未来の駅

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非常勤講師をしている日大生産工学部デザインコース2年の後期設計演習第1課題は京成大久保駅の新駅舎計画。大久保商店街から7人習志野市役所から2人をお招きし9つのグループにひとりずつクライアントとして付いていただいた。街をより良くしていくために駅はどうあるべきかというのが課題の主眼である。鉄道敷の範囲、周囲の既存建物の存在は尊重しながら、予算、工法、鉄道事業としての効率には目を瞑むる方向で指導した。サーヴェイ、ヒアリングの中から、商店街と学生の積極的な交流が求められていること、お年寄りは橋上駅舎より現状の地上対面式ホームを好んでいることが見えて来たが、クライアントそれぞれの意見の違いもあって、ヴァラエティに富んだ9つの未来の駅ができあがった。上下線を2層に分けてプラットホーム幅を拡充する案は想定外でおどろいた。駅とその界隈に大屋根を架け徐々に街を変えていく案が一番先鋭的だ。設計の過程を通じて街の過去・現在・未来と向き合うことができたことが最大の成果だろう。学生にとってはただ通り過ぎるだけで終わってしまいがちな街を見直すいい機会でもある。私自身も14年も通っていながら新しい発見がいくつもあった。鉄道連隊演習線という軽便鉄道が戦前大久保を通っていたことは知っていたが、それが津田沼から騎兵連隊(今の日大キャンパス)を経由して千葉までつながっていた。そしてその跡が「ハミングロード」として緑道となっているのだが大久保駅周辺は自転車置き場になってしまっていて、その存在が活かされてはいない。習志野が日本のソーセージ発祥の地というのも初耳。一次大戦のドイツ兵収容所があった縁だそう。クライアントのお一人からはいい洋食屋とかつてライブハウスだった店を教えていただいた。駅の反対側の鮨屋は自分の脚で見つけた。今夜は授業の後そこで一献。どのような街でも歩くのは楽しい。
2017/12/04(Mon) 09:23:14 | doglog
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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
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