Together Through Life 090502
やっとディランの新作が届きました。歯の浮くようなタイトルといいありのままが過ぎるジャケット写真といい、今までに築かれてきたディラン像から大きく逸脱しています。今月で68歳になる大御所の大作というような重みはなく、肩の力の抜けた楽しいセッションになっています。いろいろあったけれど長い音楽人生の末に結局は原点の音楽そのものに戻ってきたということなのでしょうか。パリで体験したライブでのひたすらバンド演奏を楽しんでいる彼の姿と重なるものがあります。周囲が期待する予定調和的ディラン像を裏切って、新しい領域に挑戦していく姿には感動を覚えます。早速英国では1979年のNew Morning以来の売上首位を獲得し、Uncut誌が五つ星の絶賛をしている反面、「並」の評価もかなりあり、評価が二分されているのも面白いところです。Jacques Levyが詞を書きヴァイオリンがフィーチュアされたDesireというアルバムがありましたが、Robert Hunterが詞を手伝いアコーディオンがフィーチュアされているという構成には共通点があります。「Under the Red Skyを10倍くらいよくした感じ?」というヘッケルさんの評はさすがです。Beyond Here Lies Nothin'のビデオ・クリップはジャケットに使われているMagnumの写真で構成されていて音にピタッとはまっています。2日のリバプールではSomethingが登場。今年の欧州公演もあと4回。新作からの唄が登場するでしょうか。
2009/05/02(Sat) 09:31:04 | doglog