水俣と福島
飛行機に乗る時には本は要りませんが、電車の窓に背を向けて座る時には活字が必要です。熊谷への小さな旅の折には石牟礼道子と藤原新也の対談「なみだふるはな」。読んでよかった。水俣と福島を素材にヒトの現代文明の愚かさが痛いほどに語られているけれども、心持は討ち沈むことなく、むしろしゃきっとしました。ネコ、タチウオ、ミナ・・・生き物小話に救われます。フクイチ事故の原点が冷戦の結果としての広島長崎にあると捉えると、ただ福島の問題ではなく、日本だけの問題でもなく、人類全体の問題であるというのが、よくわかります。脱原発への抵抗が強固で執拗なのも、そういう背景があるからなのでしょう。写真はデイベッドを挟んでうつらうつらのハヤとクウ。平和だなあ。
2012/07/30(Mon) 08:02:04 | doglog