江戸前鮨を握って60年。鈴木民部氏の技を堪能してきました。イカ塩辛、自家製カラスミなどなどのつまみがお酒に合いすぎて、ついつい飲み過ぎてしまいます。穴子の肝はこれまでに経験したことのない珍味でした。厚さ10cm近い椛のまな板の上で繰りひろげられる包丁さばきには年季がはいっています。写真のように小鰭を尾まで2枚におろしたり、細魚をいくつもの形に握るなどの伝統の技はもうあまり見られなくなったものなのだそうです。旨いものを写真に捉えるのは難しいもの。この大将の顔がお店を物語っているように思いました。
黒姫の竜の子ペンション。暖炉の前の大きな欅のテーブルの上に置かれていた果物・野菜。朝の陽光がここまで差し込んでいます。
もう一年以上続いている「集まって住む」の編集会議。なかなか進まないうえ、終わった後はいつも飲み会なので「集まって飲む」と揶揄されたりもしていますが、いつもの居酒屋の魚はなかなかのものです。そんな楽しみを後ろに、まさに後ろ髪を引かれる思いで仲間と別れて、吉祥寺バウスシアターのレイトショウに出かけました。Shine a Light。珍しく直美と一緒。爆音上映とかで、お腹がベースの低音で振動するほどの音に酔いしれました。東京ドームのようなようなマス会場でのストーンズの「ショウ」にはもうあまり興味がありませんが、小さな会場でのロックスピリッツ溢れる演奏ですっかり見直してしまいました。
As Tears Go By。キースの12弦ギターが良かった。
Far Away Eyes。ミックとキースのハモりのシーンは涙ものでした。映画としても秀逸です。実は帰りに大昔二人でカーメン・マックレーのライブを聴いた「思い出のsometime」に寄ろうかと計画していました。映画館を出た時には、骨までロックに浸り切ってしまったからだがsometimeを必要としていないと、二人そろって思いました。いい夜でした。
フク、ハヤ、クウ。床暖でほどよく温まった床に寝そべってそれぞれの朝の時間を過ごしています。おなかもいっぱいだし、うるさい子供たちもいないし、ひと眠りするか、というところでしょうか。外はどんよりと曇って、雨が近づいてきているようです。
クライアントからいただいた
[laatikko]の竣工祝いを写真におさめました。Dylan Beerにはびっくり。意表を突かれました。珍しいラベルのビールのもとは
Heartland。
[金沢文庫の家]に続いてここでもハウスビールはHeartlandです。左手前はオープンハウスのお客様にも配られた
papabubbleのかわいいキャンディの袋。中に入った「ありがとうございました」と書かれた紙片には「犬マーク」もついています。お客様の数が想定外だったためお渡しできなかった方のほうが多かったようです。「夜鍋仕事」と仰っていましたが、どちらもたいへんな手間だったことと思います。気持ちのこもった贈り物。嬉しいですね。
オープンハウスの詳しいようすは
[laatikko]ブログをご覧ください。
tpoブログでも取り上げていただきました。そちらもご覧になってください。
朝8時から夕刻6時まで、一日中現場で撮影に立ち会っていました。コンクリート打ち放しの外壁の外側、1.8m幅の暗渠に面した部分に、もう一枚の半透過の外壁があって光の変化に連れて刻々と表情を変えていきます。この写真は燦然と銀色に輝いていた穴あきの金属板が夕闇に溶け込み、内部の部屋の灯りが浮き上がってきたところ。建物の前に立っていると、近所の人たちが話しかけてきます。この厚みを持った柔らかい外壁の不思議な魅力は早くも受け入れられているようでした。
[laatikko]オープンハウス。たくさんの人に来ていただき、息つく間もなくあっという間に時間が過ぎて行きました。そして打ち上げ。今朝は8時から撮影です。小さい敷地で、まわりは建てこんでいるので、全貌はこのアングルが一番かな。
小さな石の塊。冬の朝陽が表面の微妙な凹凸を浮きたてています。広尾の裏町で見つけたロウソク立て。ジャワ島産の石だそうです。以前バリ島で買ってきた香辛料を潰す小鉢も同じような石で出きていました。
新建築住宅特集の方を
[laatikko]にご案内しました。10時の待ち合わせが急遽11時に変わったのが幸いしました。歩き始める頃に雨が上がったのです。「晴れ男」の面目躍如。傘をさしては通れないほど狭い暗渠の小路を予定どおりに歩いて、建物の周辺環境を体感していただきました。足場が取れてからは初めての雨。ファインフロアについた雫がキラキラ輝いていました。
ここ何年か、我が家の子供たちの受験が続いているために、無沙汰をしてしまっているのですが、黒姫の「竜の子」にはよく家族で泊りに行っていました。2002年の冬に撮った、バーに置かれていた陶製の小さなフルーツ。オーナーの中原英治さんが生前にベトナムで見つけてこられたものだそうです。この時のカメラIXY 200は今も事務所で使っています。ちなみに今はNIKON COOLPIX 5700を使っています。
[春日町の家]の梔子の実が赤く色づいていました。よく乾燥させて食べ物の色づけなどに使うのだそうです。栗きんとん、たくあんなど。赤色何号とかではなくこういった天然色素を大切にしてほしいですね。
[doghouse]に入ってすぐ、右手の壁につくった窪みは何かをきちんと置きたくなるスペースです。招き猫の手拭いを額装した浅草土産に代わって、源氏香に因んだ「にほひ箱」がこの正月に置かれました。スリットの下の子板を引いて中に入っている香りを楽しみます。冬の香りは松風と名付けられていて、漢薬香料を中心に甘さを控えた、渋く気品高い香り立ち、だそうです。五本の縦線とそれらを繋ぐ横線がつくりだす52種類のパターンで構成された記号群は見事な日本のデザインです。それらのひとつひとつが香りの組み合わせを表し、しかも源氏物語の巻名に対応した名を持つ「源氏香」、なんとも粋な遊びです。一度だけ挑戦したことがあるのですが、簡単ではありませんでした。
もう3年近く続いている気のあった4人衆の飲み会。新年会はChateau Mercianの
「きいろ香」「長野メルロー」などを楽しみました。その時にいただいた京都からのお土産。
緑寿庵清水の金平糖です。かわいいなあ。この手のものは諸外国にも例がないようです。
[laatikko]に表札が着きました。なんと書き下ろしの犬マーク入り。クライアントのご要望にかなり照れたのですが、できあがってみるととてもうれしい。インターフォンのカバーを兼ねたステンレスのプレートに墨色と鼠色の中間ぐらいの色で刷られています。取り付けのビスの位置がいいでしょ。グラフィック・デザインとしても気に入っています。ステンレスの反射があるので写真に捉えるのは難儀でした。
[doghouse]外側の植え込みで、スノードロップの花が咲きました。白く可憐です。ヒガンバナ科ガランツス属。マツユキソウ(待雪草)という別名があるのだそうです。昨日は久しぶりに仕事から離れて、犬、猫、植物・・・・。ゆっくり[doghouse]の時間を楽しみました。そろそろ、雪でも降らないかなあ。
ついに足場が取れ全貌が姿を現しました。期待どおりです。灯りも入り始めて夜の眺めもチェックしました。[laatikko]ができあがっていくプロセスはクライアントの
家づくりブログで詳しく紹介されています。
重森三玲の東福寺の庭から、円柱状に刻み込まれた石。重森三玲美術館の裏手の坪庭にも同様なものが置かれていました。
2008年1月4日の[doglog]にアップしたインドのハワマハルの写真が「世界のエアラインガイド」というテレビ番組で使われました。制作会社の人がネット検索をしていて発見したのでしょう、電話で連絡があり、ハワマハルほか数点のデータをお送りしました。撮影者のクレジットも入っています。ブログがこのような形で展開していくのはとてもうれしいことです。というわけで、今日はハワマハル「風の宮殿」の[doglog]未公開写真。壁面の砂岩を透かし彫りにして造られている窓のアップです。
非常勤講師をしている日大生産工学部居住空間コースの最優秀作品選考会から相原さんの作品「下町上町」。エントリーされた今年度の自信作の中から学年に関係なく20作品を選び、公開審査を経て「宮脇賞」1作品を選びます。すべて投票により決めていきます。自分の担当した作品のことは当然内容もよくわかっていますし思い入れもありますから票を入れたくなるのは人情というもの。「身内」への投票に偏り過ぎないように内規を自ら定めるところが「大人」ですが、最優秀作品への1票を全体の空気を無視して自らのこだわりに従って「身内」に投じてしまったところは「子供」です。20人近くが一日かけて真剣に議論し真剣に選んだあとに授賞式と祝宴。「身内」の作品がゲストクリティックの山本理顕さんの個人賞に選ばれたのが嬉しかった。充実した一日が幕を閉じたのは朝の3時近くでした。
昨晩は「仲條服部八丁目心中」のオープニングへ。1933年生まれの仲條正義さんと1964年生まれの服部一成さんのバトルは見ごたえがありました。鏡開きに続いて立錐の余地もないほどの会場でコロッケに稲荷寿司で桝酒。二次会は資生堂パーラーでカレー・パーティ。建築の世界のパーティとはかなり趣が違います。
[上高田の家]にフィンランド語で「箱」を意味する[laatikko]という名前がつきました。1月25日のお披露目を目指して現場は休日返上で進んでいます。「ファインフロア」という商品名の穴のあいた金属製の足場板の取り付けが完了し、外部と内部の間に位置する曖昧な領域が姿を現しました。この「中間領域」は幅が1.8mしかない狭い遊歩道に細長く寄り添う敷地の持ち味を最大限に活かすために考案したものです。2階建てのこの小さな住宅では、部屋以外はすべて外部空間になっていて、そこには光も風も視線もちょうど半分くらい透過する「ファインフロア」が取り付けられ、屋外だけれども部屋の延長のような空間になっています。諸室をつなぐ廊下と階段が屋外になっているわけですから、便利で快適とは言えないかもしれませんが、敷地の狭さを補って余りある豊かなユニークな空間を獲得することができました。条件の悪い敷地でも建築家と力を合わせればなんとかなる、いい例になっていると思います。
クウの歯がグラついていることを基が発見して、餌をドライフードから缶詰に切り替えました。おいしそうな食事のようすに、自分の食事はとっくに済ませてしまっているフクが強い関心を示しています。わざと目をそらしていますが気持ちは完全にお皿に向いていますね。この後、クウは餌を少し食べ残して姿を消し、フクだけがそこに残りました。私がいる限りは決して手を出さないのは老いてもさすがラブラドールです。
[春日町の家]。住みながらの改築の一期工事がほぼ完成しました。片手では数え切れない神さまもほとんどが落ち着かれました。しめ縄に榊。90年の時が流れ続けていた空間にきっちりとおさまっています。今まで外で暮らしていた柴犬のルラちゃんも新居にできるタタキ仕上げの土間が棲家になる予定です。
デザイナーの佐藤昭夫さんと南青山のjadaで飲みました。ぱしっとドライなマティーニの向こう側に写っているTIMEの袋は佐藤さんの作品です。
重森三玲の庭。東福寺には幾何学模様ではない作品もあります。枯山水と言っていいのでしょうか。石の群れには動きがあり、定型を打ち破ろうとする強い意志が感じられます。
調布を飛び立った4人乗りの軽飛行機はまず三浦半島を目指します。すぐにYOKOTAの管制空域に入り交信が本物の英語に。空の上では米軍基地の存在は大きいようです。冬の低い日差しでほのかな茜色に輝く海を背景に三浦半島が美しいシルエットになっていました。手前の京浜工業地帯でさえもが日常を超えた映像になっています。
京浜急行金沢文庫の車両基地。赤い車体がたくさん集まって、目がひきつけられました。空から眺めると鉄道模型のようにも見えます。
空から見る海や山の幻想的とも言えるような美しさの反対側には、人間の棲む街東京の塵芥をぶちまけたかのような混沌がひろがっています。無秩序もここまでのスケールになると、なんとも言いようがない感慨さえ感じてしまいます。うたかたの海に浮かぶ蜃気楼あるいは墓石。実像を闇に消去して灯火の集合体として眺めるならばそれなりの美しさでしょう。
軽飛行機でのフライトに誘われて大島まで飛んできました。調布の飛行場を飛び立つと1分も経たずに
[doghouse]上空。非日常的視点で瞬時に我が街を把握するのは意外に難しく、せわしく切ったシャッターの一つが辛うじて
[doghouse]を捉えました。大島まではゆっくり飛んでも40分。大島の周囲には少し雲があり、雲の間から海面に差し込む陽光が普段はあまり目にすることのない情景をつくり出していました。
七福神に見立てたお正月の菓子。恵比寿様の鯛はわかりやすいですね。こういう遊び心と美的感覚は好きです。神様がたくさんいるのもいいですね。
[doghouse]は開き戸が3本あるほかは残りのすべてが木製の引き戸です。犬猫を家の中で飼っている我が家では引き戸の戸車に毛がからまって動きが悪くなっていきます。暮れの大掃除で戸車に絡みついたゴミを取り除きました。戸車とその車軸から毛を取るのは簡単なのですが、戸車の奥にある隙間に入り込んでフェルト状になったゴミを引っ張り出すのは難儀です。そこに登場したのが直美のフェルト加工に使う針。とがった方には微小なザラつきがあって抜き差しで繊維をひっかけるようになっています。威力を発揮したのは鍵の手状に曲った反対側の頭の部分。この道具のおかげで驚くほどの量のゴミを引きずり出すことができました。こんな体験が出来るのも犬猫と暮らしているおかげ、と考えることにしています。掃除のことだけを考えれば引き戸を使わない、というよりは犬を家の中で飼わないということになるのですが・・・。
穏やかな晴れが続いています。散歩の後の[doghouse]の中庭です。シマトネリコ、檸檬、フェイジョアなどの常緑樹のおかげで真冬でもけっこう緑があります。フクは右側に引く引戸は軽く鼻で開けられるので気が向くとここに出て歩きまわっています。ハヤはいつも決まった路を小走り。クウは金魚の棲む睡蓮鉢から水を飲むのが好き。鼠はここのところ姿を見せません。
あけましておめでとうございます。
元旦の[doghouse]。珍しくロフトからのショットです。
右に写っているのは、およそ20年前に買い求めて最近はお蔵入りしていたちょっと不思議な墨絵。イスラエルからやってきた
イラン・ヤニツキーさんの作品です。筆でしたためられた英文が味のある模様になっています。
workshopで京都寺町に設計した
[市場小路]のためにも墨絵を描いてもらって大受けだったことを思い出します。飲食空間に私が選んだ音楽はブルガリアン・ヴォイス。これも大受け。その当時はほとんど誰も知らなかった意表をついた選曲だっただけに面目躍如でした。家具、調度品、絵、音、食事、香り・・・空間を構成する要素のすべてをトータルにデザインすることの面白さを体験しました。
いい年になりますように。