古民家ステイ

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小値賀ぶらぶら 3。小値賀の宿泊は「古民家ステイ」「民泊」が用意されているほか港近くには旅館がいくつかあった。3か所に6棟用意されている「古民家ステイ」のうち「日月庵」と「先小路」に1泊ずつ泊まった。布団が敷かれる和室の他は大きめのワンルームになっていて、自炊できるようにしっかりした厨房が用意されているほか洗濯機もある。窓から漁港が見える「日月庵」には黒塀で囲まれた庭があって、檜の湯舟につかりながら庭を愛でることができる。「先小路」は路地に建つ町家をリニューアルした空間で下階に広い土間と寝室、上階に主空間がある。鍵ひとつでプライバシーをロックするホテルとは違い、街とのつながりが曖昧でそのせいかいつになく寛いだ夜になった。どちらも街中に位置しているのだが、街はひっそりとしていて「スーパー」という名のよろずやと魚屋を兼ねた酒屋だけは開いている。食べ物屋は基本的に予約制か出前式だから街の賑わいはない。普通なら「泊まる」場所に付属している「食べる」「飲む」「遊ぶ」が島中に分散隠遁していて街全体で「泊まる」機能が成り立っている。朝食、鮨などのデリバリーもある。「米、野菜セット」には島味噌、小値賀魚醤も付属していて、幸せな島のご飯を楽しんだ。来島者をこの仕組みの中に溶け込ませるために「おぢかアイランドツーリズム」がきめ細やかに機能している。このサービス提供機能が、外注ではなく内在であることが「ツーリズム」による再生計画の成否に大きくかかわっていくのではないかと思う。上五島に新しい魅力を付け加えている人気ホテル「マルゲリータ」が、運営を「際コーポレーション」という全国的企業に「外注」しているのと好対照である。ネットを駆使した格安宿泊に慣れ親しんでいる私は正直なところ1泊¥29,000-を高いと感じていたが、そういう考え方では街は成長して行かないということがよくわかった。小値賀はわたしたちの国にも未来があるかもしれないということを語っているのではないか。やっと軌道に乗った「おぢかアイランドツーリズム」がさらに豊かに成長していけるように及ばずながら応援していきたいと思う。fbのmichio kinoshitaアカウントにほかの写真を数枚アップしています。
2017/09/02(Sat) 09:03:36 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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