最初の予報は3月22日開花で4月1日満開だった。おそろしく早めの開花宣言をしたものの花見頃はずるずると遅れてTriplicateの発売日になった。3連doglogもそろそろおしまいかな。ソメイヨシノの方は今朝の八雲はまだこんなもの。これから土曜にかけて寒くなるとの予報。日曜日の花見はどうだろう。
洗足池には早めに行ったけれどカワセミには会えず。桜山花見の準備は万端のようですが桜はまだまだ。写真は呑川緑道の一分咲き。
27日朝の新宿中央公園。一部開花が始まっているものの全体としてはまだまだ。
水戸の千波湖には白鳥と黒鳥がいた。黒鳥はかなり狂暴らしく人を襲うこともあるということ。この日も白鳥を威嚇して追い払っていた。「黒い白鳥」が17世紀末にオーストラリアで発見されるまで「あり得ないもの」の代名詞だったのだそう。起こるはずがないと思っていたことが起こると代償は大きい、というのがブラック・スワン理論。3・11がそうだ。
コクチョウ黒鳥Cygnus atratusカモ目カモ科ハクチョウ属。英名black swan。
鳥の知り合いがどんどん増えている。鳥そのものが増えているとは思えないからこちらの懐が深くなって判るようになったということだろう。20年くらい前に高校同期が脳外科クリニックを開業した時に「脳は四十から」とあいさつをくれた。もう遥かに時間が過ぎているから気を付けなくては。
シジュウカラ四十雀Parus minorスズメ目シジュウカラ科。英名Japanese tit。
鳥はそもそも哺乳類から見ると随分と変わった形態をしているのだかなかでも鷺の立ち姿は独特だ。車窓の田畑に白い姿が点在していると里の風情がひろがり始める。アニメの「銀河鉄道の夜」の暗い画面に散る鷺もいい。そう言えば「鷺捕りのおじさん」は元気かなあ。
コサギ小鷺コウノトリ目サギ科。英名little egret。
photo lower left by ay.
18きっぷは5枚構成なので短い有効期間に1人で使い切るのは難儀だが同行がいれば簡単。水戸の残りは翌日の勝沼行きに充てた。中央線には各停のグリーンがない代わりに
「ホリデー快速ビューやまなし」がある。この全車2階建て車両は旅ごころ満載で固定ボックス席なので4人組には最適だ。特急料金なしなので18きっぷと組み合わせると超お得な鉄道旅になる。今回の主眼は建築がきらいと大泣きをしたまま卒業してしまいそうな学生に刺激を埋め込んで送り出すこと。で2010年に竣工した[シャトー・メルシャン]勝沼ワイナリーへの小旅行となった。ただ建築でワインではなく設計した建築を見守り続ける建築家の姿勢を体感させることもある。雲一つなく晴れ渡った勝沼がルンルンと迎えてくれて楽しい一日になった。使われ方は想定の枠をはみ出しながらも成長している。商業施設としてはほぼ定着したと言っていいだろう。左下のバーカウンターの写真は別の学生の撮影。狙いを理解したいい写真だ。件の学生に埋め込まれたタイマーはきっといつか作動する。
恒例の青春18きっぷで水戸偕楽園へ。録画してあったブラタモリに素直に反応してしまった。2年前の1月にやはり18きっぷで
常磐線を北へ走ってフクイチ近くの「現終点」竜田まで日帰りした時に水戸駅の手前で偕楽園の脇を通って鷺が梅林を歩いているのを見て興味は持っていた。臨時停車駅の偕楽園で降りて、ブラタモリで習ったとおり、反対側の表門から入った。確かに薄暗い竹林を抜けてふっと開けたところに優雅な梅の園という流れはいい。鵯、鶫、百舌もそこらじゅうにいる。3層の好文亭に上がると梅林が点描画になっていてその向こうには千波湖も見える。ふらりと来てライトアップも体験できたのは運が良かった。花そのものの美しさは暮れなずむころの灯が一番かもしれない。夜になると偕楽園には列車が止まらないので水戸駅に回った。2年前のとは大違いの楽しい旅だが北のその先の状況はほとんど進展していないのだろう。その状況を知る手段さえ朧げな時世だ。3月11日の朝刊トップは朝日新聞も含めみな「南スーダン撤退」でフクイチは東京新聞だけだったようだ。
新宿御苑で鳥や花を見て何時間も楽しめるのだから思っているより歳をとっているのに違いない。いや犬が日常から消えてしまったからそのあたりの気持ちの先が変わっただけのことかもしれない。御苑には犬は入れないからなおさら鳥に敏感になって常緑樹の枝に潜んでいた小さなモズまで目にとまった。一度富士吉田で見たことがあるがかなり珍しい。見かけは可愛いが獰猛なのだそうだ。そう言えば獲物を枝などに串刺しにする「はやにえ(早贄)」の習性があると習ったことがある。興味深い。この日はツグミもカメラにおさめた。バックシャンだ。
モズ百舌、鵙Lanius bucephalusスズメ目モズ科。英名bull-headed shrike。
ゴイサギの近くには超望遠レンズを持った鳥おじさんたちがいて遠く対岸を狙っている。オシドリ一家がいると教えてくれたけれど遠すぎて肉眼ではよくわからない。コンデジのファインダーでなんとか確認することはできたけれど遠すぎて写真もおぼろげだ。「洗足池公園で確認された野鳥」一覧にもオシドリの名があるけれど「極稀」とある。サクラ目当てで来たけれど珍鳥二連発で気分は春。
オシドリ鴛鴦Aix galericulataカモ目カモ科。英名mandarin duck。
最近は新宿御苑が好きだ。去年と一昨年は大学の設計演習の敷地を御苑の周縁部に設定したので学生たちとも公園もその周りも何度も訪ねた。私にとって最初はただの広い公園だったのが最近では樹木、植物、花、風景、鳥など興味の対象あふれる豊かな空間になっている。オオカンザクラが満開だと聞いて出かけた日曜日に先ず新宿門近くの池で足が止まった。なんとゴイサギがいたのだ。頭から背にかけての渋い青が美しい。しばらくすると後ろにもう1羽が飛来したが色も模様も違って少し地味だ。雌に違いないと思う間もなく望遠レンズを持った鳥おじさんが仔であることを教えてくれた。ありがたい、がまだ仲間にはならない。
ゴイサギ五位鷺Nycticorax nycticoraxペリカン目サギ科。英名night heron。
もう10年くらい前にメルシャンの勝沼ワイナリーの設計をすることになってそれまで知らなかった日本のワインの魅力に気がついた。その当時はワインバーなどでもまだ馴染は薄く置いてあったとしても価格はかなり高かったので外で国産ワインを開けることは稀だったように記憶している。暫くして「甲州」がワイン用ブドウとして国際的に認められたせいか国産ワインの市場認知度はどんどん高まり始めた。ワインというお酒の魅力の本質は地域性にあるというのが私の解釈で、食べ物は地の旬のものが一番だしそれに合わせる酒も地のものがいいとなるとワインなら地の葡萄品種が合うということになる。とはいえ赤だとマスカットベーリーAはいまいちでブラッククイーンとか甲斐ノワールとかの山葡萄系の今後に期待という状況なので、昔は赤ばかりだった私が白のKoshuを好んで飲むようになってきている。俗に大和撫子と言われるように香りは控えめで仕立て方によってさまざまな個性を垣間見せてくれる味わい深い葡萄だ。写真はメルシャンで記念にいただいた甘めに仕上がった年代物の甲州。明日は今年になって初めての勝沼行き。ワイナリー限定の甲州があったら持ち帰ろう。建築が育っていくさまを体感しに行くのはこの上ない楽しみだ。
スタジオから歩30秒ほどの距離にある方南通りは大江戸線の駅ができてから沿道が急な速度で変わり続けている。コンビニとファストフード店がほぼ出そろい東急ステイができAPAホテルが建設中で、すでに地域性はほとんどない。横断歩道が青に変わるまで90秒もかかる自動車のためのまっすぐな道は人も自転車も忙しそうで味気ないが一歩裏側の街へ入ると路は狭く曲がりくねっていて雰囲気はローカルだ。そんな危うげな界隈にlunetteという小さなワインの店を見つけたのはラッキーだった。ビールはHeartlandでワインは自然派。フランス、イタリア、日本、スペインなどの小さな若いワイナリーのワインはからだに優しい感じ。日替わりの数種類をグラスで飲みかえていく楽しみ方もさることながら名前もエチケットものびのびと自由な若いワインとの出会いは新鮮だった。このエチケットは大阪の島之内醸造所のCafune。ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと優しく指を通す仕草」を意味しているのだそう。ラテン語由来の愛あふれることばを見つけてくるセンスが楽しい。岩手産ナイアガラ100%を大阪で醸造。ランチタイムに壜を見ただけなので中身も飲んでみたい。醸造所のある島之内は偶然私が65年前に生まれた処だ。
lunetteのインスタに載っていたエチケットがあまりにも気に入ったので空壜をもらってきた。「犬と狼の間」という名前もいいなあとワインの素性を調べるためにググってみたらワインより先に「qfwfqの水に流して Una pietra sopra」という文学ブログに行き当たった。entre chien et loupは黄昏時を表すフランス語の慣用表現だそう。おもしろいなあ。ブログに引用されていたローザスコットによる「慣れ親しんでいて心地よいものとよくわからなくて危険なものとの境目」という解釈が絶妙。フランス語ならではのセンスなのかもしれない。そう言えば
la chouetteというのもあったなあ。生き物への愛着が深いのかも。そんなに含みのある名前だったのかと飲んでみたくなった。アルザス産でオーセロワ100%珍しい葡萄だ。ちなみにqfwfqは現代イタリアの作家イタロ・カルヴィーノの小説に登場する語り部だそう。そのqfwfq子は「黄昏時というよりも「逢魔が時」といった感覚により近いだろうか」と言っている。何やら奥は深い。
正月の京都旅行では桂川、鴨川に鵜がたくさんいたけれど東京で出会ったのはこの洗足池が初めてかな。左にいる1羽を発見して撮っているうちにいつのまにか右側に連れが現れた。飛んできた気配はないし濡れているようだから暫く水面下にいたのに違いない。鳥は思った以上に長時間潜水できることはわかっている。大空を飛べるし水の中も飛べるし、鳥はいいなあ。しかもいつも番いだ。
カワウPhalacrocorax carboカツオドリ目ウ科。英名great cormorant。
洗足池のボートハウスの野鳥写真展で「洗足池公園で確認された野鳥」一覧をいただいた。なんと94種類も載っている(もっともそのうち41種の備考には「稀」「極稀」とある)。そのうち私が確認した、と言えるのはアオサギ、オナガ、カワセミ、キジバト、キンクロハジロ、ゴイサギ、シジュウカラ、シロハラ、スズメ、ツグミ、ドバト、トビ、ハクセキレイ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヒヨドリ、マガモ、ムクドリ、メジロ、モズ、ユリカモメ、ワカケホンセイインコ、カワウ、カルガモ。鳥の世界もまだまだ奥が深いということ。この中で一番最近同定できたのがシロハラ。写真は清澄庭園の西に隣接する清澄公園。
シロハラTurdus pallidusスズメ目ツグミ科。英名pale thrush。
近くに集合住宅の現場がある洗足池で週一の定例の前に鳥とのひとときを楽しんでいる。この日はどんよりと曇っていて多くは期待せず20分程度の言わば表敬訪問。早めに現場事務所に行こうかなと戻りかけたところでベンチのおじさんに「いるよ」と声をかけられた。噂には聞いて心待ちしていたカワセミ翡翠。鮮やかに目立つのだがかなり小さいし飛ぶ時以外は鳴かないので教えてもらわなければ通り過ぎていただろう。おじさん、ありがとう。公園のベンチにはいつまでも暇そうなおじさんがたくさんいて中には望遠レンズ付き一眼レフもいる。何故か女性がほとんどいないのには理由があるのだろう。そういう身の上になることもあり得なくはないのだなあと、しみじみ。こんなにうまく引き寄せられたのはHX90Vのおかげ。出会いは
2014年の光が丘公園、
2015年の長崎眼鏡橋界隈以来3度目。
カワセミAlcedo atthisブッポウソウ目カワセミ科。英名kingfisher。
最近なにかと縁があるアルテック、阿部さんは祐天寺に室伏さんは都立大学にスタジオがある。その室伏さんが設計したイタリアンが都立大学駅前にあるのを知って訪ねてみた。さすが大人の設計。肩の力を抜いた目立ち過ぎない空間に「ワイヤコンベヤーベルト」がカーテンとしてセットされていて必要に応じて空間を仕切り分ける仕掛け。巧い。写真は建築素材に焦点を合わせて敢えて部分を切り取っているから全体の雰囲気からはかけ離れていて店は居心地がいい。料理もおいしかった。思ったより豊かな街。
都立大学駅から2分くらいのところに昭和レトロ空間 「名店会館」がある。線路脇の道に面した間口の広い2階建ての両端に急な直階段があって中廊下でつながっている。廊下の両側にスナック、バー、カラオケ、飲み屋など「日常」が並び、トイレは共同。「司」のためにここに初めて足を踏み入れたわけだけれど小耳に挟んだことのあった噂の「ぱん工房 寛」もここにあった。たいへんな拘りのパン屋さんで、できたての食パンを早朝宅配してくれるという。日常に紛れた確かな拘り。都立大学も奥が深い。
洗足池の現場からの帰りは土曜なら呑川緑道を戻り時が合えば都立大学駅前の「鳥はる」で昼。しょうが焼定食が生卵付きで\500はうれしい。あろうことかこの店の斜め前にはまったく同じ名前の店が去年まであった。外見は「赤提灯」なのに出てくるものは高級割烹料理という不思議な味わい深い店だった。食材への深い愛着を2度体験させてもらって余裕があればたまにはと楽しみにしていたのに残念。残ったほうの「鳥はる」もまったく違った意味で味わい深い。こういう店は街の財産。永続きしますように。
末光弘和・陽子さんの「木場の集合住宅 光風舎」は恣意的なように見える形態が光と風から導き出されているという興味深い建築。見学させていただいてよかった。はずれた時のために用意してあった近くの清澄庭園も鳥で溢れていて大当たり。閉園間際まで楽しんでキンクロハジロを美しい絵にすることができました。各々の立ち位置とそれぞれの距離、読み切れない水面。夕暮れの光はしみじみとして3者のドラマまで見えてくるようだなあ。
photo bobdylan.com
3月末にでるDylanの新作Triplicateは彼にとって初めての3枚組。一枚ごとにテーマがあって['Til the Sun Goes Down] [Devil Dolls] [Comin' Home Late]とタイトルがつけられている。それぞれ10曲で収録時間は30分くらいだろうからLPとしてはいいかもしいれないがCD3枚組としては物足りないような気がする。早く聴きたいなあ。ブログを3日毎に趣きを変えて出会いに備えているのだが月末まで続けられるかなあ。I Could Have Told You、My One and Only Loveに続く3曲目がそろそろ公開されるはずだ。
健康管理のために休肝日記録をエクセルに入力し始めてもう23年になる。曜日、連続日数が月毎に記録されたデータベースを基にさまざまな統計値が一覧できるようになっている。これのおかげで飲まないことに張り合いを生む仕組みなのだ。子供たちの誕生会のために[bigdog house]を少しは片付けようとして3日続けて飲まなかったのだがこれは検査のための禁酒を別にするとなんと13か月ぶり。3日連続は23年間で69回あるのに比べると最近は少なくなっているというだけのことだ。ある種の犬知恵かな。写真は誕生会の花3種。
新宿御苑前駅近くの「上海ヌーベルシノア」で出会ったのが上海田鰻。同じく舶来の茭白(マコモ)と炒めてあります。日本人シェフのヌーベルが完全に中華を跳び越えてしまいがちなのに対してここのはしっかり中華ヌーベル。伝統と食材の力なのかな。
お膝下の都立大学駅前にありながら永らく見落としていたのが「司」。近いとは言えない[二軒家アパートメンツ]の大家さんに誘われて初体験。鮟鱇鍋も素晴らしかったけれど鮟鱇昆布〆が衝撃的。これは未体験だったなあ。
洗足池の現場の最寄り駅の池上線石川台駅前に見つけた街の中華で出会った不思議な餃子が燕餃(イェンジャオ)。豚肉を薄く伸ばした皮に包まれていてwikiによれば台湾料理だとのこと。いわゆる餃子とは別物だが紹興酒にはむしろこちらの方がぴったり。それにしてもなぜ「燕」なのだろう。
結局はアルコールの摂取量が一番大きな要因であるのは自明なので休肝日率水準を上げることにする。過去1年の休肝日率の推移は98年の.118が最低、03年の.375が最高でここ何年かは.250前後が続いている。3割を目標にして毎月2桁の休肝日を達成するのがとりあえずの目標かな。ストレスになったら元も子もないから楽しくトライしてみよう。先週高校同級5人組で飲んで一昨日は別の3人組と学芸大学の「件」。別の同期から教わった居酒屋だが酒も料理もおいしかった。写真は看板料理のおでん。出汁が関西風で絶妙。50年来の友とこうして飲めるのは幸せだ。
[サラダデリmargo]の「ベジタリアン・スタイルサラダ」\850が優れたランチであることがわかってきた。大量のサニーレタス、ロメインレタスにワイルドライス、ひよこ豆、ミックスビーンズ、紫キャベツ、ミニトマト、ルッコラ、ニンジン、きゅうり、大根、水菜、アボカド、グリーンカールがのっていて食べごたえがある上に食後に眠気が襲ってこない。ドレッシングが9種類もあるからいろいろトライしてみよう。お店自体もやっと軌道に乗っていつも満席に近いし最近3店目もオープンした。写真は野菜系のトッピングを4種のせたオリジナル\800。こちらはコスパがよくない。
寒くて暗い2月が終わっていよいよ春なのだが、ここのところ数年ずっとはいているlevi’s501の31インチが洗い立てだとボタンをとめるのに手間取るようになってきたので、「ラーメン条例」を「外食条例」に改めてカレー類とカツ類を規制項目に加えることにして3月1日から施行した。月あたりラーメンは変わらず1食まで、カレー類とカツ類はそれぞれ2食まででカツカレーのように重複しているものはそれぞれにカウントされる。スープを伴わないカレー類は対象外とする。旅先では適用されない。友好的な人間関係を損なう怖れがある時は適用されない。こんな無粋な話題に合わせる写真はないから春らしく桜に鵯。
池の端の静寂の音のない諍いは瞬きのように跡もなく我は歳を味わう