鳥を観る

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鳥を観るのが好きだ。写真に捉えることができればさらにうれしい。観察力が二乗されるから2人でいる方が鳥はよく見える。青く澄み渡った冬の箱根でもたくさんの鳥に出会った。あろうことかHX90Vを家に置き忘れてHX60Vを貸してもらった。ファインダーはないが倍率は同じだ。ジョウビタキを撮ったのは初めて。客室に置いてあった案内によるとカケス、ウソ、シロハラ、エナガなどもいるらしい。

箱根プリンス

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永いあいだ近寄らないようにしていた箱根プリンス(村野藤吾1978)に行ってみることになったのが箱根鉄道の旅のきっかけだった。桃源台港から南に向かう「海賊船」からの遠景に先ず姿が現れる。ジェフリー・バワのカンダラマが湖の対岸に小さく見えてきた時の情景を何故か思い出した。湖畔に並ぶ「龍宮殿」や「山のホテル」は違う。車によるアプローチでは円形平面の宿泊棟は見えない。フロント棟はカンダラマとは違って穏やかでさりげない。山裾と芦ノ湖が出会う淵の中から選び抜かれたのに違いない緩やかに傾斜した敷地に建物はひっそりとおさまっている。フロントと客室棟を結ぶ回廊状のロビーは構成が斬新だと思う。装飾が過剰なところは私のテイストと違うのだが、建築家の強い意志が貫かれた空間には納得させられる。それで朝食はメイン・ダイニングでとることにした。よかった。水際までなだらかに続く木立の中を朝早く歩いた。対岸の風景の中に人工物はひとつもないから見渡す限りが庭のようだ。山並みの向こうには富士がくっきりと在る。鳥の気配が木立に溢れている。やはり私が好きなのはこちらのほうだ。温泉もよかったしいい時間を過ごした。

芦ノ湖

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大涌谷でロープウェイを乗り換えて暫く進むと遠くに芦ノ湖が見えてくる。箱根鉄道の旅のクライマックス。水辺にアシ(ヨシ:漢字は葦,芦,蘆,葭)が群生していたのが名前の由来だそう。急峻な山が水面に迫る美しい湖に「海賊船」を浮かべるという発想が悲しいうえに、人気があるそうだからなおさら悲しくなる。西武と小田急の箱根合戦は湖上では「海賊船」の小田急の圧勝ということだ。残念ながら箱根フリーパスは小田急系。

箱根ロープウェイ

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火山ガスの影響による運休の合間を縫ってやっと乗車の夢が叶った箱根ロープウェイは旧い記憶に風が強いとすぐ運休する走行区間が長い乗り物として残っていたものとは別の新型だった。以前のものは2台のゴンドラが往復する複線自動循環式ロープウェイで現在は50台が循環する複式単線自動循環式フニテル。早雲山を出て暫くして一山超えると突然眼下に噴煙を上げる黄緑色の大涌谷が現れる。自然の脅威が並ではないことが眼から脳へ伝わる。

箱根ケーブルカー

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ケーブルカーには先のロープウェイの運行を再確認してから乗った。正式名称は箱根登山電車鋼索線。オフシーズンの割には混んでいて途中停車なしの臨時便に乗車。写真は思うようには撮れない。

箱根登山電車

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小田原―強羅は箱根登山鉄道鉄道線。ロマンスカーが湯本まで乗り入れて、湯本―強羅は標準軌のいわゆる登山電車、小田原―湯本は狭軌の箱根登山鉄道車輛が走る。湯本近くは標準軌狭軌兼用の三線軌条となっている。標高96mの湯本から強羅までスイッチバック3か所を経て445m登る線路は最大勾配が80パーミルで日本の粘着式鉄道では最急だそうだ。眼下に早川の渓流が流れる山の景色も見どころ満載。下りは運よく展望席に座れて鐡路を堪能。

箱根フリーパス

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箱根鉄道の旅のために箱根フリーパスを用意したのが曲者だった。早雲山―大涌谷―桃源台のロープウェイに乗れさえすれば元が取れるのだが、過日の噴火の影響がまだ残っていて火山ガスのためにしばしま運休するのだ。出発前の1週間くらいはたいがい午前中が運休で早ければ昼過ぎに運行開始となっていた。旅の前日にとりあえずフィックスさせた旅程では1日目は宮ノ下で途中下車して早めに十割蕎麦のランチを取り強羅界隈を散策してロープウェイが動かないようだったら元箱根に向かうことになっていた。いざ当日になると箱根に向かうに連れてどんどん天気は良くなり、それと関係はないのだが箱根ナビの運行状況画面にも赤印が出現せず、ロマンスカー―登山鉄道―ケーブルカー―ロープウェイ―海賊船の箱根鉄道の旅があっけなく実現した。たいへんお得ないい切符だ。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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