印刷博物館

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grutto pass #13。神楽坂に来たついでにトッパン本社に付属する印刷博物館。上のホールは瀬川裕美子さんのリサイタルで何度か来ている。オーデュポンの「アメリカ鳥類図譜」の梟がみごとだった。これでスタンプラリー7エリアの5を達成。いけるかもしれない。写真は秋の新宿御苑。

RIP. Charles Aznavour

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Charles Aznavourが10月1日に94歳で亡くなった。Bob Dylanはアズナブールを“one of the greatest live performers”と評価していて、彼が作曲したThe Times We’ ve Known (原題Les Bons Moments)を2度歌っている。私は2度目の2009年4月8日パリ公演をその場で聴いている。美しい歌だった。客席には彼もいたそうだ。私の51回になるディラン体験のなかで海外はこれ一度きり。ラッキーだったと思う。写真はデスクの上のbluestar、園芸の世界では丁字草と呼ばれている。すっかり秋だ。Dylanの合州国ツアーがフェニックスから始まった。夏のツアーの最終日に登場した2曲が残りさらに2曲が新登場しているがシナトラナンバーはなく基本構成は踏襲されているようだが意外に大きな変化は2004年以来1213回もバックを務めてきたサイドギターのStu Kimballがいないことだ。プロの世界で個人的事情による編成変更は考えにくいから、ボブによる計画的変更かもしれない。いずれにせよ早く音が聞きたい。ツアー2日目もまったく同じ選曲だったが、初めの2,3日は少しずつだが曲を入れ替えるのが常なので、これは稀有なことだ。

鴨鴨鴨鴨鴨

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鳥の群れはおもしろい。親子というわけでもなさそうだが仲がいい。鳥の一日は日暮れで終わるから傾いてきた陽を受けながら寝床を思案し始めているのかも。

二軒家penthouse

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設計した[二軒家アパートメンツ]に事務所を移してもう15年が過ぎた。日影規制の隙間をぬって屋上の芝生を歩いてアクセスする不思議なペントハウスを作ってオーナーの趣味の空間としたのが効いている。日常生活と切り離された空間なので人が集まる格好の場となっていて、そこを舞台にさまざまの縁が生まれた。そんな縁の仲間が集まってフィレンツェ仕込みの肉焼きの達人が仕切ってほぼTボーンだけでトスカーナを飲んだ。炭火だから厚さ5pがかりかりのレアで焼ける。一人500gがぺろっとなくなり追加のワインも何本も空けて楽しい時間を過ごした。おいしいものも酒もたいせつだが結局は人。幸せな夜だった。写真はオーナーの息子さんのかつての宝物のシルエット。部屋には私と音楽の趣味の重なり合いが深いオーナーのLPが並んでいて、エンドレスで流れている音楽にアーサー・アレクサンダーが混ざっていたりするのも居心地の良さの理由かも。

雪客

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神田川には真っ白な鷺もいた。チュウサギかな。鷺はセッカク(雪客)という味わい深い名もあるそう。北宋の文献に由来するそうだが、なんかわかるな。ちなみに鶴を仙客、白鷴(雉の一種)を閑客、孔雀を南客、鸚鵡を西客として合わせて五客だそう。鷺と言えばアニメの「銀河鉄道の夜」の暗闇に捕らえられる鷺の白さは印象的だった。猫が鷺を無数に捕まえて袋にしまっているのだから面白い。段ボール箱のどこかにこのDVDがあるのだが。

マナバシラ

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池澤夏樹「ワカタケル」では初見の日本語との出会いを楽しませてもらっているが、昨日はついに鳥が登場した。マナバシラ。ググったらすぐに鶺鴒の古名であることがわかった。ツツ、ニワクナブリという古名もあるそうだ、日本語も奥が深い。キギスも出てきたがこれは雉。スは鳥だそうでだからキギス、カラス、カケス、ウグイス。メは「群れ」でスズメ、カモメ、ツバメ、シメ。おもしろい。小説の中身は「愉楽にて」の時に味わったような後ろめたさはないが、今のところ鴻池朋子の挿絵がいい。鶺鴒ならと中野坂上で降りて神田川を渡るところで思ったとおり出会えた。小さな歓び。鶺鴒は大昔から身近にいた鳥のようでwikiにはたくさんの異名が載っている。イシクナギ、イモセドリ、ニワクナギ、イシタタキ、ニワタタキ、イワタタキ、イシクナギ、カワラスズメ、オシエドリ、コイオシエドリ、トツギオシエドリ、ツツナワセドリ。トツギオシエドリも池澤の創作ではなかった。

郷さくら美術館

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grutto pass #12。中目黒の現場のすぐそばにある現代日本画の美術館。「ごう」ではなく「さと」と読む。桜の目黒川近くなので桜もテーマにしている。ついでにちょっと寄ってみたら眼福になった。圧倒的だったのは加山又造の「淡月」。大御所過ぎてほんとうは苦手なのだが別格だった。もう1点遠くから吸い寄せられた猫の絵も加山だった。加山と言えば、ワークショップ時代に成田空港の出発ターミナルのフードコートを設計した時に、その吹抜け側にある加山の大作に失礼があってはいけないと「屋台」のテントの形状に上から口を挟まれた苦い思い出がある。題を忘れたがタゲリ(田鳧)という初めて名を知る珍しい鳥と出会えたのもうれしい。チドリ目タゲリ属で鴫と属違い。幅8.4mもある「黒斑犬腹掻キ・黒猫耳掻キノ図」は題を含めて楽しいが、加山とは違う世界を求めて何かを模索しているということが私にも分かる。美術館のリノベーションはblue studio。普通の建物のファサードに桜をモチーフにしたマークのスクリーンを取り付ける手法は手堅い。ただしマークが好みに合わないせいで建築も私のテイストには合わず、パスがなかったら絶対に入らなかったに違いない。絵は写真に撮れないのでこんな意地悪な写真しかない。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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