pieces

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去年の誕生日を祝ってくれた仲良し2人に誘われて東京文化会館のHilary Hahn。クラシックは門外漢だしヴァイオリンのコンサートは初めてなので予習のためにゲットしたCDのなかにベートーベンのヴァイオリン協奏曲があって記憶が60年逆戻りしました。私が生まれて初めてのめり込んだ音楽がこの曲なのです。今ではBob Dylan1曲が終わらないうちに眠りに落ちてしまうのに、幼稚園の頃はこのLPの表裏を聴き通してやっと眠りつくほどだったそうで、おかげでこの名曲のメロディは今でも諳んじられるほど。私のハイフェッツ=トスカニーニ盤は幼少の私にとって悲痛な音楽だったのに比べてなんと艶やかで美しいこと。不思議な縁もあってあっという間に彼女の魅力に引きずり込まれてしまいました。彼女が古典を弾きこなしながら新しい音楽に挑戦している姿勢が好きです。現代の作曲家に委嘱した27の小品を集めた2枚組27 piecesは硬軟混淆で手強かったけれどそれなりの予習をして文化会館に足を運びました。この建築を体験させようとゼミの学生を連れてきた教授の心意気にも感服。そしてHilary Hahn。前半はモーツァルトとバッハ。伴奏のCory Smytheのピアノの美しさに先ず感動。後半は20世紀のコープランドを挟んで現代。だんだん聴く耳も乗ってきて、アンコールを含めてラスト4曲の27 piecesCD曲で極まりました。繊細な現代ピアノに重なる消え入るようなヴァイオリンの調べに目を閉じていつまでもひとりで余韻に浸っていたいと思いました。60年前のハイフェッツ。この感動は彼女のおそろしく完璧な技術にささえられているのでしょう。終演後にDylanとは違ってサイン会を開き、誕生日だった学生にはケーキまで描いてくれるHilaryが好きです。で、締めは仲良し2人とHilaryにシャンパーニュ。幸せな夜だったなあ。開演前のハヤシライス美味しかったなあ。
2016/06/18(Sat) 10:05:23 | doglog
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木下道郎 ・ 建築家
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