谷津干潟の枯葦の秋の風情。白い鷺が3羽距離を置いて留まっている。鳥がよく見えるようになってきたのは身近に犬がいなくなったせいばかりではないように思う。
江戸東京たてもの園。しばしばテレビドラマの背景として使われている昭和初期の街並みの夜景は普段は体験できない。武蔵美の建築学科も協力して影絵や映写会も行われていて多くの人々でにぎわっていた。いいイベントだと思う。
江戸東京たてもの園のライトアップ。照明デザインは居住講師仲間の岩井達弥さん。入口で懐中電灯が配られるほどの暗めの照明設定がいい。紅葉と古民家が暗闇の中に浮きあがっている。コンデジまかせで撮ると不自然に明るい映像になってしまうのでスマホが大活躍した。
この秋の陽は井の頭公園西園。犬たちや子供を連れて何百回と行った懐かしい場所だ。三鷹を4年前に離れた後に少し整備が行われているが雰囲気はそう変わってはいない。この脇にあるバードサンクチュアリ―は当時は興味の対象外だった。長男が小学生のころその近くの樹々の中に「基地」をつくっていたのを思い出したりした。
ピンクのカーネーションがデスクを明るくしてくれている。ナデシコ科ナデシコ属。撫子のほかにこんな漢字もある。
どちらがいいかという話は別にして野球発祥の地では試合は勝ちか負けかで引き分けがないのに対して日本では引き分けがある。たまたまMLBのワールドシリーズでダジャーズが18回裏にレッドソックスにサヨナラ勝ちした日に日本シリーズは12回で引き分けとなった。アメリカでサッカーが流行らないのは引き分けがあるせいだという話もある。ゲームのルールひとつとってもお国柄があるということ。写真は谷津干潟のアオサギなのだがこのポーズをこの角度で撮ると別の生き物のようだ。
うちのスタッフの卒業設計最優秀賞の舞台となっている富士の麓の四尾連湖が事務所の前の花屋さんのお気に入りのキャンプサイトだったという不思議な縁のはなしは以前
このブログに書いたのだが、フェイスブックのおせっかいのおかげで山の中の小さな湖の縁で繋がった二人の誕生日が同じであることがわかった。フェイスブックがいろいろとおせっかいなことをするのは収益を上げるための仕掛けに過ぎないのだが、知り合いの誕生日をまめに教えてくれるおかげでコミュニケーションチャンスはずいぶんと増えている。神田川を闊歩するセキレイは楽しそうだ。
東横線から山手線に渋谷で乗り換えるのは健康にいいのは確かなのだが、天気や気分や体調によってはそのまままっすぐ副都心線という日も少なくはない。降りるのは、たくさん歩きたければ新宿、天気が悪ければ西新宿、神田川が鳥で賑わっていそうなら中野坂上と気まぐれだ。そんな選択肢のなかでたまたま中野坂上で降りた朝に台湾在住の知り合いに出会ったのはやはり奇遇と言えるだろう。お互い再会を驚きあって、彼女は手に持っていた袋の中から台湾土産の499乾麺という袋詰めインスタント麺を渡してくれた。湯を沸かして3分間茹でるところまでは普通なのだが、茹で汁から麺を取り出して添付の麻辣ソースで和え、茹で汁に添付の塩味調味料を加えてスープとする。これには驚いたなあ。素晴らしい。写真はfbとインスタにアップしたのでここでは神田川を泳ぐ鴨の群れ。
葉山に行った。目的は県立近代美術館の「アルヴァ・アアルト−もう一つの自然」展。ヴィトラ・デザイン・ミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館企画の巡回展というだけの見応えあり。模型台の下が展示用図面ケースになっているのに感心。ただし建築家展とは思えない混みようで抽斗を引いて図面を見終わった後の閉めるタイミングが難しい。講堂で開催された島崎信さんのレクチャー「家具から探るアルヴァ・アアルト」も興味深かった。建築、家具を設計するだけでなく、それらを創り出す仕組みにまで取り組むアアルトの行動力を知った。フィンランドの自然を中心に据えた戦略も見事だ。講演会の司会は見覚えある人だなあと思ったのだが、ワークショップ時代の1992年にfrom DANCEでお世話になった水沢勉さんだった。声をかけることができてよかった。館長だ。葉山の海が見える大きな窓のあるのびやかな空間にアアルトの家具や照明がセットされたAalto Roomで余韻に浸れたのもよかった。彼と縁の深いArtekとiittalaの協力によるものだそう。今回は駅から珍しくバスに乗ったのだが、ついに本格的に席を譲られてしまった(苦笑)。気持ちがあたたかくなる小旅行。
ワークショップOGのjamms仲條さんのリノベ作品を見に行った。流れを汲むディテールがあちこちにある上にレバハンが私のと同じなのがかわいい。彼女はワークショップ末期に入社して3分割後は私の事務所に転籍して力をつけて巣立っているからより身近に感じるし、気になる部分を見つけるとつい私自身を絡めて詮索してしまうから面白い。クライアントとの関係を楽しんで仕事をしているのが空間に現れているところは、私とは違うから、うらやましい。ワークショップOBとも出会って一緒に記念撮影におさまったりして楽しい時間を過ごした。年月が幾層も積み重ねられたということだ。余談だがjammsの横関さんは犬的で仲條さんは猫的と断じている人がfbにいた。建築のはなしだ。ふむふむ。
古代の官職名に由来する雑色という名の駅に初めて行った。大田区の多摩川の河口に近いそのあたりは小さな町工場や木賃アパートなどが密集している庶民的な街。そんな木造密集地域の真っただ中に北山さんが設計したのが「南六郷ハウス」。8つの居住ユニットとコモンダイニングからなる建築基準法上の寄宿舎。設計は一般解としての長屋から始まってゆっくりとクライアントを説得して行ったとのこと。[コモンダイニング+2シェア]にファミリー対応などの可変性も用意されているのは説得の名残だろう。結局、街に向かってさっぱりと開いたあたらしい居住空間ができあがった。時代はもうこれを使いこなせるところまで来ているはずだ。木造2階上下の遮音性のために2階床スラブは大胆にもRCとしている。その予算負担を挽回するための極限のミニマリズムが潔い。大いに元気をもらった。
飲めなくなってしまった大酒飲みがまわりにぽつぽつ現れる歳になってきているので、休肝率を上げようと月に12日休肝を始めてもう半年が過ぎた。仕事やらなにやらでの会食もまだ少なくはないから、これを実現するために一人で飲むことを控えざるを得なくなった。当初はかなり努力していたのだが、人のからだはよくできたもので、一人でいるときにからだが酒を求めなくなってしまった(笑)。ということは家ではほとんど飲まないので、CMに釣られて大量に買ってしまった某ビールの在庫に困っている(苦笑)。楽しんでやっている限りはからだにもいいし節約にもなる、のかな。谷津干潟の黄昏時。若い人にはわからないだろうなあ。
熱心なBob Dylanファンの俗称bob catはオオヤマネコの英名だ。セットリストほぼ固定ながら僅かな変化を伴って熱く続くDylan合州国ツアー。Johnny Mercer Theatreだからムーン・リバー、ジョージア州だからJames Brownに続いてついにアンコールに登場したFreddy Kingのインスト曲は多分シカゴブルースの縁。よく曲を知ってるのは分かるけど不思議な人だなあ。この調子で行くと異変が多いと言われるニュージャージーや7夜も続くマンハッタンあるいはオペラハウス杮落しのフィラデルフィアでもなにかサプライズがあるかも。写真はまったく無関係に谷津干潟の夕暮れの印象派。
プレミアムコースだとこの樽熟成庫の中まで見学できる。樽のボルドー式彩色が止めになっているが眠っているのはほとんどが赤で一部甲州もあるそう。世界品種になった甲州に次いで赤の日本品種が育ってくれるのを期待している。甲斐ノワール、ブラッククィーンなどなど。やっぱりワインは風土がいのちだからフランスを追いかけなくていいと思う。
甲州のヌーボーもテイスティングした。今年は気温が高くまたいい時期に摘果できたので上出来だそう。ここのところの日本ワインブームの追い風もあるのか品質が年々上がってきているように思う。今年からワイナリーツアーもブラッシュアップされて醸造所の内部も見学できるコースもできた。少人数制になったので予約が取りにくいのはうれしい悲鳴。
メルシャン・ワインギャラリーも順調。葡萄もしっかり生い茂りコルテン鋼の錆もますます落ち着いてきている。お客さんで賑わうと店の方も元気が良くなるようでメニューもかなり進化してきている。計画段階ではお土産として売れるはずがないと思われていた「シャトー・メルシャン」がどんどん売れていて、店舗限定の少量生産ロットは売り切れも少なくない。こんな環境で美味しいワインを飲めるのは幸せなことだ。
勝沼へはお気に入りの「ビューやまなし」2階席に乗って行った。特に帰りは思ったより混んでいて指定席にしてよかった。勝沼は朝晩の冷え込みが厳しいせいかもうすっかり秋。駅から大善寺に向かう葡萄畑道に稲穂が積み上げられていた。冬のあいだの葡萄棚の下に敷き詰めると土が肥えるのに違いない。甘い葡萄が獲れて美味しいワインができる。農業もひとつひとつの手間の積み重ね。
grutto pass #16。山本有三記念館。かつて三鷹に30年近く住んで犬の散歩などで何千回と前を通ってはいたのだが入館したのは初めて。永い時間を経過した洋館というだけなのだが大切に使って行くのはいいことだ。建物は1926年に登記、設計者不詳だそう。建設当時の三鷹の航空写真は興味深かった。裏側にあんなに広い庭があるのは知らなかった。あっという間のgrutto passの2ヶ月もこれで終了。有料展示がなかった目黒区立美術館を含めて17施設を利用したから原価\1,670の4倍超の利用で採算は十分以上にとれたことになる。そんなことよりもpassに引かれて思わぬ出会い発見が多々あったことが大きかった。
自慢のコンデジにも荷が重いほどの距離にある樹のてっぺんあたりに留まっていた、私の肉眼では認知できなかった鳥は尾の割れ具合からなんだ鵯かと思っていたが帰ってから露出をアップしてみたらどうもカワラヒワらしい。鳥にも魚のようにいちいち漢字があるのだが魚は偏が主で、鳥は旁も多い。カワラヒワ河原鶸Fringillidae Carduelisスズメ目アトリ科ヒワ属oriental greenfinch。
もう何十回と来ている勝沼。雨の予報がいつものように覆って勝沼ぶどう郷駅から歩いた。以前よりも鳥がよく見えるようになってなお楽しい。葡萄棚が重力で垂れるのを傘状に張ったワイヤで防ぐための支柱の頂部に鳥がいた。かわいい。fbにアップしたら達人が直ぐにジョウビタキ雌と教えてくれた。ジョウビタキ尉鶲Passeriformes Turdidae Phoenicurusスズメ目ツグミ科ジョウビタキ属daurian redstart。
近所にかわいい花屋さんがあるのは楽しい。捨てられていたところを救ってくれた3人の里親の一人が私であることがわからないのか、いまだに吠えながら店の隅に姿を隠す可愛いベリーもそこにいる。白い牡丹、いや白い菊と迷って見慣れないピンクの可憐な花に目がとまった。diamond lily、南アフリカ産のヒガンバナ科で本家の毒々しさのかけらもない。こういうのに捉われるとかえってあぶない。Asparagales Amaryllidaceae Nerineキジカクシ目ヒガンバナ科ネリネ属。
8月の
house M「伝統文化対話シリーズ」の続編に参加させていただいた。草月流師範の大泉麗仁さんの「いけばなの空間とかたち」レクチュアが興味深かった。いけばなは空間とともに変化しているそうだ。余談だがこの夏にうっかり見入ってしまった「生け花ドラマ」のいけばなは草月流だそう。あれは私には手に負えないと思っていたが、身近で優しく説明を聴くと興味も涌く。中庭で菓子・茶をいただきながらの談も、1階に上がっての宴も、稔り多い時間だった。中庭での焚き木がうまく行かなかったのは残念。次回は私が火を熾すことになってしまったように記憶している。口は幸せのもと(笑)。石田敏明さん郡裕美さんとの再会もうれしい。室伏さんの縁、ありがとう。もとをたどれば居住だ。
斎藤輝彦さんのコントラバスを聴きに行った。衎芸館という50人ほどの小ホールで荻窪の駅から南東に少し歩いた住宅地のフリンジにある。ピアノはいつもの吉岡裕子さん。ボッテジーニやフォレなどのクラシック系ばかりではなく「もののけ姫メーンテーマ」やOver the Rainbowなどポップス系もある柔らかいプログラム。ちなみに後者の超有名曲の作曲はHarold Arlen。今では彼のThat Old Black Magic, Come Rain Or Come Shine, Stormy Weather をDylanがカバーしているのだから、時代は変わる、だ。ところで6日のJohnny Mercer TheatreでのライブのラストはMoon Riverだった。作詞のYip Harburgは遥か遠くで聞いた名だなと思ったら PPMのHurry Sundownだった。大昔の記憶については、我ながらすごい(笑)。豊かな音楽を楽しんだ後は演奏者、編曲者の打ち上げに混ぜていただいて西荻の風神亭へ。ピアノの吉岡さんとじっくり話ができたのもよかったのだけれど、驚いたことに宴の中にバードウォッチングの達人がいた。挨拶がてらに自慢の
カワセミや
イソヒヨドリを見てもらったがすぐに格が数段違うことを悟った。これだから縁のつながりは面白い。
下村兼史写真展で話が合って僅かながら自信回復。写真は彼との出会いに刺激されて翌日に出かけた谷津干潟のセイタカシギ。すかさずfbともだちになっていただいた達人に「いいね」をいただけたのがうれしい。余談だが、文字を書かなくなって久しい私には「挨拶」が書けない。チコちゃんに教わった覚え方を記録しておこう。「矢沢がムっとして、タモリがククク」。
初めての谷津干潟でセイタカシギに出会った。水辺の遊歩道を散歩している犬連れの女性と目が合ったので「鳥がいますよ」と声をかけたら「セイタカシギですね」と返って来た。愛称かと思っていたらどうも本名らしい。野鳥が生活に根付いているということかな。葛西海浜臨海公園の鴫がちょこちょこと歩き回っていたのに比べると動きが少ない。かわいい。じっと眺めているうちに陽が傾いてきて白いお腹が夕焼け色に染まったのが水面に映った。あとで写真を拡大すると折りたたまれた片脚が写っていたりする。ついでに写ってしまう水が清らかとは言い難いのは気になる。セイタカシギ背高鷸Himantopus himantopusチドリ目セイタカシギ科。英語はblack-winged stilt。
習志野の大学に15年も通っているのに足を向けたことのなかった谷津干潟に行った。手前にあるバラ園の前身である谷津遊園には小学校の時に行った記憶が微かにある。そう遠くはない本八幡に当時は住んでいたのだ。全体は朧げなのだが芝生の上で同級生だったかとも一緒にお弁当を食べている情景が鮮明だ。干潟となっているあたりは当時は遠浅の潮干狩りの浜だったはず。あっという間に遥か先まで埋め立ててしまったわけだ。このあたりにはほかにも「船橋ヘルスセンター」「ザウス」とか仇花のように散ってしまった施設があった。あの巨大スキー場はバブルだなあ。そんな荒っぽい都市環境だから対岸の埋め立て地のランドスケープは手放しでは愛でられないがそれでも秋晴れの一日の夕暮れ時は思ったとおりに美しかった。アオサギが小さく写っている。
日本の文化とは縁もゆかりもない異国の慣習がいつの間にか商業化されて少なくとも東京では恒例のイベントになってしまっている。大阪在住のいとこが仕事で上京した折に何十年振りかに再会することになったのがたまたま31日で、私と同じく好奇心旺盛で一回り以上若い彼が渋谷に行きたいというので、一緒にでかけた。ハチ公前交差点は仮装であふれていたが警察の警備も大掛かりで強引な規制を平然とやっていた。とりあえず戯れているだけだからみんな大人しく従っている。こんなことで満足している時勢ではないだろう。
grutto pass #15。行きつけの検査クリニックが近くなので用事があったついでに寄った。これでスタンプラリー完。エリアが7つに分かれていて達成はよほどの暇人でないと無理だから賞品が当たるに違いない。大昔「がきデカ」という漫画に載って脚光を浴びた「きょん」がいた囲いではエゾシカの背中にカラスが乗っかって遊ぶ姿を目撃したのだがカメラは間に合わなかった。キョン羌シカ科ホエジカ属Muntiacus reevesi。