鎮守這子

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勝沼ぶらぶら7。帰りの「かいじ」は塩山にしか停まらないので塩山駅に近い甲斐ワイナリーで時間調整することにして雨の中をタクシーで向かった。途中の神社に人だかりができていて運転手さんに聞くと氏子が身につけている「人形」を奪い合う祭だとのこと。ワイナリーで一杯やったあと雨の隙間をその熊野神社まで歩いてみると祭はもう終わっていて薄暗い鎮守の杜に提灯の灯が静かに残る「祭のあと」。雨上がりの夕暮れの身の引き締まるような薄闇を味わった。鳥居の先には参道が明確な軸線を形成しているのだが、その周りは神社とは無関係にできあがってしまっていて、そこでは歴史的風景が消失しつつある。出店は参道(の名残)を斜めに横切る道路沿いに数店。杜の中で片付けの人に尋ねたら地元では「ほこしょい」と呼びならわされているとのことだったが、後で調べてみると2年毎の例大祭で「やっこらこら」「やっこらさん」の通称があるとのこと。「やっこら」と呼ばれる氏子たちが「ほうこ(這子)」を身に着けて練り歩き、それらを人々が子宝の縁起物として奪い合う「奇祭」だそう。「ほこしょい」は甲州弁で「みやまくわがた」のことだというから、独特な方言と「ほうこ」とが入り混じって「ほこしょい」が出てきたのだろう。ひとつふたつ言葉を交わしたおかげでいくつもの知らない言葉に行き当たることができた。単語はすぐに忘れてしまうのをスマホのメモ機能が補ってくれている

隼人瓜籠

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勝沼ぶらぶら6。旧い民家を改装した甲斐ワイナリーの土間空間の囲炉裏端の籠の隼人瓜が色鮮やか。お土産に一ついただいて浅漬けにし旅を思い出す小さな幸せ。

夕闇霧塔

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勝沼ぶらぶら4。フルーツパークからは勝沼の東側の山並みが見える。うまくすればその向こうに富士山。霧煙る夕闇にホテルの塔に灯がともるとトスカーナのように見えなくもない。

鴉樹樹鴉

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勝沼ぶらぶら3。フルーツパークの銀杏の樹で距離を置いて羽根を休める鴉二羽が絵になっている。時々羽繕いをしたりしながら少なくとも10分以上気を通わせていた。番に違いない。

束杭鋼管

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勝沼ぶらぶら2。 シャトー・メルシャン[wine gallery]。束杭をデザインモチーフとした鋼管が等間隔に並ぶ。葡萄棚が繁って、居心地の良いテラス空間に育っている。

葡萄畑杭

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勝沼ぶらぶら1。1日目:曇り時々晴れ、2日目:雨。予報は雨だったから少しは晴れ男気分。収穫がほとんど終わった葡萄畑の葉はまだ赤くなる手前。棚を支える束杭の連続が印象的。

千夜 猫街

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銀ブラの締めは室伏さん設計の[mille nuits]のはずだったのだが閉まっていて大ぶりな野良猫だけが迎えてくれた。代わりに行ったアナログバー[nica]でかけてくれたディランのI Shall Be Releasedの音が素晴らしかった。以前のように邦楽がたくさんあるわけではないのだが、ほとんど忘れかけていたアン・サリーの新盤Bon Tempsに出会えたのは収穫。Hirth MartinezのAltogether Aloneの次が「瀬戸の花嫁」。Amazon扱いがなくてまだ届かない。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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