PROUDという広報誌41号の「住宅のマスターピース」にRobert Venturiの「母の家」Vanna Venturi Houseを選びました。本当は山本理顕の「山川山荘」を希望したのですが、外国作品にしてほしいとの強い要望で、大学生の頃大きな影響を受けたRobert Venturiになりました。最近撮影された珍しい写真と共に私が31歳の時の4カ月間の建築の旅の想い出話が大山直美さんの文で綴られています。[laatikko]も載っています。こちらの写真はちょうど27年前の1982年10月31日にNikomatに200mmのレンズをつけて撮ったもの。フィラデルフィア郊外の樹木が生い茂る閑静な住宅街です。Louis KahnのEsherick Houseも近くにあります。アポなしで行っているので、もう少し近づいたところで、中のご婦人に警告を受けやむなく退散しました。今回のインタビューで、あの時点で住宅は他人の手に渡っているので、彼女はRobert Venturiのお母さんVannaではなかったことがわかりました。Vannaは不意に訪れる学生たちを歓迎するのが好きだったとのことです。PROUDはページのほとんどが「マンション」の宣伝ですが、「住宅のマスターピース」などの記事の部分は読みごたえがあります。会員になると無料購読できるようです。
ロンドン2009年春¶フォスターの手がけた大英博物館Great Courtの軽食コーナー。外のような内のような、いい空間です。オブジェ、食べ物、床に座る人・・・ゆるやかに混ざり合っている雰囲気がいいと思いました。
上にはこんな風にガラス屋根が架かっています。これはこれで美しい。
[doghouse]に夕暮れが訪れるとフットライトに灯りが入ります。戸袋に穴をあけてミニ・クリプトン球を入れただけのローテク照明、気に入っています。20Wで十分です。
二時間近い森歩きでニコルさんからいろいろなことを教わりました。こういう授業は楽しいし、どんどん頭に吸収されていきます。ここは大きな落葉樹の下にウッド・チップが敷き詰められた森の広場。ふだん心を閉ざしがちな子供たちが、ここでの木登りをきっかけに原点に戻って、心を開いていく様をニコルさんが語っているところ。足下にはどんぐりやきのこがたくさん。よく見れば枯葉色のカエルもそこここにいます。
こちらは
「アファンの森」の周縁部を流れている水路。江戸期につくられたもので土木技術はかなり高かったようです。水音を聞いているだけで気持ち良くなっていきます。ところが林野庁の主導で昭和期に手が入れられている部分があって、コンクリート水路になってしまってるところもあります。左の「江戸期」に比べて右の「昭和期」は流れが直線的で速く、心地よい水音はありません。流れる水と川岸の土や植物や生物とが溶け合っているのは「江戸期」の方だけです。地元の人手で作られたに違いない「江戸期」に対して「昭和期」はおそらく中央の資本と工業力で作られています。この場所にどちらのほうがいいかは明らかです。
ニコルさんの生まれ故郷のウェールズのAfan Woodlandに倣って名付けられた
「アファンの森」を訪れるのは2度目。前回は1995年でした。地ビール工場をつくるプロジェクトの敷地探しで、そのころ黒姫には足繁く通っていました。あれから14年「アファンの森」はしっかりと成長を続けていました。荒廃してしまった森を再生し守り育てていくために、森を自ら購入し、手入れのための費用を賄ってきたニコルさんの熱意に脱帽です。
赤や黄に染まった広葉樹の葉が秋の陽ざしの中で輝いていました。
森のあちこちに自然を体感するための場がつくられています。右手向こうに見えるのは木の骨組みにテント地を貼った「ティピー」。
「ほだ木」も並んでいました。森の恵みを活かしていくことで森は成長していくのだそうです。
ロンドン2009年春¶ロンドン市内で見かけた建築現場。向こうに見える隣の建物の壁を支えている鉄骨のサポートに注目。日本ではめったに見ない情景です。
こうして隙間なく街が出来上がっていくのですね。
久しぶりのペンション竜の子の朝。昨日の快晴から一転、雨。出かけるころから晴。
写真は
「アファンの森」のメタセコイアとニコルさん。
6月に予約してあった240色の色鉛筆が届きました。現時点では最大の色数。Caran D’ache でもFaber Castell でもDerwentでもなくMitsubishiというところもうれしい。専門外メーカーの頒布販売で500色というのもあるのですがそちらには食指が動きませんでした。5000セット限定の175番。予約分は売り切れで11月中旬まで手に入らないそうです。赤系の色名をちょっと見てもドノヴァンの歌以外では耳にしたことがないalizarin crimsonがあるかと思えば hiiro(緋色) hizameiro(緋褪色) tobiiro(鳶色)と日本の伝統色も並んでいます。ちなみにgeranium redはディランのSad-Eyed Lady Of The Lowlandsの中でgeranium kissに昇華させられています。さすが。色に刺激されて妄想がひろがっていきます。エスキスが楽しみです。写真を見てもおわかりのように色の並び方にはかなり不満があります。納得のいく配列を見つけ出すのは骨が折れそうだな。
近江八幡9月¶。五個荘の古い家並みで塀の下の隙間に猫が潜んでいました。こちらを凝視しています。ごめんね。
[laatikko]で「建もの探訪」の撮影がありました。家具や食器がどんどん増えていますが、居住環境そのものには大きな変化はありません。撮影用に作っていただいたペスカトーレをごちそうになりました。パスタはフェトチーネ。ワインは長野メルロー。満足。小さな吹き抜け越しに上階での撮影の気配を感じながらランチを楽しんでしまいました。きちんと住みこなしていただいています。うれしい。放送は東京は12月4日金曜日朝5時に決まりました。
撮影クルーの履物が[縁]に並びました。自転車の人はただ通り過ぎていきます。
スクリーン越しに犬。
おみやげにいただいた
papabubble。これは非売品だそうです。
[laatikko]が掲載された
住宅特集11月号が発売になりました。
Beatlesのリマスター盤ステレオ・ボックスがやっと届きました。限定版のモノ・ボックスだけで手を打つつもりだったのですが、久しぶりに聴きこんでいるうちに、こちらも入手せずにはいられなくなってしまいました。Rubber Soulは最初のCD化の際にミックスが変えられていて、我が家だけでも@ステレオLPACDB米国盤ステレオCDC米国盤モノCDDリマスターCDEリマスター・モノCDFオリジナル・ステレオCDの7種のRubber Soulがあります。ヴォーカルが片方のチャンネルだけから聞こえてくる不自然なオリジナル・ステレオは@とFで聴くことができます。懐かしい。米国盤は14曲のうち4曲がオミットされているうえミックスに細かい違いがあるのだそうです。我が家のCはステレオ・ミックスからつくられたモノを間違えて出荷した不良品で今は市場にない珍品です。こうして微小な音違いの商品がたくさんつくられるのは、録音のテイク違いが皆無に近いからなのでしょう。激しく内容が違うテイクが山ほどあるボブ・ディランとは大違いです。ディランもJohn Wesley Hardingsまではモノ・ミックスが存在しますが、幸か不幸かCD化されていません。4チャンネルLP、5.1チャンネルSACDというのもあります。再生装置が身近にありません。困ったものです。
久しぶりに鎌倉に出かけました。いい町ですね。ゆっくり散策するほどの時間はなかったので市役所から裏道を北鎌倉駅まで歩きました。これは途中の亀ヶ谷坂切通しでのショット。往きにここを通った方がいいかも。
蕎麦屋も見つけたし、次は余裕をもって訪れることにします。
ロンドン2009年春¶テムズ川沿いの火力発電所をリニューアルした現代美術館。設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。日が暮れてくると最上階に付け加えられたガラスの「ライトビーム」が浮かび上がります。
日中はこれがハイサイドライトになって内部に自然光を取り入れています。
展示空間の楽しそうな使われ方がいいと思いました。
10月14日14時。勝沼でのプロジェクトの内容が
メルシャン株式会社より発表されました。こちらではパースの他にホワイトの「建築模型」を用意しました。敷地範囲が広いので縮尺1/300でも、やっとタクシーのトランクにおさまる大きさです。
京橋の同社本社での記者発表のようすです。1986年のハートランドの記者発表を思い出しました。
朝9時、勝沼はくっきり晴れて、美しい山の重なりの向こうに富士山の頭が見えました。珍しくスーツに身を固めて、肩に力の入った「あずさの旅」でしたが、下準備のおかげで「年の功」が役に立つことはありませんでした。一歩前進。
蕎麦を食べるばかりでなく打つことを趣味としている人が親戚の中にいることがわかりました。しかも家から歩いて数分のところ。お休みの日のお昼にごちそうになりに出かけました。箸袋に筆でしたためられた屋号「游心庵」。陶芸作家にオーダーした清水焼の蕎麦猪口。初めて見る「盃台」は陣馬の陶芸家の作・・・と小道具からして遊び心満点。ビールはハートランド。揚げ蕎麦、カラスミ、漬け豆腐、小鮒の甘露煮、山口の無添加練雲丹、オスのシシャモ、ホッケの皮、ニュージーランドで釣ってその場で燻製にしたニジマス・・・と手のかかった珍味が並び純米吟醸酒がどんどん進みます。外二八の蕎麦は冷やし具合まで完璧。塩を軽く降るだけもよし。つゆは上質なるも好みより少し甘め。蕎麦がきはやわらかめを所望。この他の蕎麦二品が驚きの初体験。先ず「蕎麦刺し」。短冊状(2.5×8cmくらい)に切られた蕎麦刺しで生雲丹と山葵を巻いていただきます。絶品。もうひとつが「蘿蔔(すずしろ)蕎麦」。桂剥きにしてから千切りにした細い大根を蕎麦にからめていただきます。食感に感動。ネーミングも美しい。たいへんな趣味人であることは承知していましたが、この域にまで達しているとは思っていませんでした。話も尽きず夕方まで続いた宴を締めたのはやはり手製の栗きんとんとマロン・グラッセでした。箸袋を返すと「良き友遠方より来る」。「もてなしの心」が、有り余る技を包みこんでいました。おみごと。
これが「蕎麦刺し」。これだけでもおいしい。
食卓の横に何気なく置かれているモノからも趣味加減が窺われます。
家の近くの蕎麦屋の前にそっと置かれた黄色い花。最近改装して白くなった外壁に映えています。昔からある普通の蕎麦店で、蕎麦屋として認識したことはありませんでしたが、今回の改装を機にどこかが変わったように感じています。今度食べに行ってみよう。
先週の台風の時に家の中に避難した鉢ものの植物。か細い枝についた雨の滴がきれい。
[doghouse]の竣工祝いにいただいたもので、何度かの危機を乗り越えながら生き延びています。
子供の頃夕方になると網戸に無数に張り付いていたカナブン。コウチュウ目コガネムシ科ハナムグリ亜科Rhomborrhina japonica。珍しく
[doghouse]に飛来したところをフクに捕獲されてしまいました。still alive。睨みあいです。この後どうなったでしょうか?
ロンドン2009年春¶1986年竣工のRichard RodgersのLloydsはThe Gherkinの直ぐ近くにあります。
こちらも隣に古い建物があります。
暗くなってくると照明効果もあって一際異彩を放ちます。
乾燥中のゴーヤーの種。食べてみてもおいしそうな気もします。調べてみたらゴーヤーにも多くの種類があることがわかりました。来年はこれらから芽が出るでしょうか。棚状にしてゴーヤー・テラスにしようかと考えています。楽しみです。
久しぶりの台風上陸。雨はもうおさまって、激しい風が吹いています。塀の上のバラなど鉢ものはみんな避難しています。
普段あまり使わない大判の大和英辞典をめくっていたらページのあいだから押し花がいくつか顔を出しました。長男が小一の頃に挟んだのだそうです。ということは13年前。花の茜色が美しく紙に転写され活字と重なって絵になってしまっているものもあります。書籍としての辞書には申し訳ないことをしましたが、この時の積み重なりの様は、悪くありません。余談ですが、4行目の「サバヒー」はどんな魚なのでしょうか。
山手線で遭遇したチョコレート車両。1961年に全身カナリヤ色の通勤電車が登場したのは衝撃でした。それ以前は「国鉄」の通勤電車はチョコレート色(国鉄は葡萄色と称していました)に決まっていたからです。そんな懐かしい「色」がチョコレートの宣伝に合わせて登場。ぜんぜん古びていないチョコレート色は新鮮です。中途半端なステッカー貼り車両よりずっといいな。
[5月24日]に取材の様子をご紹介したarchitect at homeがネット上の
INAX REPORTからpdfファイルでダウンロードできるようになりました。中村好文さんの訪問記を読まれた方からは早速問い合わせの電話をいただきました。うれしいですね。写真は
[doghouse]を専有する犬猫3匹。この子たちのおかげでこの家があるのですね。
「兎の会」の余韻がまだ残る中、勝沼に向かいました。雨。休日だけ走っている全車二階建ての快速列車に乗りました。平日は東海道線で通勤ライナーとして使われている珍しい車両です。勝沼ぶどう郷駅でたくさんの乗客を降ろし小淵沢に向かうところです。
駅から目的地まではぶどう畑の間を歩きました。歩き始めは雨でしたが行程半ばで青空。雨上がりのブドウの葉がきれい。
ぶどうの収穫期。九月の晴天続きで糖度をぐっと増し豊かに実っています。
ワイン娘がぶどうを踏んでいました。
町中あちこちで収穫を祝うお祭りがあります。
Kris Kristoffersonの新しいCDが発売されました。タイトル・トラック
Closer to the Bone のBob Dylan風のデュエットが絶品。around 70の古つわものの枯れた重唱にぐっときてしまいます。昨晩は
[二軒家アパートメント]ペントハウスで「兎の会」。卯年のお月見の会にはついに三まわり下の兎も登場。ここでも一まわり上のaround 70が元気でした。大家さんのところにやってきたトイ・プードルの空ちゃん生後4カ月も登場。すごくかわいい。残念ながら写真が手元にないのでハヤの餌入れを銜えるフクです。
ロンドン2009年春¶ガーキンという愛称で呼ばれる紡錘形のオフィス・ビルもフォスターの設計です。内部の空間構成に外気を巧く取り入れる工夫がなされていて、その結果形状が個性的になっているところが、いいと思います。足下の古い街並みとの対比も面白い。
美しいと言えるでしょう。
東京の類似例とは格が違います。悲しい。
[doghouse]の内側の外壁に小ぶりの柚子坊がいるのを見つけました。アゲハの幼虫です。が、ちょっと目を離した隙に姿がありません。足が速いわけないから、小鳥の餌食になったに違いありません。