亡き友に盃
1986年の[HEARTLAND]「穴ぐら」「つた館」以来の永いおつきあいだったキリンビールの塩見さんが急逝されたのは3年前の1月でした。1995年の彼の結婚のお祝いに集まって飲み明かした仲間がその同じ処に集まって思い出を語り合いました。この一連のおつきあいには数限りない出会いがありましたが、その一つがチェコ出身の音楽家Iva Bittováとの出会い。ワークショップ時代に宇田川町のラブホテル街入口に設計したワインのパイロット・ショップ[from DANCE]で演奏してもらったのです。衝撃的表現力でした。仕掛け人の田村光男さんが当時制作したCD ”River of Milk”は私の宝物のひとつです。灯台もと暗し。彼女は去年「土と水の芸術祭」に来日し、田村さんによれば、夕暮れの信濃川縁で「演奏し唄い、踊り、話しかけ、そのまま人々を引き連れて夕焼けの空へ舞去って行くようでした」とのこと。貴重な機会を逃してしまっていました。アンテナは磨いているつもりだったのだけどなあ。偲ぶ会の準備でメールをやり取りしている最中にふとパソコンにほぼ20年ぶりに現れたIva Bittová。彼女の新作がいつもチェックしているECMのサイトの表紙になっていたのです。びっくりしました。大きくなっているのですね。途切れかけていた20年来の輪が繋がりました。塩見さんに感謝。写真はこの宴のために〆鯖をつくっているところの圖。塩麹の力を借りた塩鰹の方ができがよかったかな。
2013/02/25(Mon) 07:13:33 | doglog