間もなく日が暮れて祭の始まりです。楽しくかなり飲っています。飲み切れるでしょうか。
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5年前に訪れた時は2時間未満の滞在だった伊是名島再訪。主題は伊是名村伊是名区のお祭り「ウンナー」。二期作の前期の収穫に合わせて五穀豊穣を祈願する区内東西対抗の綱引きです。稲藁から綱を綯うところから始まって徐々に盛り上がり本番を迎えます。台風で一日遅れて私が着いたのは祭りの前日の夕刻で公民館では酒盛りがおこなわれていました。当日は午後から綱の仕上げで最後にお神酒で綱をお清め。日が落ちると区内の家々を東西二組に分かれて三線と鳴りもので回ります。私の民宿は西地区なので西組の練り歩きに自然に加わっていました。先々で歌って踊って泡盛おつまみ。だんだん出来上がった締めに銘苅家で東西両組が落ち合ってひと騒ぎし、綱が待つ公民館前の道へ。担ぎ上げた板の上で空中相撲を取る「スナイ」の後いよいよ綱引き二本勝負。3連敗中の西が雪辱を果たし大いに盛り上がりました。綱引き後は綱で輪をつくりひとつは相撲ひとつは踊りの場に。よくできています。日が変わっても祭りは続いていました。こんな面白い体験は初めて。昂奮も酔いも熱気も私の写真にはうまく写りません。こういうものは記憶だけがたよりなのでしょうね。

祭のまえ

朝一、誰もいない銘苅家をじっくり味わう。原付きで伊是名島周遊。伊礼さんお勧めの太陽食堂で汁米麺。民宿で一杯やっているとでてきたのが昆布巻きスパム。ピッタリ。村では綱引きの準備着々。ここでまた一杯。
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伊是名の夜

初めての伊是名の夜。銘苅家の近くの民宿に泊まります。浜に出て海に沈む夕日を見て島の泡盛を飲ると外は真っ暗。祭の準備の宴の音が聞こえます。
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伊是名の宿はいろいろあって民宿「ときわ」。銘苅家の西側一筋南。東西にそれぞれ張り出しのある最上格の銘苅家とは違う典型的民家です。水回りなどが増築されていますが縁側の構成は型どおり。縁側の前に屋根付きテラスが作られヒンプンがなくなっています。台風13号の影響もあってか宿泊客は私一人で、おばあと二人ののどかな二泊三日。東京に一人置いてきた母より3歳若いだけの「みよばあ」に食事を用意してもらうのは心持ちざわざわでしたが、世間話なども挟みながら、出かけたり戻ったり勝手な時間を過ごさせてもらいました。真夜中に戻っても網戸がしまっているだけのあけっぴろげ。複数の野良猫がおそらく屋根裏から侵入して猫騒動が起こった夜もありました。研究で島に滞在している建築の学生さんを缶ビールに招いたときには特産の赤瓜甘酢漬けと昆布巻きスパム炊き合わせを出してくださいました。どちらも島ならではの味。オリオンビールにも抜群の相性でした。

伊是名フェリー

間もなくフェリー出航。かなり揺れるはずですが楽しみ。前来た時は穏やかな海だったのに甲板でずぶ濡れになったなあ。この運天港は戦時中は魚雷艇隊の貴地だったそう。忘れてはいけません。
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備瀬が細長い集落なのに対して今泊は長方形。行き止まりの片側に浜が控えているところはどちらも同じ。備瀬の方が観光地化が進んでいるのに比べると今泊は暮らしそのまんまのようで、好みはその辺で分かれるかもしれません。どちらも時間を忘れて歩き回りました。フクギ並木の似たような写真が多いのは当然。今泊にはいい猫がいたな。最後は時間が足りなくなって大慌てでバス停を目指している時に今帰仁城跡で世話になったガイドさんの同僚と出会って、俺んちおいでよと誘われたのに応えられなかったのは心残り。バスを見送って今泊で一泊なんていうのも面白かったかもしれないなあ。

伊是名島へ

フェリーが動き出しました。今泊集落、今帰仁に寄って午後の便でいよいよ伊是名島へ。
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旅は面白いもの。7日に伊是名島に渡る予定が台風13号由来の海のうねりのおかげで足止め。港から遠くない宿は夏休みシーズンでいっぱい。一泊60,000のリゾートか1,500のドミトリーの二者択一を余儀なくされ迷わず後者を選びました。本部漁港はずれの「琉木」。4帖半くらいの部屋に鉄骨2段ベッドで8人。大昔は特に海外でこういうところにも泊まりましたが久しぶりの体験です。必要最小限の挨拶だけは交わし極小の領域を保ちながら意外に心地よい時間を過ごしました。自炊もできるのですが階下に民謡酒場があったので身構えながら一杯。こういうところにしては異様に広い80席はある店内はやがて満員。島唄の生演奏に飛び入りそして踊り。ほかに時間の潰しようもないせいかもしれませんが楽しい時間を過ごしました。食わず嫌いを反省。目の前の大テーブルは4組の子連れ家族15人組。ママ組パパ組子供組の順に連なっています。十数年前に学童保育のお仲間たちと似たような旅をしたころのことを思い出しました。奇しくもこの夜はそんな仲間の一人のお通夜。沖縄の旅が決まっていなければみんなと悲しい再会をしているはずでした。一人で飲んでいると頭の中の世界はどんどん拡がっていきます。貴重な時間だったかもしれません。板ベッドに薄縁で窓開けっ放しのハードな夜は持ち前の睡眠力でほぼ乗超えました。宿のトレードマークは猫。

備瀬集落

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沖縄は晴れてはいるのですが激しい風でフェリーはまだまだ出航しないようです。早朝に那覇を経ち、運天港からそう遠くはない備瀬集落を散策しています。フクギ並木も素晴らしい。となりは海洋博公園でその中に美ら海水族館があります。
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那覇を離れて船が出る運天港のある本部半島で待機したのは正解でした。名護、今帰仁の名建築と美ら海水族館は訪れたことがあったのですが、今回は急遽伊礼さんのご指導を受け、備瀬と今泊の集落を散策しました。暫定的旅程のため6日分の着替えを詰め込んだザックを背にしたままだったのはそう若くはないからだにはつらかったなあ。東京ほどではないとは言え暑かったしね。1日目の6kmが厳しくて午後は水分補給休憩の繰り返し。けれどもどちらの集落にも共通のフクギ並木が素晴らしく汗を忘れて歩いてしまいました。備瀬では海中カメラマンをしながらモズクや海ぶどうを養殖しているおじさんにいろいろ話を聞かせてもらいました。もぎたてのシークワーサーを絞った海ぶどうがおいしかったなあ。

空の時間

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猛暑の空の上には緊張感。羽田から那覇の2時間余の機窓は目が離せませんでした。何故か細かい動くものはよく見えて、遥か彼方の機影をいくつも目撃しましたが、速すぎてカメラでは捉えきれませんでした。ヒトの目はよくできているなあ。間もなく高速バスで備瀬に向かいます。台風の海への影響は意外に大きく、なかなか伊是名島に渡れないかもしれません。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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