高尾山。人気が高いことは承知していましたが、ここまでは想定外でした。評判の悪い舗装された路は下りで歩きました。リズムのない急な勾配は確かに脚に相当な不快感を感じました。星の数を真に受けた外人旅行者はかわいそうだな。われわれが小仏から入ったのは正解でした。ただの高尾山往復であったならば、かなり後味が悪かったことでしょう。気配りの行きとどいた賢人に感謝。高尾神社の下あたりが紅葉のまっさかりでした。
いよいよ今週[laatikko] の「建もの探訪」放映です。テレビ朝日。な、なんと12月4日金曜朝の5時。CSやBSでは下記のような穏やかな時刻も設定されています。テレビにどのように捉えられているか楽しみです。 12月4日テレビ朝日:金曜0500
12月11日CS朝日NS:金曜2300
12月19日BS朝日:土曜1730
12月20日BS朝日:日曜1230
高尾へトレッキング。小仏から小仏峠に登り高尾山を横切りました。尾根伝いの路を行き、暗い針葉樹林を抜けて視界が急に開けたあたりの西方の眺めです。秋の色に染まった広葉樹のあいだを進んでいくうちに人が増え始め、高尾山頂ではあまりの人出に圧倒されました。下山後にとろろ蕎麦で酒宴。家に戻ると息子の同級生たち十余人の世を徹した宴が始まり、参加するのはいかがなものかと、個室に籠り、猫を傍らに、余韻を楽しみながら音楽三昧となりました。いい一日でした。
勝沼は快晴。陽が傾き始めた盆地にはうっすらと靄がかかって、幻想的な景色がひろがっていました。収穫はすっかり終わり、ブドウ畑は秋の色。ブドウの葉の色づき方がいろいろなのが面白いですね。
Bob Link に載っていた2010年3月の日本公演未確定情報が一昨日から姿を消しました。また噂に終わってしまうのかなぁ。
ソウル2004年冬¶ 初めての韓国でした。よく晴れてぴしっと冷えた宗廟の清々しい朝。空気は日本と違わないと思いました。「漢城」は中国語表記のソウル、「京城」はいわば和名。ただし現在は「首爾」に代わっているのだそうです。
日経の「うたの動物記」は蟹。中国では蟹を「横行君子」とも呼ぶことを教わりました。蟹は苦手な知り合いの食いしん坊が唯一の例外としている蟹を食べに、荒木町にでかけました。路地がたくさん。いい街ですね。
お隣の斎藤輝彦さんがサンジョヴェーゼとパルミジャーノを持って遊びに来てくれました。私の4まわり下の卯年の娘さんも一緒だったので、ちょっと退屈気味だったハヤが狂喜。私たちはひとしきり飲んだ後、3種類の
Rubber Soul をけっこうな音量で聴き比べるなどして楽しく夜が更けて行きました。Beatlesの歌唱のハーモニーの素晴らしさがもっともよく出ているのはモノラル・ミックスでした。写真は
[doghouse] の前に咲いている三色スミレ。背景の影の儚さが季節を表しています。
その斎藤輝彦さんのコントラバス演奏はYouTubeにもアップされています。ダニー・ボーイとしても知られるLondonderry Air。こういう馴染みの曲もいいのですが、彼の本領はボッテジーニにあると思います。ピアノ伴奏はいつもの
吉岡裕子 さんです。
2010年3月17日には斎藤輝彦さんのコントラバスリサイタルが三鷹市芸術文化センター「風のホール」で開催されます。演奏曲目は古典様式による6つの無伴奏コントラバス組曲(フリーバ)、モーツァルトの歌劇「魔笛」の主題と7つの変奏(ベートーベン)、ドニゼッティの歌劇「ルチア ディ ランメルモール」の幻想曲、メンデルスゾーン風グランデ・アレグロ、メロディア第2番(ボッテジーニ)、カンパネッラ(リスト)、タイースの瞑想曲(マスネ)、レントより遅く(ドビュスィー)他。お問い合わせはアットミュージック0422-41-2213へ。
寒かった一日が開けて穏やかな温かい秋の一日。家の中の陽だまりでネコやイヌたちを侍らせて、お気に入りの音楽を聴きながら、ずっとノートパソコンに向かっていました。はかどったけれども、課題が多過ぎます。音はヴィオラ・ダモーレというバロック時代の弦楽器の演奏による”D’Amore”が一番はまっていたかな。Garth Knoxの演奏でManfred Eicherのプロデュース。17世紀前後の曲のほかに自作曲とケルトの伝承曲がバランスよく配置されています。写真は陽だまりでまだらになっているクウ。気持ちよさそう。
[doghouse] と三鷹駅のあいだに、昼間はいつも行列が出来ている文蔵というラーメン屋があって、ずっと気になっていました。行列というものは先ず疑ってかかれということを、そう短くはない人生が教えてくれているし、ラーメンは原則として卒業したつもりなので、おいそれと並ぶわけにもいかず困っていたのですが、ちょうどいい具合に間がとれたということもあって、思い切って列に加わってみました。営業開始時刻の12分前ですでに17番目。めげかけましたが、すぐ次に列に加わった二人組の女性と「どれくらいかかるんですか」「初めてなのでわかりません」をきっかけに暇つぶしの雑談が始まり、「三鷹市民会議でお見かけしませんでした?」と言われて、数年前に起草委員まで務めた市民活動にまで話がひろがりました。そのうちに前で本を読んでいた「常連」も話に加わり、エリアで十指に入るラーメンの先につけめんがあること、冬ならばつけめんの「熱もり」がお薦めであることなどを教わりました。三鷹に住んでいて良かったと感じてしまう、思わぬ楽しい時間になりました。結局並び始めて38分後に食べ終えたラーメン。いつもの行列が本物であるということが解る、確かなおいしさでした。特にスープが絶品です。繁盛店によくある奢りの気配がないところにも好感。また並びます。
新建築「住宅特集」の「近作を訪ねてみました」コラムの取材で
中山英之さん を[laatikko]にお迎えしました。ちょっと冷たく感じられる外観と裏腹に、中は見事に居心地よく使われていて、建築談義にも花が咲き、つい長居をしてしまいました。建築を楽しんで使いこなしてくれているご夫妻の様子に、あらためて家づくりを仕事にしていて良かったと思いました。往きは中野駅から「ブロードウェイ」のCD屋経由で路地を歩き、帰りは晩秋の澄み切った空の下、裏道を散策しながら事務所まで歩いて、最後は新宿駅まで歩いたので、結果として中野駅から新宿駅まで歩いたことになりました。爽快。
ディランの来日公演については、早速New Yorkにいるヘッケルさんからメールをいただき、SONYもUDOもまだ感知していないが実現するだろうとのことです。たいへんだ。
十二社。雨上がりの新宿中央公園。落ち葉が散りばめられた湿ったアスフアルトで身繕いをするゆとりの猫。「猫おじさん」より精悍だな。
ボブ・ディランのツア・ガイドとして定評のある
Bob Link が昨日、未確定ながら2010年3月の日本公演を予定表に掲載しました。今度は確かかも。
ソウル2004年冬¶ 朝の宗廟。李朝時代の歴代王と王妃などを祀った祀堂だそうです。方形の囲み庭には石畳とは違った趣で石が敷かれています。石貼りの強固な対称軸線の傍らにある正方形が、線対象を敢えて拒んで孤高を保っています。インドやヨーロッパであれば完璧な線対称となるでしょう。この幾何学は面白いと思いました。
スケッチをする同行の中の3人。カメラを手放せない私よりずっと確かな時間を過ごしていました。一番奥の人が
「百人町酒房」 のママです。
11月20日はフクの13歳の誕生日。おめでとう。大型犬のひと換算年齢は7n+5だそうなので96歳ということになります。よくここまで元気だったね。フクの縁が発端になって実現するはずだった住宅の仕事は残念ながらなくなってしまいましたが、仕事の面ではそのほかにもいろいろとお世話になってきました。ありがとう。頻尿はすっかりおさまっています。人の存在を忘れての「おっとっと食い」はしばしばです。散歩の足取りはしっかりしています。耳は遠いらしく、私が家に帰るとハヤが先ず大騒ぎをしてフクのところへ走り、それからソファからのそりと下りたフクと一緒にお迎えに駆け寄ってきます。これはうれしい。
秋空の写真のつづき。こちらは茜色のブルーベリー。雨に濡れて暗みを帯びた赤もまた風情がありますが、やっぱり陽の光は赤に輝きを与えます。
仔牛の敷物の上のハヤ。犬色のグラデーション、いい感じです。どうして紫でも緑でもなくこういった色なのでしょうか?前足がかわいいな。
冷たい雨がやっとあがって秋の気持ちのいい陽ざし。空には雲ひとつなく、暫しカメラをかまえて、中庭の植物を眺めていました。この清々しさを写真に捉えきるのはまだまだ難しいように思います。取るものも取りあえずジューンベリーと秋の空。
tokyo urban life に今年も参加します。私の出番は19日木曜日の銀座での講演会。「中庭、縁、坪庭:家に風を通す工夫」と題して[doghouse]や[laatikko]などの写真を見ていただきながら「住まい」に風が抜けることの大切さを語る予定です。参加費が\500になる招待券の用意がありますので、ご希望の方は ws@workshop-kino.com に「招待券希望」とタイトルをつけてメールをください。
大久保からコリアン・タウンを抜けた百人町に粋なお酒の空間ができあがりました。設計は
居住空間デザインコース 講師仲間の渡辺康さん。楽しいお披露目の宴の後の一コマです。
[吟品] の陳さんが台湾への里帰りで持ち帰った珍しいトマトです。「聖女小番茄」という名前。トマトは「番茄」なんですね。皮がカリッとしていて果肉は甘く、フルーツトマトを小さくしたような感じです。おいしい。
金曜日の「旅シリーズ」。今度は、お隣の国、韓国です。先ずはソウル、市場のはずれの食べ物屋。限りなく日本に近い感じです。
朝9時前、代々木。悪名高い開かずの踏切がやっと開いて吐き出された人の群れ。アジアですね。
ドバイからの写真が届きました。世界最大級の飛行機2機の珍しいツー・ショットです。Boeing 747LCF Dream LifterとAir Bus A380。dream lifter。いいネーミングです。かたちも愛嬌がありますが戦略爆撃機の親戚です。
photo by J.Nagano
面白い情報を発見しました。
[doghouse] 近くの井の頭自然文化園で「ヤマネコ祭」。いいフリップです。
こちら のブログに詳しい関連情報があります。
西新宿五丁目駅の上にある蟹の立体看板。めったにお目にかかれない中を見てしまいました。もう何年も近くで仕事をしていますが、ここの店は行ったことがありません。
西沢渓谷8月¶ 。千変万化と言っていい多種多様の水の流れが目を楽しませてくれました。透明の流れがふっと白くやわらかく尾を引いているところが好きです。歳とった脳も良くしたもので、水の音やにおいを思い出させてくれます。年内にもう一回、今度は高尾山に登ることになっています。
北参道の集合住宅オープンハウス。予想外に多くのお客様でした。灯りが入ると隠れ家の小路はいっそう趣を増します。入居希望の方にも好評なようです。うれしい。残りが少なくなっています。興味ある方は
こちら へ。
事務所の近傍、西新宿五丁目駅前にある「山珍居」は1947年開業の老舗台湾料理。私はこのお店では「ジュゲム」で通っています。夜ももちろんおいしいのですが、お気に入りは飲みすぎた次の日にいただく「粥」。パクチーがちょっと入って生姜がしっかり効いた、からだに優しい一品です。
ロンドン2009年春¶ ロンドンの締めはこれ。宿のDukesからケンジントンのZaikaへ歩いていく途中にRoyal Albert Hallがありました。Dylanの1966年のイギリス公演をおさめた伝説的ブートレッグのタイトルとしてしっかり脳に刻み込まれています。
渋谷区千駄ヶ谷に集合住宅が竣工します。写真はサブ・アプローチの細長い通路。亜鉛メッキした鉄のフラットバーを林立させることでサブ・アプローチの軸線を強調しています。突きあたりに隠れ家のようなバーが出きるといいのですが。
フラットバーはパティオの上に架かるブリッジの手摺でもあります。狭いわりに街を感じさせる複雑な空間構成になっています。
ハヤとクウのいつも微妙な個体間距離。トムとジェリーと言うほどでもないけれど必ずしも仲良しではありません。ひなたが気持ち良すぎてしっぽがくっついてしまっています。
お気に入りの子牛の敷物の上で馬の蹄に夢中のフク。これはさすがに齧り切るのに時間がかかりました。
いつも散歩で前を通る
simply french の秋の食材メニュー。ヒグマ(北海道)、花悠仔豚(千葉)、鳩(フランスヴァンデ)、フォアグラ(フランス)、鮮魚(函館、長崎)、メープルサーモン(福島田・・村)、ポルチーニ(フランス)。まもまくエゾ鹿入荷。本格的。ヒグマは食べたことないなあ。
食の好みについて他愛ない議論をするのは楽しいものです。いたって穏やかな性格であるにもかかわらず、食の好みに関しては一歩も譲らないような相手だとなおさら熱が入ります。そんな中に松茸はすき焼きに入れるのが一番であると主張して譲らない男がいて、私は同意しかねていましたが、そう言えば亡くなった父の松茸定番もすき焼きだったのです。私が子供のころの関西では牛肉も松茸も東京の今とくらべればずっと身近なものでしたから、この取り合わせもそう酔狂なものではなかったのかもしれません。小学校一年の時だったか、祖父母も一緒に六甲山の山荘に泊まった折りにいただいたすき焼きにも当然松茸が入っていました。その山荘のメザニンのある吹き抜けに、普段の空間とは違う昂揚感を味わったことと共にその取り合わせが深く記憶に残っています。そういった記憶の断片がいつもの四人組の酒の席でふいに鎌首をもたげ、そのままの勢いで何十年振りかの松茸すき焼きを囲むことになりました。お店でではなく
[二軒家アパートメント] のペントハウス吹き抜け空間。食材も築地と米沢から手分けして仕入れました。合わせる酒は赤ワインに限るとのことだったのですが、真に受けて外れた時の痛手の大きさを考慮して、淡麗な純米酒も用意しました。杞憂。常識とは違って、醤油味の牛肉や松茸に赤がしっくりはまって、ワインのほうを飲みきってしまいました。赤の本命はPlanet Waves 2003。美しいラベルです。アドリア海側マルケ州産のしっかりしたボディでBob Dylanのお気に入りだそうです。サインが印刷されています。Planet WavesはDylanとThe Bandの唯一のスタジオ録音盤のタイトルです。Robbie Robertsonの鳴きのギターも素晴らしい。
結論。すべてに納得。
お付き合いくださったみなさん、ありがとう。