ショウブと中華

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食に一家言ある知り合いがfbに見頃になった堀切菖蒲園のショウブをアップしていた。花の写真の末尾にくっついていたフカヒレあんかけ炒飯がたまたまではないことがわかるので無性に行ってみたくなって仕事で忙しいひとに無理を言ってしまった。初めての堀切菖蒲園は思った以上に小ぢんまりしている割に花の種類が矢鱈に多く青白紫が入り乱れて取りとめもない印象だった。色鉛筆の芯のように固く巻かれて花開くのを待つ姿が一番お気に入りかな。引き鉄になった「鳴」という味わい深い店名の駅前中華は旬を大切にしたメニューでいい中華飲みになった。満足。

ユリと夜

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艶やかな花。素晴らしい香りが家に満ちている。4輪目が週末まで持つかな。ヤマユリLilium auratumユリ科ユリ属。

Ray Coffee House

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ずっと気になっていた「千住博美術館」に出かけた脚で高校同期が第二の人生を送るRay Coffee Houseへ。大学で一緒に教えている渡辺康さん設計なのは奇遇とも言えるのだが、少し冷静に考えると、ここのところ数年の人の縁の要がほかならぬ彼なのだから、ここに導かれて来たのは必然であるのかもしれない。まっすぐな木のアプローチを設けることで路際の樹木群とカフェのあいだに森の陽が集まる場がつくられている。鳥の餌台と栗鼠の皿にはヒマワリの種や胡桃が置かれていて、一時間ちょっとのあいだだけでも3種の小鳥たちを目にすることができた。梁に使われていた古材のカウンターがその庭に向き合って配されアプローチ側の屋外まで伸びている。暫くすると2階の住まいで待機中だった柴犬の松吉が連れて来られて半屋外カウンターの向かいに設えられた彼の場に就いた。1歳8ヶ月、看板犬修行中だそうだ。光が美しい優しい空間でいただく自信に満ちたストレートコーヒーは文句なく旨い。目の前を行き交う鳥に気を取られて時の経つのを忘れる。客がほかにいなかったあいだコーヒーを淹れながら話をきかせてくれた。床は大工さんが骨をおってくれたタモの木煉瓦。白い吹き抜けに浮く木の枝でつくったモビールは10年前の渡辺一家がオープンのサプライズで贈ったものだそうだ。柔らかい影が壁を彩っていた。高校同期が設計者に完璧に満足していることがよく解かってこちらの気持ちまで優しくなる。いい時間だったなあ。

as it is

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谷内田さんに誘われて日大居住空間コースで教え始めて13年目になる。昔話が最近は多いな。このコースは先生たちの懇親の場がいろいろとあってみんなが仲がいいのが特色だ。その輪の要と言っていいのが宮脇檀さんの研究所教授を引き継いだ創設時からのメンバーの中村好文さん。新著「集いの建築、円いの空間」は素敵なサイン入り。ありがとうございます。永く教えているうちに私もだんだんと馴染んできて、教える時の気持ちの懐がそれなりに深みを増したのか、今までよりずっと豊かな視点で課題作品と向き合えるようになってきている。教えながらこちらも育っているのだ。ありがたい。

as time goes by

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13年前に白金台に竣工した集合住宅[barres]で5年振りのパーティ。ペントハウスにオーナー世帯が共有する中庭的テラスがあって鍵付きのエレベーターがここに直行する。テラスを基準にすれば並行する平屋に挟まれた空間で空が独占できて居心地が良い。[doghouse]の中庭はこのテラスの寸法を体感しながら決めていった。世帯の間の結びの領域となっている屋外テラスはパーティ空間としても最適である。こうして設計した空間の育ちぶりを確認しつつ楽しくお酒をいただけるのは幸せ。雨が心配でしたが元スタッフの「雨女」の参加にもかかわらず快晴。楽しい夜になりました。小さかった子供たちはもうおとなだし、私の2回り上のお父様はもう他界されている。住まい手に比べると建築は堅固で経時変化が少なく不朽にさえ思える。

my clue

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毎週木曜日は洗足池の集合住宅の現場打合せ。建設会社は辰で現場監督は2度目のお付き合いになる村山さん。監督制作のポスターが先週から現場に張り出された。うちのスタッフが作ったかのような気持ちの入り方だ。うれしい。建築はチームワークの結晶物だから魅力的なのだと思う。こういった建築ごころあふれるお付き合いは何度でも繰り返したいものだ。

my tune

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好きなものは好きだとはっきり言った方が、例外はないとは言えないが、人生は楽しくなる。46年前からずっと歌手として好きな南沙織の話は[doglog]でも触れたことがあると思うが、彼女を音楽的に支えてきた筒美京平まで好きが拡がっていると語るのは気恥ずかしかった。なんたって歌謡曲の「巨人」。その作品数十曲を断片的につなぎ合わせたCD[tsutsumix]が2種出た。シングルB面やLPの片隅に埋もれていた名曲も登場する南沙織版には言葉がないが同時期の女性歌手のヒット曲網羅の歌姫版にはあの時代の記憶が混ざりあっていて意外に楽しめる。Sony Records(Dylanと同じ)の制作のせいか小林麻美、麻丘めぐみ、いしだあゆみが含まれていないのはちょっと残念。写真はまったく無関係に昨日のランチ。週に1回はmargoのベジタリアンサラダをランチにしている。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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