Sciacca

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Sicilia series。アグリジェントからシチリア島南西部を海沿いにバスは走る。このあたりは西南西に150kmくらい向こうがチュニジアで、古くから現在までアフリカ大陸との玄関口になっている。ブドウ、オリーブ、レモン、小麦が育てられる穏やかな丘陵地帯にギリシアがつくった都市の遺構が散在する。心優しい同行のおかげで必ず窓際に位置している私はカメラを構えて居眠りをする暇もない。電柱がない、看板がない、工場でつくったモノがない田園風景は美しい。そこに石積みの小屋、巨大な岩石、石橋などがときどきぽつんと姿を現す。羊の群れもいた。そんなシークエンスで遠くの岩山の上に街が一瞬姿を見せた。あとで野口教授に確認してもらったら思った通りシャッカだった。アラブ人がつくった港を起源とするアラブ色濃い街なのだそうだ。彼は40年来の建築友だちで私のなかでは「野口くん」なのだが、今は藝大教授でシチリアを研究している。事前に読んでおくべき本を尋ねたら、陣内秀信の「シチリア・南の再発見」と高山博の「中世シチリア王国」の2冊が必要十分であると明解な答えが返ってきた。その陣内さんの本に大きく取り上げられている10の都市の中で今回の野口さん設計のツアーに含まれていない2つの1つがシャッカなのだ。ここは今では良質のアンチョビ産地として有名で、ここを訪れるのは次の機会になったけれど、近くでお土産に入手できたのはうれしかった。田園風景にパッチワークされるギリシアとアラブの圖。fbのmichio kinoshitaアカウントに別の写真もアップしています。
2017/06/20(Tue) 09:16:47 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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