Blue & Lonesome
ローリングストーンズのブルースアルバムが届いた。ものすごくいい。全曲シカゴブルースのカバーでほとんどが50年代の曲で年代的にはディランの「シナトラカバー曲」と変わらない。ブルースはディランのルーツのひとつでもあるからディランが60年代後半に録音した曲のような雰囲気の曲もある。ミックジャガーのハープはディランのとは違って完全なブルースハープでおそらくどの曲も原曲と近いスタイルなのではないかと思う。ストーンズはブルースから始まって初期にシカゴのチェスレコーズで録音したりもしているから原点に戻ったようなものだ。ディランは原曲の飾りを剥ぎ取った結果、楽曲の良さが引き立ち、歌唱の巧さがよくわかるが、これはほとんどの聴き手が思いもしなかった展開だ。ディランが今ブルースに取り組んだらどうなるのかと夢想するのは普通の人のすること。そんな期待をふーっと吹き飛ばしてしまうのがディランの身上、ということくらいはわかっているつもりだけれど・・・。それぞれの75歳での原点との対峙に拍手。
2016/12/10(Sat) 09:11:28 | doglog