
やはり洗足池のシダレヤナギ。このなよっとした感じは風土にあっていると思う。こういったものはあまりクリアに写すよりも僅かにぼけていた方がいいのかも。

ヒヨドリが集まっていたので気づいた洗足池のコゴメヤナギの花。ミモザまたはミモザモドキの派手な黄色と違ってふわっとした黄色。

桜が咲くと日本もいいなとは思うけれど風土にあった美しく朧げな草花はほかにもある。これはひと月ほど前の新宿御苑の山茱萸と満作。この日は染井吉野はまだだった。オシドリ、ゴイサギ、モズ、ツグミ、鳥もいろいろいたなあ。

千鳥ヶ淵のサクラは昼と夜では趣きがかなり違う。昼は華やかで夜は凛として美しい。特にライトアップが桜色に着色されていない真っ白な夜桜は息をのむほどの美しさだ。手持ち写真の甘さが残念だが三脚を持ち歩くようにはなりたくないと思っている。いつでもコンデジが今の私には合っている。

今年はよく花見に行った。大酒を喰らわなくても花の下で一杯というのは好きだ。酒抜きでは花見とは言えないかもしれないのだがこの目黒川の夜桜は2回とも酒抜きだった。まあひとりだったからというだけのことだがみなが楽しそうに飲み歩いている傍らで写真に徹するというのもときどきはいいかな。

室伏次郎/スタジオ・アルテック+ミタリ設計。船橋駅近くにある教会。礼拝堂の光が美しかった。プロテスタントのインマヌエル教会でカトリックよりずっと形式性が抑えられている。だからというわけばかりではないだろうが礼拝堂の空間の軸と祭壇の軸がずれていて俄かに親近感のようなものを覚える。カトリックは苦手だ。まったくの余談だが私の祖父はプロテスタントの牧師だったそうだ。それでもなおキリスト教も苦手だ。線路を挟んで少し離れたところに小さなサテライト教会もある。

洗足池の現場から事務所に戻る時は池上線に乗る。五反田と蒲田を結ぶのどかな路線で同じ東急電鉄でも東横線とはかなり趣が違う。駅舎も古いものが多く柱に木が使われている駅もある。通勤電車というより暮らしの一部という感じでどこか楽しい雰囲気だ。その中の戸越銀座駅は最近新しくなったばかりで屋根を構成する木の架構の柔らかさに目をひかれる。ネットで調べてみたら東大の稲山研究室が基本設計で地元商店街と東急電鉄とタッグを組んで創り上げた駅空間のようだ。こういう地に足が着いた公共建築が増えていくのはいいことだ。