鷺に思う

160727a.jpg
大学生の娘が清水にいるおかげですっかり馴染になった街、由比。駿河湾に臨む小さな漁港で江戸時代は東海道の宿場町の一つで、昔日の面影がそこここに残る。背ろには山がせまり東西に走る道とそれに直行する海に向かう小坂が街の基本構成。1968年に海辺に東名ができあがるまではのどかな東海道本線が海辺を走っているだけで駿河湾と街が視覚的にも一体であったに違いないが今の街歩きでは鼻だけが海の存在を知る。川には鳥がたくさんやってくるので橋の上でカメラを構えているのが好きなのだが海を背景にはできない。この日は鷺が東海道線の橋梁に悠然と。向こうには東名を走る大型車の姿と空。河口に架かる二つの橋をくぐれば砂浜なのだろうが、ほんものの犬でもない限りそれは叶わない。どうしてこんなことをしてしまったのだろう。お気に入りの寿司屋の大将は「人がいないよな」と街訪れるヒトの減少を嘆くが、経済成長優先の浅知恵のツケであることは間違いない。すぐ脇を列車が通り過ぎまもなく鷺は山の方に飛び去った。
160727b.jpg
160727c.jpg

2016/07/27(Wed) 09:26:50 | doglog
Tittle: Name:

Profile

image
kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

New Entries

Comment

Categories

Archives(4185)

Link

Search

Library