木香

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東横線で通勤するようになってから3年が過ぎた。渋谷駅でのJRとの乗換の信じられない混沌に当初はかなり腹がたったが、人はよくできたものすぐに慣れたと思っていたが、暫く定期券を使わないことにして毎朝都合で経路を選ぶようになってみると、あの5階分の階段登りはいくらiPhoneがカウントして励ましてくれてもめったなことではやりたくないと思うようになった。東横線の渋谷駅はこの乗換大問題のほかにも階段の幅がラッシュ時の需要にまったく対応していない、下り電車の一部が上りホームから発車するなどの不愉快を抱えている。設計した建築家は卵状の物体をつくることだけが主眼で動線計画などの機能的問題は東急電鉄に任せたに違いない。建築家だけでなくおそらく電鉄の担当者も電車通勤の経験が皆無なのだろう。それなのに人間の一般的行動から学習しようとしないからこんなことになるのだ。電車は毎日動いているから地震かなにかで駅が崩壊でもしない限り何十年もこの事態は改善できないだろう。嘆かわしいことだ。この不始末に建築家が関与している事実は広く一般に認知されているから私はこの駅を嫌いにならざるを得ないのだがここでひとつだけ許せるのは車内で流れる録音されたアナウンスの声色だ。かわいいでも色っぽいでもない媚諂いのない女声。好みだ。特に発車してすぐの「ありがとうございます」のなんとも言えない感じがいい。googleで調べると声の主は西村文江さんであることが直ちにわかった。東横線ばかりでなくかなりの私鉄線で活躍しているらしい。駅の不愉快な写真に代えて呑川緑道の黄モッコウバラ。
2017/04/28(Fri) 09:01:48 | doglog
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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
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