手のひら返し

天声人語子によれば、日曜未明の「爆弾低気圧」による春先の嵐を対馬あたりでは「手のひら返し」と呼ぶのだそうです。対馬、行ってみたいな。昨日はすっきり晴れて気持ちよくひんやりとした春の一日。旅先にはそれなりの楽しみがありますが、落ち着きは我が家が一番。久しぶりに本格的な散歩も楽しみました。午後は八雲の[big dog house]で母の週遅れの誕生日を祝って乾杯。夕方には家に戻って、ポモドーロ・フェデリーニ、ステーキ、ベークド・ポテト、サラダ。直球勝負でした。みんなそろった食事はいいな。
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Mr. Tambourine Man



いよいよボブは東京。やはりzepp。激しい風が吹き荒れて鉄道にも影響が出ているようなので早めに出かけ、新宿で乗り換えたりんかい線の一つ空いていた席に座ったら隣りが「東京ボブ」さんでした。奇遇。大阪、名古屋での7日間を語り合いながら東京テレポートへ。やはり近いとは言えないけれども、大阪zeppに比べればまわりはかなりにぎやか。さすが大都会です。会場の人口密度は大阪と名古屋の中間。整理番号が600番台なので今までで一番ステージから遠いバーを背にする位置を選びました。抑えぎみの選曲で休みと移動を挟んだせいか前半のノリはいま一でしたが、10曲目の初登場曲 Mr. Tambourine Manから目覚め始め、去年10月からずっと変わらない終盤のHighway 61 Revisited、Ballad Of A Thin Man、Like A Rolling Stone、All Along The Watchtowerできっちりライブが締まりました。最近生み出された妙にノリのいい「クリシェ」より40年以上前の強烈なオリジナリティが好きです。写真は名古屋駅前の高層ビルの裏側に用意された立体駐輪場のサイン。この建物ではこれが一番だな。
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春分 眠たいなあ

久しぶりにゆっくり[doghouse]。犬たちを連れて散歩に出ると、こちらのからだもしゃきっとしてきました。犬も猫もまるくなって眠るのがすきです。よくわかります。
妙に暖かい一日の最後はお隣で斎藤式炭火焼きでストレートに牛を味わいました。トスカーナのCa`Marcanda Magariがぴったりはまったせいか、思わぬ量を平らげてしまいました。magariは「〜だったら良いのにな」というイタリア語だそう。言葉としての成り立ちはよくわかりませんが、かっこいいなぁ、こういうネーミング。2009年の東京デザインセンター「建築とワイン-両者の融合」展で出会って気になっていたのですが、お隣の斎藤さんのお気に入りだったとは。
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Dylanの日本公演の6日目までの待ち時間に流れていて耳から離れなくなっていた音楽がArthur Alexanderであることをつきとめました。Beatlesのカバーで有名なAnnaの作曲者です。どうして7日目に趣向を変えたのでしょう。どうでもいいことですが、ボブは私たちのひとつ前ののぞみに乗っていたこともわかりました。まっすぐ帰るべきだったなあ。

Every Grain Of Sand


(これは去年のChicago。この出来は今年はまだ超えていません。)

32年ぶりに猫おじさんとDylanを聴きました。整理番号が500番台だったのとつれあいが年寄りだったのとで、今夜は無理をせず二枡目のバーを背にした場所を選びました。大阪よりは密度が低いということもあって、しっかりと体を動かせる環境でディランを堪能しました。からだが燃えました。ツアー初登場は2曲ですが。名古屋2日で27曲、前日と同じ曲は固定の6曲以外には1曲しかありませんでした。ぐいぐい押しきった感じの前日と違って、柔らかい曲を随所に挟んだ分、ハードな方に熱がこもりThunder On The Mountainはテンポも上がりました。Desolation Rowはバンドが気持ちよくのれたらしく、もともと長尺の曲が、何度も挟まるハープ・ソロやバトルでどんどん長くなり、最高のできになりました。でも、私の一番の感動はEvery Grain Of Sand。満足です。新幹線終電のホームで立見さん一行に再会。私たちの列車の一つ前で帰ったディラン・バンド・スタッフを見送りに来られたのだそうです。終電待ちの20数分間にコーチンを肴に生ビールを2杯強飲んでいたような私とは違った筋金入りです。えらい。ボブの動向はその時点では不明とのことでした。私の乗ったのぞみ最終、グリーン車にはボブは乗っていませんでした。
昼間は久しぶりの名古屋での時間を活かして建築探訪にでかけました。ガイドになる資料に載っている対象を完全制覇することについこだわってしまう性格なので忙しい一日になりましたが、収穫は大です。写真は大学の先輩でもある飯田善彦さん設計の名古屋大学野依記念物質科学研究館。見応えありでした。
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Dylanの音楽以外のモノを収集し始めると、収拾がつかなくなるので、グッズ類には近づかないようにしているのですが、今回はディランのLPジャケットを包み紙にしたディラン・チョコが登場。思わず行列に並んで手に入れてしまいました。かわいい。DECOチョコという商品群の存在自体を知りませんでしたが、一部世界にはかなり浸透しているもののようで、DECOチョコグッズと称する派生消費群がしっかり形成されていて、包み紙をマグネットやストラップに改造?することもできるようです。レコード会社とタイアップの正規商品で、収録曲の歌詞の一部を側面に印字する細かいつくりになっています。しかし50個もマグネットを作って、どうするのでしょう?。資源の浪費になってしまわないように、冷静に考えます。
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Rainy Day Women #12 & 35

今日からディランは名古屋。セットリストがリセットされました。ツアー初登場は1曲目のRainy Day Womenのみ。大阪の5回で手応えを感じた曲が並んだ質の高い選曲になりました。これまでで一番タイトな演奏。ノリました。Can’t Wait、Love Sick、Shelter From The Stormに共通する地を踏み固めるかのような重いリズムが決まっていました。大阪5日目に続いてボブのギター演奏なし。ステージ・トーンが少しシフトしています。面白いです。同じzeppですが大阪と違って、名古屋駅歩10分の好立地。ハコは少し小さめですが定員の設定が適切なせいか、満員電車まではいかない、軽くからだを動かせる程度の密度です。空間のつくりは、特に内部は、そっくりなのですが、かなり雰囲気が違いました。ホテルへの帰り路に「山ちゃん」に寄ってトライした名古屋の味は、ビール以外はあいそうもないので、珍しくたくさんビールだけを飲みました。手羽先、エビふりゃー、ハムカツ、えびせん。いけましたよ。
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コントラバスの夜

一転、三鷹。三鷹芸術文化センターで斎藤輝彦さんのコントラバスリサイタル。ピアノだけをバックに弦の調べを楽しみました。演目はタイスの瞑想曲(Massenet)、レントより遅く(Debussy)、無伴奏コントラバス組曲(Fryba)、ラ・カンパネッラ(Mortani)、「魔笛」の主題と7つの変奏(Beethoven)と続き、トリに私のお気に入りのBottesiniが3曲。コントラバスの持ち味がしっかり活かされているところがBottesiniの魅力なのでしょう。ピアノの吉岡裕子さんとの息もぴったり。弦の世界に暫し引き込まれました。2回目のアンコールのLondonderry Airには涙ぐむ女性もいました。お二人の熱演をシャンパーニュで称えて、楽しい時を過ごし、最後は斎藤さんと二人、calvetでカベルネのグラスで締めました。
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Forgetful Heart



大阪の熱いオーディエンスへの返礼が大阪最後のライブで曲目にあらわれました。なんと8曲が初登場。これで5日通った人は通算48曲を聴くことができたわけです。私は今日も最前列。待っていたForgetful Heartがついに登場。コントラバスとヴァイオリンの弦の響きをバックに感傷的な詩がグリズリーの唸りのような声で綴られます。間奏のハープがまた素晴らしい。感動でした。Masters of WarもJohn Brownも言葉の意味を一つ一つ噛みしめるように伝える唄が、力強いリズムにはきちっとのっていました。どんなに盛り上がってもライブの最後はステージに6人がただ並ぶだけ。ディランが踵を返すのを合図に風のようにステージから消えて行くのですが、今夜のディランはからだをかがめ、踵を返すのに一瞬の間を残して、去って行きました。手応えを感じたのでしょう。よかった。
コンサートでの楽しみの一つは人との出会い。私にとってこれだけ趣味性の強いディランの場合は本来は「独り」なのですが大阪での一日は中村好文さんとご一緒しました。跳ねた後はまたまた「森清」そしてホテルのバーと続きひときわ味わい深い夜になりました。開場前には立見伸一郎さんとも再会。メールだけの仲だった「東京ボブ」を紹介していただきました。そう言えば32年前の初来日もちょうど今頃で、銀座のヤマハに徹夜で並んでチケットを求め、8回の武道館公演に日替わり仲間と通ったことを思い出します。ディランという細く強い糸で辛うじてよりを戻しかけようとしていた彼女と一緒に行くはずの一夜に、あろうことか振られてしまうという、苦い出来事も一緒に思い出してしまいました。それで10kgも痩せてしまうくらいナイーブだったということです。写真は中村さんのパリ蚤の市からのお土産。「ドッグ ハウス」。うれしい。
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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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