伊根
但馬・丹後の旅。今年のゼミ旅行の主眼はもちろん出石なのだが抑えとしては宮脇さんもデザインサーヴェイで訪れている伊根が用意されていた。以前から行ってみたかったのだが交通の便の悪いところで、2009年に近くの舞鶴に行った時にも対岸の大浦半島の野原漁港に泊まっただけで伊根までは脚を伸ばせなかった。野原にも舟宿が残っていたが伊根とは数も質も比べられない。伊根は1993年の朝ドラの舞台になっていたそうで、2013年の「あまちゃん」以前は朝ドラとまったく無縁だった私は何も知らないのだが、その放送のおかげか意外に一般の人にも知られている。海辺の「舟屋」と山裾の「母屋」に「蔵」を加えた3棟で1軒ができあがっていて、「舟屋」と「母屋」のあいだに「路」が通っている構成はたいへん興味深い。昔は「路」は今とは違う狭いものだったそうで住人は「舟屋」から小舟を使って移動していたそうだ。海辺を抱え込んだ「舟屋」が並ぶ眺めは他所には類がないものだしコンクリート土間が傾斜して海の中に続いて行く不思議な様子に目を奪われてしまう。こんな「舟屋」が成り立つのは干満の差が少ないからだそうで、それは湾の入り口に島が鎮座しているからだそうだ。海辺は浅くて澄んでいるから海が手に取るように身近だ。岸辺に置いてあるのが写っている籠にアワビ、サザエなどを入れて海辺に置いておくのだそう。いいなあ。滞在時間が短かったせいもあり「舟屋」と「母屋」のあいだに道路が走っている肝心な写真を撮り忘れてしまった。
2018/07/25(Wed) 08:00:03 | doglog