独り暮らしをしている母とたまに飲む酒はいつもこのグラス。このタイルのカウンターで飲むのが好き。もう何十年も前に初めて設計した住宅なのだけれど、作って飲む空間としてよくできています。ここは天井が前面ガラスになった限りなく外に近い空間。ハロゲンのつくる影に不思議な柔らかさがあるのは薄暮の自然光のおかげです。

国立の家の現場が終わって、やっと「
うなちゃん」。夜景の撮影が終わった7時過ぎ。ダメもとで寄ってみたら席が空いていました。通路スペースがほとんどないコの字カウンターは常連さんでいっぱい。私たちの席へは裏にあるトイレへの通路になっている犬走りからアクセス。大昔から変わりません。鰻はもう残り少なく、ちょっと飲んでいる間にどんどんとお愛想が続いて店仕舞いへ。あっという間のいい時間でした。いい店は客もいい。ご近所さんのようですが、決まってますよね。写真右上が新しくなった中央線ガード。おかげで風情ある国立駅舎は姿を消してしまいましたが、こちらはしぶとく残っています。前面道路は拡張延伸が計画決定していて車にとっては便利になるようですが、ここだけは時間が止まっていてくれるといいなあ。


長崎とのご縁のおかげで彼の地から枇杷たくさん。うれしい。
ヴィッラの枇杷も豊作だそう。この写真は
「武蔵」の大将のご自宅で採れたもの。おいしそうな写真になったので、思わずアップ。

コーイケルホンディエのマル。あっという間の1歳です。糸島で出会ったときはあんなに小さかったのがこんなに立派になりました。いろんな表情がありますがこれが一番しゃきっとしているかな。好奇心旺盛で少し怖がりで、家で飼われながら時々野性がこぼれ出てしまうところが面白い。この新しい家族のおかげで先住犬のハヤがずいぶん元気になり、人口密度が下がり気味の我が家も昔のように賑やかになっています。

建築は現場から。仕事の依頼や打診があると真っ先に敷地を見に行きます。まだ知らない街を歩くのは小さな旅のようでそれだけでも楽しみですがおいしいランチに遭遇したりすると言うことがありません。そんなことで出会った神楽坂の山形料理のお店「山塞」。山の中の砦、という意味だそうで、素朴な芋煮定食がいけました。山形の酒ばかりで夜もいけそう。Wikiで調べていたら僅かに綴りが異なる「山寨」に出会いました。こちらは中国でパクリのことだそう。こちらも砦に関係があるようです。おもしろいですね。


界隈のコミュニティ・バー
Calvetの臨時休業がもう2カ月以上続いています。朝の犬たちとの散歩のルートや駅からの帰り道を西寄りにずらして3日に2回は前を通っているのですがいつも変らぬ貼り紙があるだけ。どうしたのでしょう。ブラッククイーンやアッシパルマンティエは他所でもなんとかなるけれど、あの場所でのあの時間はあそこにしかありません。かなりさみしい。早い再開を祈るしかありません。

ラーメン断ちを解除したとは言え、際限なく食べていい歳でもないので、月に一食という枠を設けることにしました。たかだかラーメンですが、年12食を厳選するとなると気持ちが入ります。5月はパーコー、で6月は気になりながら流していた船橋ソースラーメンを選びました。「大輦」だいれん、珍しい漢字です。初めてのラーメン屋では一番シンプルなメニューから始めるのが王道ですが、制限枠に鑑み「ハムカツのせソースラーメン」。焼きそばをラーメンにというコンセプトははっきりとしていて、麺にはキャベツや挽肉が絡まり青のり紅生姜もトッピングされています。ソース味のスープは心配でしたがあの酸味は悪くありません。ソースのお湯割りになっていないのはしっかりした出汁のおかげ。周りが赤い薄いハムに厚い衣がついた懐かしいハムカツではなく、厚みのあるハムの揚げたてが乗っています。おもしろい体験でした。ハムかつと合わせて及第点。年に一度くらい無性に惹かれてしまいそうな気がします。
