愉楽犇弑逆
林真理子の新聞小説「愉楽にて」が終わった。やたらと多い登場人物のほとんどは酷く豊かで社会的な地位も高く「愉楽」だけが感心ごとだ。その日常を描く作者の筆にも熱さが感じられない。そんな煩わしいものを読み欠かすことがなかったのは、50過ぎの女性についての記述が興味深かったからだろう。どんなひとにも同じように「死」が訪れるというオチが取って付けられて、終わりは淀みがなかった。終わった次の日には紙面の同じ場所に違った小説が載っている。これはすごい。池澤夏樹「ワカタケル」。雄略天皇の物語と聞くと退いてしまうけれども、今のところ熱い文体に引っ張られている。弑逆、犇、喋々喃々、嫋嫋、3日分でこれだけの日本語に初対面なのだから、本はたいして読んでいないということだ。失礼しました(笑)。写真はブラジル先住民の椅子展から。
2018/09/06(Thu) 09:49:04 | doglog
Re:愉楽犇弑逆
omachiさんありがとう。トライします。