勝沼は町中がブドウ畑です。特に裏道に入り込むとまわりはすべてブドウ畑。収穫が終わって色づいた葉と落ち葉だけが残ったブドウ棚に思わず眼がとまってしまいます。
一日中勝沼を歩き回ってきました。目的の一つは何度も通っていながら未だ見ていなかった勝沼の産業遺産。家を出る頃まで降り続いていた雨はすっかり上がって勝沼ぶどう郷駅に着いた時には青空になっていました。先ずは大日影トンネル遊歩道。1903年 に中央線初鹿野(1993年から甲斐大和)と塩山間に開通して以来100年近い使命を終え 、2007年に遊歩道として整備されたものです。1.4kmもの長さの真っ直ぐな空間をひたすら歩くのは不思議な感覚です。退避用に造られた壁の小さなくぼみを利用して竣工当時の写真が展示されています。1913年に勝沼駅(1993年に改称)ができる前の大日影信号に造られたスイッチバックの写真もありました。
トンネルを抜けると紅葉が始まった渓谷。鉄路は小さな橋梁を越えてワインカーヴとして再生されているその先のトンネルの入り口に続いていました。
重森三玲邸書院の表の庭です。古い形にとらわれない線や石の配置が面白いと思いました。
[春日町の家]リフォームでは昔懐かしい木製雨戸が登場。建具屋さんが戸締まりのための「猫」と「猿」の模型をつくってくれました。そう言えば子供の頃の我が家で見た記憶があります。下のほうが「猿落とし」、上はただ「猫」だそうです。建築の現場にはこのほかにもたくさんの動物がいます。
床暖房の季節になりました。犬も猫も大喜びです。ハヤとクウも日頃の諍いを棚に上げて、適度な個体間距離は保ちながら、自分の時間を過ごします。
久しぶりの雨。風も強かったようです。雨上がりの散歩で紅いオブジェを見つけました。
木枯らしも吹いて小雪も過ぎていよいよ秋も終りに近づいています。ジューンベリーもアロニエもブルーベリーもそれぞれの色に紅葉しています。来年はもっと実がなりますように。
[上高田の家]で上棟式。見事なコンクリートが打ち上がりました。コンクリート打設が危ぶまれるほどの難しい敷地環境のなかでのしっかりした平成建設さんの施工には頭が下がります。いい家になりそうです。2009年1月の竣工をめざしています。神事の後、クライアントご夫妻手作りのお料理でお酒をいただきました。飲みっぷりも見事でした。
幣串の右下の奉献酒に注目。最近惚れこんでいるシャトーメルシャン長野メルローを選びました。熨斗のデザインも自信作です。
[二軒家アパートメント]のペントハウスでオーナーも一緒にスライド会。仕事に追われて解禁できなかたボージョレ・ヌーヴォーも合わせて楽しみました。築地場外の鮪を炭火で炙っているところです。おいしいものがあふれた一夜でした。みなさんありがとう。
081114に登場した重森三玲邸書院の裏手に潜んだ坪庭です。円弧、斜めの線など垂直水平に軽く破調を与えるのが流儀のようです。簾が効いていました。
昨日留守中にハヤが脱走しました。中庭裏側の木戸が少し開いていたようです。運よくお隣の斎藤さんが捕獲してくださり、お向かいの小林さんに一時預かりをお願いして、事なきを得ました。隻眼ハヤ、やるな。
新しい住まいの設計2009年1月号に
[金沢文庫の家]が載っています。「家を建てるなら外を取り込むプランが大正解」特集の事例としてウッドデッキの中庭を中心に紹介されています。
訪れた11月15日は柳川の鴨場での狩猟解禁日。ハンターに仕留められた野鴨は39羽。これがその夜の食卓に並びます。宮内庁の鴨猟では胸肉をぶつ切りにするのだそうですが
「御花」では薄くスライスしたものをバターを塗った鉄板で、葱のほか酸味の強いリンゴの薄切りも一緒に焼きます。今までに経験したことのないおいしさでした。まず鴨そのものが、今まで食べてきた合鴨とは色も含めてかなり異なったものなのです。しかも飛来したばかりなので脂が少なく臭みも少ないとのことでした。写真は「御花」特製の鴨焼鉄板です。焼き方も付け合せも永い年月のあいだに研鑽されたもののようです。もうこの一品に圧倒されて、有明海の珍味や舌平目や名物の鰻せいろ蒸しは、この夜は、霞んでしまいました。障子が開け放たれ「松濤園」の夜景が向こうに広がっているのですがカメラには捉えきれませんでした。
翌朝は雨が上がって薄い靄の中に朝の陽が姿を現しました。「松濤園」の幸せな野鴨はまだ眠っています。下駄をつっかけて、「犬抜き」で、しっとりと濡れた庭園を散歩。アップしている写真の大半はこの小一時間で撮影しています。泊まりは熊本でという手もあったのですが、ここにいてよかったと感じられる濃密な時間でした。日曜の朝8時少し前、人の気配のほとんどない石の舗道を掃き清める人の姿がありました。掘割ではどんこ舟の仕度のようすを鷺が一羽見守っていました。
時の流れを大切にした街並みに、しなやかに根付いた伝統・文化。情けないことばかりの日本だけれども、こんないいところもあるのだなあとしみじみ感じました。店頭の床几に猫が居眠りをしていて思わず足をとめてしまったおせんべい屋さんでは、景気の影響か急激に観光客が減っている様子をありありと聴かせていただきました。がんばらないとなあ。
今日でフクは12歳。ハヤも一緒に元気に散歩しました。
川下りのどんこ舟は沖端川から掘割に入り込んで進んでいきます。掘割が整備されたのは江戸時代が始まる頃。それ以来立花藩の城下町として栄えてきた柳川では掘割が「表」で護岸には随所に舟よせや水面に降りていく階段があります。あいにくの雨模様で暗かったためカメラには捉えきれませんでしたが、水辺には野鴨、鷺などの姿もありました。何故か野良猫も多く、開かれた傘の中におさまっている猫までいたのですが、このショットも大ブレでした。水面と橋梁の裏面との距離は座っている私の手が簡単に届くところもあるほどで、船頭さんは身をかがめてたいへんです。1時間ほどでどんこ舟は鬱蒼と木が茂った
「御花」に到着。ここがその舟よせです。
周囲を掘割で囲われた7000坪の敷地に松島を模したという庭園「松濤園」があり、すでに野鴨も飛来しています。そこに面した100年前建造の木造建物が料亭として使われ、宿泊施設や史料館とともに
「御花」として別世界をなしています。
旅の始まりはかつてはライオンズのオーナーであった西鉄の福岡天神駅で、天神大牟田線を走る特急が単線区間に入って間もなく停まる柳川市は最近の町村併合で人口7万になった小都市。画一化されて個性を失いがちな地方都市が多い中で、しっかりと個性を発揮しています。ここまで来て良かったと先ず感じました。
町中にはりめぐらされた掘割を船で下っていきます。西鉄柳川駅から先ずは沖端川をすべりだし橋下のこんなに狭いところをくぐって掘割に入っていきます。
「建築技術」12月号の北山恒さん監修の特集「密集市街地につくる住まいのデザインと技術」に「アクセス・バルコニーによる緩衝領域」ということで
[代官山の集合住宅]が取り上げられました。
そう言えばCasaBrutus10周年記念号には
[二軒家アパートメント]が載っています。
柳川は有明海に面した町。いろいろな珍味をいただきました。お土産は干しわらすぼ。ハゼ科で日本では有明海のみに生息、藁素坊と綴るそうです。
ところで真弓監督は柳川高校出身。何かのご縁ですね。
九州柳川では15日が鴨猟解禁。ひょんなことから柳と川の街まで飛んで初鴨の宴を楽しんできました。先ずは第一報。
「イヤだ。こっちに向かってくるみたい。知らん顔していましょ。病み上がりで甘やかされているのでちょっと調子に乗り過ぎです。」
今年の夏は重森三玲の庭を見て回りました。重森三玲邸書院。庭だけではなく建築も設計しています。襖の意匠に驚かされました。
[春日町の家]の敷地で見つけた不思議な形の実。クチナシだそうです。このほかにも蜜柑や金柑がたわわに実っています。
犬も歩けば牛にあたる。街は面白いですね。ミルクバーだそうです。
「なんでも鑑定団」でおなじみの安河内眞美さんのお話をきく機会がありました。着物や羽裏の布と日本画を合わせた創作掛け軸が新鮮でした。そのうちのひとつ「猫に小判」。
いろいろあったけれども最後は少し納得。読売の日本一を阻止してもらいました。
昼間は取材で
[松原のduplex]へ。
3月30日の[doglog]でご紹介した三連棟が揃って「住まいの設計」に取り上げられます。伊藤博之さん小谷研一さんと三人並んでカメラにおさまりました。クライアントとは近くの蕎麦屋「いな垣」で昼酒。伊藤さんのお宅では奥様手作りのケーキをいただきながら取材。昼から幸せな一日でした。
[春日町の家]リフォームと[上高田の家]新築の現場をはしご。途中の東中野で裏磐梯の
ペンションともの友坂豊さんの写真展を覗きました。そこで出会った「栃の実」です。
過去の「作品」を訪れるのは建築家にとっては特別なイベントです。暫く会っていない我が子との再会。期待といくらかの不安。成長のようすを確認し、少なからず反省をし、新たなる創作の糸口を探ります。お酒や食事をいただく機会であれば出会いの密度はより濃くなります。幸せな時間です。一昨晩は
[onze]で素晴らしい酒肴で近い将来の計画を語り合いました。一夜明けて
[thyme]へ。メンテナンス工事の打ち合わせの後、紅茶そして手づくりのイチゴジャムで楽しいおしゃべり。集合住宅の一角に設けられたキッチンとピアノのある小さなコーナーは乾燥させたハーブやクリスマス用の小物やなにやらかわいいものであふれていました。写真はその一部です。
高台寺の山の上にあるお茶室。こちらは傘亭。時雨亭と対になっています。どちらも粋な名前ですね。傘のような屋根に関心が行きがちですが開口部もおもしろい。外と内が曖昧に繋がっています。障子の映像がきいています。傘亭といえば高田馬場の粋な蕎麦屋を連想します。東中野に居た頃は時々15分くらい歩いて食べに出かけました。最近は足が遠のいています。
よく晴れた気持のいい朝です。5時半には東の方が茜色を帯び始めていました。写真は止めにしてもうひと眠り。これは散歩の後、7時15分のショットです。清々しい。
扶桑社から発売された「ちっちゃな快楽住宅」に
[蒲田の家]が載っています。「10坪ハウスの底力」というコーナーです。ほぼ1年前の
11月7日の[doglog]でも取り上げています。みんな大きくなっているだろうなあ。
月曜の夜にNHKBSで珍しく落語の番組をそれも2つ続けて観ました。ニューヨークで英語で挑む落語と五代目桂米団冶の南座での襲名公演。その次の夜の酒の席のお隣がなんと落語家の桂ひな太郎師匠。奇遇ですね。写真は散歩の途中にある家の庭から外に生え出てきている珍しい植物。紙の原料になるのだそうです。クリーム色の花が咲きます。
[al domino]で
コレカラという新しい雑誌の取材。書斎特集だそうです。きちっと選び抜かれた調度品にベルトイヤの椅子やルーマニアのアンティーク家具が加わっていました。すぐ近くのイタリアン
pa'mpanoの個性的でおいしいチーズケーキをいただきながら話が弾みました。テナントさんたちの評判も大変良いようです。よかった。
TOKYO URBAN LIFEのイベントの一環として11月4日にTEPCO銀座でフォーラムに出演することになりました。「愛犬も喜ぶ住まいづくり」というお題をいただいてしまったので、[doghouse]での3年半の写真を見ていただこうと考え、撮りためた写真を整理してみました。あまりにも数が多いので目が疲れてしまうほど時間がかかりました。早くも思い出いっぱいです。家全体としては大きな変化はありませんが、植物の成長が著しいことにあらためて気付かされました。写真は2005年の今頃のもの。よく見ると花壇がまだできあがっていません。手前のシマトネリコがまだこんな大きさです。現在その下の地面で繁茂しているイモの鉢植えが右に見えます。
2匹そろって「とってこい」で遊びました。ハヤが戻ってきてから、フクがさらに元気になって、負けていません。勝敗は互角です。こうした刺激はみんあにいいようです。
ワンワン・ワンとかで「犬の日」だそうです。気持のよい朝の陽ざしの玉川上水をしっかり散歩してきました。2頭そろって中庭で朝ごはんです。食べるのが速いフクガハヤの残りをねらっています。流れているのはYo Yo Ma のチェロをバックにJames Taylor が唄うHere Comes The Sun。ぴったり過ぎますね。