Assjel im Gehege

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こちらも斎藤輝彦さんの縁でリサイタルを聴き続けている瀬川裕美子さんは西洋音楽の周縁部に果敢に挑戦している若手ピアニスト。今回はヴァイオリン奏者でもあったパウルクレーの言説を黒子に「肥沃の国の境界」を探訪していく趣向。「線+ポリフォニー・・・」という副題は私には難し過ぎだが、演奏会には瀬川さん自身の随想、覚書、雑感からなる分厚い小冊子が付属していてこれをじっくり読むとやっといくらかはわかってくる。が、ウェーベルン、「ハンマークラヴィーア」、近藤譲、ブーレーズという選曲も私のようなクラシック門外漢にとってはかなり手強い。シューベルトの即興曲とブラームスの間奏曲が一番楽しめたかな。小冊子に出てくるクレーのワラジムシAssjel im Gehegeが面白い。これもPolka Dotsと同じく1940年。演奏会後の懇親会は取りつく島がなくて壁の花状態になるのではと心配しましたが杞憂。楽しい豊かな時間を過ごすことができました。作曲家の近藤譲さん鈴木治行さんのほかには音楽の周縁部の専門家が多いのは瀬川さんの活動の幅広さの証でしょう。ゲーテ自然科学の集い代表の粂川麻里生さんが息子のドイツ語の先生だったのは奇遇。舞踊評論家の石井達朗さんはワークショップがかかわった[from DANCE]@白州で田中泯と高橋アキの競演を体験されているという縁もありました。会場の小石川テラスのカーペットは[A clinic]でサイン計画をお願いした今話題の野老さんのデザイン。音楽の縁も奥深し。


2016/06/23(Thu) 09:30:02 | doglog
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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
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