
-今回の富士吉田は晴れていて富士の雄姿を満喫。富士の裾野の拡がりは見事ですね。
瀬川裕美子さんのピアノリサイタルを聴きに東京文化会館小ホールへ。今回のプログラムはほとんどバッハ。クラシック門外漢の食わず嫌いかもしれないけれど、実はバッハは苦手。「統合と分岐のはざまで」と題された22ページもあるプログラムノートに書かれた解説で、ゴルトベルグ変奏曲は個性的な曲と技巧的な曲とカノンの「3曲ごとのまとまり」10組で構成されていて、しかも10曲のカノンは同音から9度まで順番に並んでいることを初めて知りました。理解の範疇を遥かに超えた美しいまでに完璧な形式性。まったく手に負えません。ゆとりが少ないように感じられるピアノの熱演より、難解に編曲されたLet It Beはじめヴァイオリンが加わったプログラムの方が音楽として楽しめました。兎にも角にも音楽への激しい情熱に拍手。次も楽しみです。40余年来の友人とのその後のワインも楽しかった。
Johann Sebastian Bach,1685 – 1750。


座・高円寺で「リア」を観劇。シンプルな箱の天井の高さが演出に活かされていました。舞台を俯瞰する客席構成もいいと思います。主演女優渡辺美佐子の82歳に拍手ですが、かわいいおばあちゃんという感じ。Wikiの
1956年の写真を見てあげてください。共演の植本潤の声色の多彩さが光っていました。引けたあとは「きよ香」で泡盛。写真はぐるくんの唐揚げ。高円寺です。
William Shakespeare,1564 ・ 1616。



心優しい差し入れの招待券の1枚は息子に渡して「ボッティチェリとルネサンス」へ。若者でごったがえす渋谷の片隅でこんな時間を過ごせる幸せ。10分のNHKビデオもよくできていました。気持ちは15世紀のフィレンツェに飛んで行っていしまって、うっかりイタリアのチョコレートや鮪の瓶詰を買ってしまいました。お上手。帰り道に1992年にワークショップとして設計したBEAMを覗いてみました。1階角につくった「街に開かれた劇場」は今は吉本になっていて扉のほとんどがつぶされています。富の集積の結果として都市をながめると、彼の地とは大きな違いがあります。
Sandro Botticelli,1445 – 1510。