新宿御苑の鳥。上の池の西の奥にはオシドリがいるのだが、肉眼ではよくわからない距離だ。鳥おじさんたちのカメラが狙っている方を望遠で覗いて姿を認めた。種の保全状況評価ではレッドリストの「情報不足」に認定されている。「オシドリ夫婦」と言われるようにつがいの仲はいいけれどパートナーは冬ごとに変わるそうだ。
新宿御苑の鳥。すっかり葉を落としたプラタナス並木からかわいい鳴き声が聞こえるので目を凝らしたら鵯よりも小ぶりな雀とは違う鳥がいる。コンデジの超望遠で捉えて拡大したらシジュウカラ。なぜ四十雀と名が付いたのかは少しググったけれどもわからない。雀という字は小鳥を意味していて、「カラ」は同胞すなわち仲間のことだそう。同じスズメ目に五十雀もいる。
冬の新宿御苑には思った以上に花が咲いている。梅、蝋梅、寒桜。モノトーンに近いランドスケープの中の鮮やかな色彩が映える。寒桜を取り囲んでいる人の群れに加わって目が慣れてくるとメジロが花芯に嘴を差し入れている様が見え始める。優に10羽はいる。時の経つのを忘れてシャッターを切った。
新宿御苑に建設残土をまさに山のように積んで高さ100mを超える山状住宅をつくる卒制には参った。学生の自由な発想を実現性の低さを理由に潰す気は無いし、コンテクストだけが大切なのでは無いかもしれないが、限度というものがある。だからこの案は無視することにして一言も語らなかった。少なからぬ同僚が票を投じていた。彼の構想ではこの写真の場ももちろん残土の巨山に埋められてしまう。
冬の新宿御苑もいい。空気が澄んでいる。人が少ない。枝に留まる鳥たちがよく見える。影の輪郭が淡いのは冬だからというのは勘違いだろうか。
蛇崩緑道には鵯の樹もあった。灰色の小紋を纏い頬に褐色の紅を差した淑女の大きな鳴き声はその姿に似合わない。ヒーヨヒーヨと聞こえなくもないからヒヨドリなのかな。飛ぶ姿を捉えるのは手持ちカメラでは至難なのだが適当にシャッターを切っているうちにたまたま羽根を拡げた瞬間が写った。まさに下手な鉄砲だ。
蛇崩緑道の終点に近い処には鳥たちのために果物を用意している家があって今回はメジロに出会った。人に比較的慣れているせいか大きな動きをしなければかわいい表情をゆっくり見せてくれる。メジロとは分かり易い名前だが羽色がウグイス色なのは紛らわしい。ウグイスは鳴き声は我が家の近くでも聞こえるのだが姿を眼にしたことは一度もない。