ゲーリー展

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立体アートを巨大化したものが建築だと考えている建築家は私は嫌い。アートの内部空間を体験できるのは刺激的かもしれないけれど、その建築を取り巻く都市や自然や文化とのあいだに生ずる不快な軋轢を考えると、建築としては評価できない。床の間に飾れるくらいの大きさの模型にして好事家の資産の一部になるのなら誰にも迷惑がかからないが、経済原則最優先の資本家たちにアイコンとして巧みに利用されて実物大が現実の街に出現するのだから始末に悪い。奇態な外皮の内部が仮に見事に設計された空間であるとしても私は許容できない。そんなに嫌いなゲーリー展に足を運ぶ気になったのは、過日のザハ展で受けた心地よい衝撃のせいかもしれない。成果よりも過程に焦点を置いた展示の内容は見事。展示会の目的は営業と割り切る潔さも見事。模型以外にもさまざまな小技を使い、「ベルニーニとミケランジェロのfoldsの違い」でかっこつけてみたり(ただし、ベルニーニを持ち出すのは昔から猫だましの常套手段)、千両役者ではあります。コンピューターを駆使した設計手法の優位性を高らかに謳い上げるプロモーション・ビデオは圧巻。これが一番の成果でした。あの物理的に不合理な形態に予算的な無駄がないと言い切る勢いはすごい。結局は建築はこういう方向に流れて行くのでしょうか。熱くなりかけていた胸を冷たい風が吹き抜けて行きました。たいへん勉強になったし、行ってよかった。が、ゲーリー作品の評価は微塵も上がりません。写真はalessi社のケトル\74,520。これなら許せる(笑)。

ふるさとの雨

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ふと見たテレビにある女性アイドルのデビュー前のオーディションの映像が写っていて、歌っているのがなんと南沙織の隠れた名曲「ふるさとの雨」なのでした。ある種の感動。南沙織の1971年のデビューアルバムに収められた1曲。作曲はもちろん筒美京平。写真は日曜日に行ったフォスター展の会場から望遠で捉えた富士山。心優しく懐かしい気持ちが同じ、かな。

長崎の雪

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photo by T.Y.

東京の降雪予報は大外れで助かりましたが、沖縄にまで雪。[長崎のヴィッラ]にも雪が積もって真っ白。雪の舞う中をイルミネーションを輝かせてゆっくりと出航する客船“コスタ・セレーナ号”(11万4千トン)の幻想的な姿を眺めながら雪見酒を楽しむことができたそうです。いいなあ。

雪と自転車

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富士吉田の雪はそこそこに深くてこうして埋もれている自転車も。

鳥の首

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スマホではなくカメラを手にしていると鳥が面白い。屋根から首を伸ばしたこのコは富士吉田のうどんの後の一瞬の出会い。

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仲間飛び散る後に独り凛として佇む鳩の矜持

冬陽

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冬の陽射しを温かくする小さき人の拙き歩み

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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