コントラバス

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11月4日斎藤輝彦コントラバスリサイタル@三鷹市芸術文化センター。コントラバスにはバス、ベース、ダブルベース、ストリングベース、ウッドベース(和製英語)、弦バス、アップライトベース、スタンドアップベース、アコースティックベース、ベース・フィドルなどさまざまな呼び名があり、オーケストラ、ジャズ・カルテット、ロックバンドの一員として重要かつ多彩な役割をしているけれども、このリサイタルのようにソロで聴かれることは珍しい。斎藤さんのおかげで私にとっては恒例となったリサイタルだが回を追うごとに内容が豊かになってきている。馴染のある「タイースの瞑想曲」(マスネ)に始まる演奏は徐々に昂まっていき、半ばからはコントラバスを知り尽くしたボッテジーニをたっぷり。粋の合った吉岡裕子さんのピアノ伴奏に加え古川仁美さんのフルートが加わったのが新鮮だった。特にボッテジーニの「パッスィオーネ・アモローザ」でフルートが主旋律を奏でている時の何とも言えない弦のうねりのような音は感動的だった。幸せな夜の気持ちをよく表しているのが秋の黄色い小菊。この曲は2台のコントラバスのための曲の一つのパートをフルートに置き換えて編曲されたものだそう。あの3・11の直後に予定されていたリサイタルでフィレンツェ歌劇団の首席コントラバス奏者とデュオで聴けたはずだったのがこの曲。フィレンツェ市長の迅速な帰国命令で幻になったままになってしまっているが判断は正しかった。フルートと奏ったほうがいいよ、と斎藤さん。フィレンツェから見れば今でも事態はアンダーコントロールとは言えない。
2016/11/08(Tue) 09:11:02 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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