Restlessly Yours

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photo courtesy of Facebook

ボブ・ディランの2014年と2016年の録音を担当したアル・シュミットが6月17日のインタビューで2016年の録音は30曲だと語っている。録音したのは新曲ではないという別の情報と今夏のアメリカツアーで初登場したI Could Have Told You、How Deep Is the Oceah、That Old Feelingの3曲が何れもシナトラの持ち歌であることから判断すると、断定はできないものの、30曲もの旧き佳きアメリカの歌が新たに録音されたものと想像される。2014年に録音された23曲のうち22曲はShadows In the Night、Fallen Angelsの2セットのアルバムとして発表されていてiPhoneにこれら22曲をプレイリストAl Schmitt Sessionにまとめて愛聴している。65歳にもなった私に合わせてディランが歌ってくれているような幸せな心持なのだが、聴き馴染むに連れ言い知れぬわだかまりがうずき始めているのに気づいた。自身の音楽のルーツを辿るのはいいけれど、もっとほかのルーツもあるじゃないか。例えばウディ・ガスリー、黒人のブルーズ、ハリー・スミスのアンソロジーに収められている曲あるいはそもそものBasement Tapes。それなのにどうしてこんなにもシナトラなの?。細やかに気持ちを込めて歌われる歯の浮くような歌詞ばっかりじゃイヤだ。2000年以降'Love And Theft'、Modern Times、Together Through Life、Tempestの4作で巷の音楽を縦横無尽に咀嚼して自らの歌を再構成する方法を堂々と展開してきたわけだが、ほんとうにTempestがシェイクスピアのThe Tempestのように自作ラストになるのかなあ、と心配していたら9月8日のRolling Stone情報によればMavis Stapleに一緒に歌うための曲を贈ったということだから杞憂かも。一方、’Portal’と題された金属細工の新作がメリーランドのカジノに設置されるそうだ。何を考えているのだろう。自由な人!。とりあえず凡人はブートレッグ・シリーズBlood On the Tracksを首を長くして待とう。写真はfacebookから拝借した自画像を手にする60年代のディラン。この絵が表紙に使われたSing Out誌をおよそ50年前に父の友人から贈られていて[bigdog house]の膨大な「ライブラリー」に埋もれている可能性もなくはないのだが捜索活動にはまだとりかかれていない(笑)。
2016/09/09(Fri) 09:49:20 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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