テレビや新聞で報道されたので記憶されている方もいらっしゃると思いますが、今年5月の三鷹のコントラバス盗難事件。実は[doghouse]のお隣で起こったこと。モノがモノだけに、かなりのプロの計画的犯行と推察され、解決は難しいだろうと思われていたのですが、なんと無事に発見され、日曜の夜に祝杯。よかった。
写真は息子の北アルプス縦走からの一枚。下界で撮れる絵とは違うな。
photo by Moto Kinoshita
勝沼へ出かける途中、いくつかの駅を体験してみました。藤野。駅のベンチに座っていると、脇を走る中央高速からの通奏低音が気になってしまいます。プラットフォームからのショット。その高速の遮音壁のアート。向かいの山に置かれた異物。いかがなものでしょう。
昼間一仕事の後、火照る街をすり抜けて、神宮野球場へ。ゆっくりと暮れて行く夜空の下では、暑さは感じられません。ビールがおいしかった。虎、19歳の新人秋山が初勝利で首位返り咲き。でも、明日は誰が投げるのだろう?
勝沼「ワイン・ギャラリー」の向こうにはブドウ畑がひろがります。テラスも共用の椅子にはベルトイヤを選びました。
勝沼シャトー・メルシャンの竣工式。朝早いので前の晩に甲府に入って盛大に打ち上げ。予め用意した竣工写真を初めてアップします。
photo by Isao Imbe
中央線笹子駅。ここにも昔スイッチバックがありました。その名残かどうかは分かりませんが、もう使われなくなった転轍機。何らかの役割はあるようです。颯爽とホームに滑り込んで来ている車両はE115系の普通列車。この配色とは別の水色のも同じ路線を走っていますが、ずっとこちらのほうが好きです。色は路線ごとに揃えてほしいな。
なお暑さがおさまりません。先週の勝沼行きから、目に涼しい写真を一枚。日川に架かる吊り橋から撮りました。
勝沼、ブドウ畑にも神様。収穫の時期は間近の様子でした。酷暑もほどほど。下りということもあり、気持ちよく足が進みました。
勝沼に大切な方をご案内。気持ちを引き締めるためにも駅から歩きました。ブドウ畑の町の中で時々見かける妙にかっこいい車がたわわに稔ったブドウ棚の下で休んでいるところをパチリ。椅子・テーブルの配置などもひととおりチェックしてお迎えしました。ご案内後ワイン・ギャラリーでの初めての乾杯。「いい仕事をしたね」の一言に肩の荷がやっと下ろせました。感激。
勝沼も猛暑でした。例年とは違い、朝晩の気温が下がりきらないので、ブドウの糖度が今一つ上がっていないのだそうです。ふと動き出したスプリンクラーの飛沫が、気持ちを涼しくしてくれました。暖められ過ぎた大地も耐えきれず、この後激しい夕立。少しはブドウを喜ばせてくれたのかな。開業への準備がゆっくりと進んでいました。
思い出したように桂に戻ります。初対面の桂離宮書院は凛としていました。ちらっとしか見られなかったのはほんとうに残念。
いつも人と一緒が好きなハヤ。置いていかれることにはきわめて敏感で、事態をすぐに察知します。その動揺が全身に、そして影にも、漂っています。
思い立って猛暑の横浜へ。夕闇せまる山下公園界隈を散策。象の鼻カフェに足が止まりました。およそ三十年前の丸ごとレタスサラダがまだ記憶に新鮮なグランドホテルの建物は残っていました。思い出の場所で娘も一緒にディナー。思い出の街。もっとゆっくり行ってみてもいいな。
長崎への旅¶高野屋の鱲、三栄製麺の細麺といった正統派のほかに、こんなモノを発見。飲むカステラだそう。2人の子供用に買ったのですがあまり人気がないようなので1本飲んでみましたが、ちょっと甘めのサイダーということで、それ以上のものではありません。
世間はお盆、スタッフは夏休み、勝沼「ワイン・ギャラリー」もオープン前の夏休み。三年越しの「集まって住む」原稿も頑張って仕上げてしまったし、エスキスは家でもできるし、久しぶりのお休みをとりました。
息子は三週間の縦走。妻と娘は買物。老犬はぐったりしているし、仔犬は散歩に出てもすぐに「帰る」。いきなりジョイスでは重いのでルイス・トマスという生物学者のエッセイ「The Lives of a Cell」を開いてみたり。久しぶりにゆっくり見る中庭にブルーベリーとオリーブの実。長崎土産のほぐし鱲をフェデリーニに和えてランチ。イタリア産のボッタルガ・パウダーよりつぶつぶ感が強く、いけます。冷えた白がよくあいました。
暇にまかせて活字を読み漁りました。日経夕刊の「あすへの話題」の元企業戦士の夏休みに苦笑。仔犬を傍らに侍らせて、のんびりいい一日だったのかな。首位に返り咲いた虎も夏休み。
暑いけれどみんな元気。犬は内、猫は外。ブルーベリーが豊作です。
桂離宮書院。近寄り難い建築であると、ずっと距離を置いていたのですが、もっと早く経験してみるべきでした。モノクロームに焼きとられた、作品としての写真よりも、天然色の実物に存在感があります。しかし内部は非公開ですし、立ち止まってゆっくり見る機会はなく、あっという間に通り過ぎてしまった印象。これはもう一度足を運ぶしかないな。先導役人、修学院が新米の好青年だったのに対し桂は慇懃な手練おやじ。一抹の不快感が残りました。写真非公開と釘をさされてしまったので、入る前と出た後の2点にとどめます。
長崎への旅¶爆心地は静かでした。原爆落下中心碑と浦上天主堂遺構を望遠で切り取りました。下村脩さんの「私の履歴書」に、観測機器をつけた落下傘が原爆の直前に投下されていた話が載っていました。「実験」でもあったわけです。
丹波篠山は河合雅雄さんの「少年動物誌」を映画化した「森の学校」の舞台でもあります。お気に入りのこの映画もあって篠山への思慕を募らせていただけに、鹿や猪が出没する森、登り窯、古民家などを舞台に左官職人・久住章さんの華麗な鏝さばき、という固定概念ができあがってしまっていました。ところが達人の頭の中は、左官の原点としての「土」だけ。素朴な土積みの灰屋を何点も見て回わって、こちらの頭もようやく「土」に切り替わりました。筍、黒豆、ぼたん、蕎麦などで形づくられていた昼食のイメージもご案内いただいた「アッちゃん食堂」でこなごな。地野菜の小皿ではなくカツやカレーやうどんが定食になったどこにでもある定食屋さん。同行の猫おじさんはカレーライスに生卵を二つ落とし、私はうどん定食。きざみよりずっと幅広の揚げにとろろ昆布の入った出汁は納得でした。圧巻は久住さんのご自宅。地面に合わせて傾斜する床には淡路瓦がでこぼこに敷き詰められ、建築を構成するすべての壁面は湾曲していて、やはり土塗り。想像していた左官の粋を凝らした数寄屋とは遠い世界でした。これはこれで貴重な体験。残念ながら写真は非公開です。京都・白河院まで戻ってのスライド・レクチュアには、ペルー、ジェンネ、トゥンブクトゥーまで登場し、圧倒的な「土の学校」を締めくくりました。
丹波篠山、京都の旅。一日目は左官の久住さんのご案内で篠山に残る「土積み」を見て回りました。
長崎での一夜の宴卓から切り取った1枚。和でもなく、唐でもなく、長崎、と感じました。
勝沼「ワイン・ギャラリー」。7月31日にアップした写真よりは幾分「現実」に近い写真。歴史が刻まれた石碑や銅像や門柱や土地などと折り合いをつけながら、新しい時間の層を加えました。
夕景の撮影は秒単位。瞬く間に夜の帳が降りきってしまいます。勝沼の夜はしっかり暗いから、ワイン・ギャラリーの夜の灯りも控えめ。建物の灯りをすべて消すと白い列柱群が夕闇に浮かびあがります。
クウはこのところフクのソファがお気に入り。おとなしいフクは、食べ物のこと以外では、文句を言いません。
港の入口に架かる女神大橋での夕暮れ。暑かった一日の終わりの海風が涼しい。長崎は暑いとみんな言うけれども、今の東京の重い暑さとは違うと思いました。