雨の中ぎっしりいっぱいになった聴衆のノリは最高でした。ディランバンドも燃えました。私は学習の成果で初めて最前列でバーにからだを預けられる位置をおさえられてステージを堪能しました。よかった。Man In The Long Black Coatの新しいアレンジに感動。大好きな曲Desolation Rowの初登場にも感激。ホットでした。ツアー最高のできでしょう。だから客席からボブへのギターのプレゼントをステージ下手のStu Kimballは受け取って、それでいつもとは違うメンバー紹介になり、ボブが珍しくThank youのほかの言葉を発しました。初登場4曲で4公演で40曲。まだまだ待ち遠しい曲が残っています。写真は震災でもっとも激しく打撃を受け、文字どおり「廃墟の街」だった新長田の今の一枚。涙ぐましい復興の道を支援する「鉄人28号」。心意気がいいと思いました。「瓢たん」の三ノ宮は遠からず。ガード下にはびっしりとお店が連なり、中にも外にも続く横丁の中ほどに「瓢たん」はあります。食のメニューは餃子しかなく、地元の人は1皿7個\370の餃子を2〜4皿頼んでいるようでした。常連を観察すると、できあがりを見計らって味噌たれを皿に取りそこに醤油と酢を少し加えていました。いきなり恰好をつけずに、先ず味噌たれだけで試し、それから真似をしてみました。ユニークです。
ディラン3日目。2008年6月以来演奏されていなかったShelter From The Stormが登場しました。メロディの原型をまったく留めていないので歌詞を聴きとって辛うじて確認。力強いロックに生まれ変わっていました。ツア初登場曲は9曲でこれで通算36曲。同じ3日間で比較すると去年のボストンが33曲、ニューヨークが32曲ですから、ひときわヴァラエティ豊かと言えるでしょう。5日間でどうなるのか、さらに東京7日間がどうなるのか、先が楽しみです。3日間で言えることは、バンドの調子は絶好調ということ。ライブハウスと言うこともあってか、ロック色が今までになく強くなっています。演奏については大満足なのですが、客席?環境はかなりひどい状況です。Boblinksに投稿されたKathleenのレヴューには私に近い整理番号で入場し前から3列目をキープしたもののphysically my most miserable Bob concertと書かざるを得ない悲惨な体験が記されています。追加公演ということで定員に達していなかった初日でこの状況ですから「完売」の2日目3日目はもっとすごい混み合い方でした。ほとんど満員電車状態ですから「踊る」余地ゼロ。拍手で挙げた手はもう下ろせないというほどです。ただしあのディランバンドの白熱の演奏を目の前に体感することは想像以上に素晴らしく、私のような覚悟を決めたまだ多少体力が残っている者は、いい整理番号のチケットが手に入ってそこにいられることに感謝するばかりでした。会場の1階は着席だと783人、スタンディングだと2000人と公表されています。この2000という数字は消防法で定められた定員であって、音楽環境としてはこんなにたくさん詰め込むものではないのでしょう。ホワイエに収容人数に見合った広さがないために、入場整理が野外になってしまい、退場時には大混雑が発生するなど、状況をさらに悪化させています。そんなハコに\12,000を払い、会場時刻ぴったりに羊が小屋に収容されるかのように整然と入場が始まり、駆け出す者もなく静かに会場におさまり、1時間もの間立錐の余地もない状況で静かに待ち続け、ほとんど諍いも起きない集団の自制力については、胸を張ってもいいかもしれません。よその国ではありえないのではないでしょうか。観客は思ったより若い人が多く、私の世代よりはライブ慣れっしているのかもしれません。初日に気分が悪くなった1人は私より一回り以上若い人だったそうですが・・・。ハコは大阪湾を埋め立てて造られた辺鄙な淋しい新開地にのんびりと控えめに置かれています。
大阪に来ました。Bob Dylan 9年ぶりの来日。小さなライブハウスでのスタンディングのライブ。68歳のディラン率いるギンギンのロックバンドを楽しみました。甘さを控えたストレートなロック。ライブハウスこだわるディランの狙いがよくわかります。力強いタイトな演奏が目の前で展開される臨場感が凄かった。去年4月のパリとの大きな違いはリードギターが変わったことと箱の大きさ。立ったまま独り1時間待っているだけなのはなんとかしてほしいものですが、ライブの2時間には没頭してしまいました。構成は去年後半のツアを踏襲していて、ラストの5曲は去年の最後のボストン、ニューヨークと同じでしたが最近の曲が少なめになっていました。オープニングはWatching the River Flow。2008年からは演奏されていなかったTo Ramonaも登場しました。湾岸から梅田に戻って大阪拠点のNさん一行に合流。Wrigleyさんとも9年ぶりくらいの再会を果たしました。あの頃シアトルからビールを運んできたヨットが今度は酒を積んで神戸から西海岸に戻る壮大なプロジェクトの話や、ロンドンでディランのステージの上に紛れ込んだ話などに、まだディランの音楽にこんがらがっているハイな頭で聴き入りました。喉の渇きはあっという間にHeartlandで癒し、きずしや煮蛸で大阪を味わいました。写真はいかなご。神戸須磨の親戚から届いた春の味、イカナゴの釘煮です。須磨の祖母を思い出す懐かしい味。播磨灘の郷土料理で錆びた折れ釘に似ていることからこの名があるのだそうです。イカナゴAmmodytes personatusスズキ目 イカナゴ科。東京では魚屋で出会うことはありませんが、神戸生まれの私にとって忘れられない故郷の魚です。大昔のことは何故か記憶が鮮明で、行商の魚屋さんが子供用にとっておいてくれた小ぶりのフグの入った桶の映像が浮かび上がってきます。今日は須磨あたりの海辺に足を伸ばしてみようかと思っています。
Suze Rotolo。Dylanの2枚目のLP Freewheelin’のジャケットで一緒に仲良く写っている女性。彼女の「グリニッチヴィレッジの青春」(原題Freewheelin’ Time、菅野ヘッケル訳)の「訳者あとがき」でThe VillageというCDを教わりました。Lucinda Williams のPositively 4th Street いいですね。Rickie Lee JonesのSubterranean Homesick Bluesも。あの頃あの街で生まれた歌のカバー・アルバムです。Violets of Dawn (Eric Andersen)、 Darlin' Be Home Soon (John Sebastian) 、Little Bit of Rain (Fred Neil) 、Once I Was (Tim Buckley)。いいコンピレーションです。[doghouse]に新しくやってきた紅いクッションを早くも我がものにするハヤ。芯材に硬軟があってストゥールになったり砂袋?になったりする優れものです。犬猫人入り乱れる我が家にぴったりです。
やっとBen Sidranの新作CD “Dylan Different”が届きました。Dylanの作品を消化しきって自分の音楽にしてしまっているのが魅力。わかったようなわからないようなタイトルの意味がよくわかります。本人もこういうカバーはうれしいはずです。どちらもいい顔だな。Rainy Day Women #12 & 35になんとGeorgie Fameが参加しています。