く感じた。栃木県水産試験所で開発されたヤシオマスはこの花に因んでの命名だそう。
日光逍遥8。この透き通った花の名はヒカゲツツジ。植物園で出会った時に
The Dangling ConversationというPaul Simonの書いた詞が舞い降りて来た。「レースのカーテン超しの遅い午後の陽の中の水彩の静物画」で始まるこの繊細な佳曲には「夢の中の世界」という見事な日本題が付けられているからうっとり聞いてしまうのだが実は詞はかなり感傷的で先が見えなくなってきている二人が描かれていて胸が痛くなる。原題に近くなるように邦題をつけると「彷徨う言葉たち」かなあ。さみしい。
日光逍遥7。東武バス二日券を有効に使って植物園に出かけた。正式名称は東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園。つまり3月に初めて訪れた小石川植物園の分園ということだ。標高640mだけにまだ春がこれからで枯山に花の風情がよかった。訪れた4月15日が今年の開園日だから園としては目覚めたばかり。なだらかな傾斜地に雪のように見える白いヒナソウ(別名トキワナズナ)が可憐。
中禅寺湖畔にある旧イタリア大使館別荘(レーモンド1928)には行ってみたいと思っていた。天気が崩れ始めて霧に煙る湖畔は標高1270mの寒さだった。水に腰まで浸かって魚を釣る人たちに寂寥感が漂っていた。ヒメマス、ニジマス、ヤシオマス、名物としてレストランでも供されているが2012年以降ワカサギ以外の魚の持ち帰りは禁止されているそうだ(wikipediaによる)。原因が悲しい。写真は別荘へヨットでアクセスするための桟橋から。ランドスケープにしっくりと溶け込んでいる。
東照宮。色鮮やかで細やかな彫り物には鳥もたくさん描かれていた。杜に連なる甍の波に幾分青味がかった金色がよく似合っている。境内に飲料の自動販売機が置かれてしまうところがさすがの観光貧国だ。露出されている商品がすべて同一の茶飲料になっているからいいというものではない。とは言え階段に疲れた観光客には歓迎されていた。