灘五郷

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西宮へ仕事の旅つづき。酒どころとしての「灘」がこんなに広い範囲であることは知りませんでした。西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷。JRの駅でいうと灘、六甲道、住吉、摂津本山、甲南山手(1996年開業)、芦屋、さくら夙川(2007年開業)、西宮。26の酒蔵がある程度の距離を置いて点在していてそれらのあいだはマンション、大規模店舗、住宅などで埋めつくされているので、全体としての酒の街のイメージはそれほど強くありませんが、旧い建物が随所に残り楽しい「島」が何か所もできています。左上は今津小学校の六角堂。右上は今津灯台。江戸時代には酒蔵で造られた酒が船積みされ「下り酒」として江戸は新川に運ばれたのだそうです。

甲子園

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仕事で西宮今津郷へ。地図をよく見てびっくり。58年前まで住んでいた家から歩10分という距離。小学校1年の時に転居しているので生活圏はそう広くはなく記憶の中には今津という地名はかすかにあるものの灘五郷は抜け落ちていました。灘を東西に走る「酒蔵の道」を横切って幼稚園に通っていたことになります。家は甲子園球場から浜の方に300mほどのところで当時はすぐ先に競輪場がありました。宿泊が近くだったので朝の散歩で昔の痕跡を探しに行きましたが当時の街の面影はまったくありませんでした。甲子園球場も外観が一新されています。阪神パークも阪神路面電車も競輪場もありません。通っていた南甲子園小学校は一学期までは鳴尾小での仮校舎で確か二学期に竣工したばかりの新校舎に移りました。その南甲子園小学校は58年前竣工の校舎を解体中でその北側に新校舎が建っていてほとんど記憶とつながるものがありません。不思議な体験でした。58年は永いということなのでしょうが、百年が短いようなゆっくり変わっていく街は居心地がいいだろうなあ。

丁字草

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この暑い時節は花よりも葉もの。この緑のおかげで気持ちが涼しくなります。チョウジソウ丁字草リンドウ目キョウチクトウ科Amsonia elliptica。ハナミドリの長期夏休みの隙間に運よくゲット。

青海空

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お台場青海駅の前にひろがる景色が不思議に面白いのはたくさんの飛行機がひっきりなしに空を横切っていくからだけなのかもしれない。上の写真で豆粒のような飛行機を下の写真まで引き寄せられるコンデジの威力もすごい。たのしい。

虚偽騙

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house vision印象3。3時過ぎに相方と合流して視点が複数になった。私はものの見方に偏りが少なくないので他人と一緒の展覧会は得意ではないのだが、歳を十分にとったせいかストレスは生まれなかった。それで広場にあるオリーブを生やした巨大なつくりものが実はほんものだと気づいてしまった。推定樹齢1000年だそう。たいへんなことだとは思うが1000年も根付いた植物を土地から切り離して何万キロも運ぶのはないだろう。営業管理費15%とかいうビジネスの発想だ。住友林業緑化×そら植物園の「芽生える大樹」。学生にしか勧められないのはこういう運営の体質にも原因があるのかもしれない。身体で知るという機会は貴重なのだが、暮らし方の本質に肉薄する意思が希薄で、未来社会のヴィジョンがプロダクトでしか描けていないところが物足りない。でも行ってよかった。

即地域

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house vision印象2。2つの屋根裏部屋をもつ宿泊施設はAirbnb×長谷川豪の「吉野杉の家」。吉野で作られた建築を会場に運び、終了後はまた吉野に移築?して宿泊施設として運用するという地域を大切にしたエコロジカルな仕組みがいい。一過性の仮設でない分、建築にしっかり予算が使われていて、本物素材の良さが良く出ている。屋根裏の三角空間は非日常空間として面白い。三角窓で切り取られる吉野の大自然はさぞかし絵になることでしょう。会場では三角窓から外を眺める見学者の姿が絵になっていました。

脱現実

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house visionに出かけようと思った重く暑い日曜には軽いはずの脚がfbの橋本純さんのコメントもあって妙に重かったけれどお台場という非日常の中に展開されている世界に行かないよりはよかった。8月28日の最終日までは21時まで開いているのでとくに学生さんは行ってみると損はないと思う。印象1。1ヶ月間の仮設建築なので雨などに対する耐久性を考えていないところが現実の建築とは大いに違っている。雨仕舞が全体的に甘く木材が朽ちることに対する防御がほとんどない。建築基準法も遡及していないらしく手摺もない。その脱現実の不思議さが如実に表れているのが大東建託×藤本壮介の「賃貸空間タワー」。暮らしたら楽しいだろうなと感じられる空間に仕上がっていました。日常的ディテールが消去された建築。思わぬ手がかりになるかもしれないな。写真は外と外を区切る窓辺に揺れるカーテン。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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